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入院日記 最終回|手をあげなければ救いは得られない

こんにちは。実質入院最終日の、弥生です。
明日の午前中に退院のながれになっているのですが、明日は起きて、ごはん食べて、リハビリしたら退院という流れ。
病院でだらだらーんと日記を書けるのは、今日が最後。
というわけで、入院日記も最終回でございます。

日記を楽しく読んでいただいた皆様、誠にありがとうございました。

本日めでたく膝が90度まで曲がり、車いすから松葉づえに移動ツールを変更。足に1/3の体重をかけてもいい状態となりした。
2週間前に手術を受けた直後は、寝返りも打てなかったのがウソみたいに、今は元気にベッドの上でごろごろしたり、病棟内を探検したり、売店で馬鹿みたいにお菓子かったりと、元気に過ごしています。

人間の体って、すげえ。
医療の力って、すげえ。

……などとしみじみ感じております。


さて、タイトルについて。
今回は「手をあげなければ救いは得られない」というタイトルにしてみました。

入院日記④で提示した問題でもあるのですが、
世の中には「助けてほしくても助けを呼べない性格の人」。
助けが必要なのに、我慢をしてしまう人、頑張ってしまう人がいる、というお話でした。

私は子供の頃、困っていても助けを求められない性格でした。
ある日、乗るバスがわからなくて、バスの地図をにらめっこしていたことがあります。
あっちもでもない、こっちでもないと迷いながら、なんとか記憶を頼りに家までたどり着く。
優しい誰かが困った自分を見て、手を差し伸べてくれないだろうかと、思ったけれど。
誰も手を差し伸べてはくれませんでした。

アニメや、ドラマ、物語の中では、いつも優しい主人公が誰かを助けます。
私は困ったわき役で、そんな優しい主人公が現れないかなぁと期待して、待ちました。
当然誰も現れるわけがありません。


結局、頑張って自分で解決していく方法を選択する。
「助けてください」と誰かに言うのが恥ずかしいから。
恥ずかしいを乗り越える能力を持っていなかったから。

自己解決してなんとか家に帰った私は、家にたどり着いたらよく頑張ったね。偉かったねと褒められます。
親の立場としてはそう言わざるをえなかったのかもしれません。
どんな下手な努力でも、子供の頑張ったことを否定しない優しい親だったので、頑張ったね、と言ってくれました。
私もそれがもし自分の子供なら、言いたくなります。
そして、子供の頃の私は「より難しいことを、自分で解決したら褒められるに違いない」という学習を手に入れました。


困って、自己解決できた、私はいい子。
人に頼らず、賢い頭で考えて帰ってこれた、頭がいい子。

36歳の今、考えればこれほど馬鹿で愚かな子はいません。

私が今、小さなころの自分に言うならば

「子供であるという弱い立場を利用して、今のうちに大人に頼ることを覚えておくこと」
「他人を上手に頼る方法を学習しろ」

と言うでしょう。
そして、それを実践させるでしょう。

この助けを求める能力は、社会に出てから、とても大切な能力だからです。

もし、この能力の習得に失敗しちゃってるなぁと、大人になって気づいた方がいるのであれば、今からでも遅くありません。

スーパーの店員さんに、「商品の場所を教えてください」と話しかけてみてください。
これは私が大人になって「助けてください」をいう練習のために実際にやっている行動です。
どう頼んだらいいのか。どうお礼を言えばいいのかを考えなくても自然とできるようになれば、一人前です。

今回、その地道で小さな、どうでもいい努力が実って、

「トイレ連れてってください!!!」

を私は無事、いうことができました。

恥ずかしかったし、勇気がいりました。

……でも、素晴らしい成長でしょう!!!

人にトイレ行くことを手伝ってもらえる勇気が出たのですから。
これ以上に恥ずかしいことなんてそうそうないはずです。

退院後の私は、さらに強くなれるはずです。・・・多分。

1.今日見た映画

理学療法士の先生お勧めの1作。
病院を舞台にしたホラーっぽい作品なので、病室で見ると怖いと思いますよとご紹介いただきました。

【あらすじ】
ある夜、速水は先輩医師の小堺に、田所病院での当直のバイトをあっせんされた。ある夜、速水が当直で病院に待機していると、病院の近くでコンビニ強盗が発生したというニュースが流れる。ニュースによると、強盗犯は人質を取って逃走したという。
当直室に1本の内線電話が入る。速水は内線に応じて診療室に向かうと、ピエロマスクの強盗犯と、腹部に怪我を負った女子大学生が待っているのであった――。

この作品、ホラーかと思って見始めたのですが、医療ミステリーものでした。
なので、作品を見る態度がアンマッチになってしまい。

怖くねえ……全然こわくねえ……どうしたことだ……

と、困惑。
やがて話が進むごとにホラーではないことを理解して、ぽんと膝を打ったのでした。

映画公開が2020年なので、あまり映画の内容について詳しくは触れないことにします。

ざっくり話の内容を言葉にすると、医療系サスペンスです。
物語はライト層の映画ファンに向けて作られており、とにかく、わかりやすく作られています。
グロすぎる描写や、怖すぎる描写などもなく、複雑な葛藤するテーマもないため、娯楽作として楽しめます。


タイトルを見て「怖いかもしれない……」とおびえている方は、安心してご覧いただければ幸いです。

なにしろ、主人公の坂口健太郎がさわやか恰好いい。
さわやかすぎて目のやり場に困るくらいです。
見事な筋肉のチラ見せもあるので、本当に目のやり場に困ります。

演技的な見せ場は高嶋さん演じる院長のキャラクター。
高嶋さんの演技で魅力的なエッセンスをぎゅぎゅっと詰め込んであります。

原作が現役医師が書いた小説ということで、病院というシチュエーションのリアルさは面白かったです。夜の病院の、何処となくがらんどうな雰囲気がとてもよかった。

是非、ごらんいただければと思います。

仮面病棟は見放題対象外です。
48時間399円でレンタル可能です。

2.今日のリハビリ

 とうとう車いすから、松葉づえに本格ジョブチェンジを果たしました。

 病棟を車いすで爆走するのが最近の趣味になっていたため、
 松葉づえで一歩一歩慎重にあるくたびに

 「ややこい……」(※ややこしいの意)

 とつぶやきながら歩いています。嘘のような、本当の話です。

 膝の曲がりは90度達成しました。

 来週からは、通いでリハビリになっていく予定です!



 グッバイ病院!!

 グッバイ、入院日記!!!

入院日記、多くの方にお読みいただき、嬉しい限りでございました。

こんなもん書いて何になるねーんと何度も思っておりましたが、数々の「いいね」をいただき。

ちょっとでも読者の方が喜んでくれたのなら、書いた甲斐あったなぁ~と今はしみじみ思っております。

お読みいただき、誠にありがとうございました!


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弥生
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