困ったことをするのは困っているから〜お互いがほっこりするための伝え方
ポッドキャスト「恥を抱きしめて」#32「困った行動への声がけ子育て奮闘記」の後書きです。
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学年度末ということもあり、保護者周りの用事が多いことについてちょっとした愚痴を言いつつ(汗)、その良さについても話したりしました。
ちなみに収録の翌日に来年度のPTA役員会がありました。
仲良くなりたいと思っていたママさんと同じ役職なことがわかったり、前任の方が効率的なシステムを作ってくれていたことで、抵抗感のあった役員仕事にも、少しだけ前向きになれました。
「何をやるか」より「誰とやるか」だよなあとしみじみ・・・。
さて今回は、我が子の困った行動に対する向き合い方について、日々の葛藤や工夫を話しました。
「困ったことをする人は、困っている人」
なんて言葉もありますが、まさにそんな視点を大事にして、自分も娘もニコニコ過ごす時間を増やすためのコミュニケーションのあり方を日々模索しているところです。
ここで注意書きですが、子育ての話はあくまで私の場合、我が家の場合、そして現時点での話をしています。
前提となる家庭の事情が違う上に、幸せの形やペースは人それぞれ。
なので、ただの一つのサンプルとして聞き流してもらえたら、そしてもしも少しでも前向きになるような要素があったら、嬉しいなと思います。
またコミュニケーションの話なので、子供がいるいないにかかわらず、共感したり参考になるところもあるかもしれません。
些細なことに強い癇癪を起こす娘
どんな子供にも、親が困ってしまう個性や行動があると思います。
我が家の娘の場合は、感受性が強くて繊細で、思い通りにいかないとすぐに激しく泣いて暴れてしまうところに毎日あくせくしています。
「そこ危ないから行かないで」
「8時だから幼稚園の準備するよ」
などの指摘をされたとき、
お友達のお家に行きたいけど行けないとき、
パパとママが仲良くおしゃべりしているとき、
自分の言った言葉や意図が一回で伝わらないとき、
などなど…
思うようにいかないことに一瞬で強い癇癪を起こし泣いて、時には物を投げたりパパを殴ったり蹴ったりしてしまう娘。
そしてそのスイッチが入ってしまうと、気を取りなおすのに結構な時間を要します。
「悲しかったよね」
「わざとじゃないよね」
「間違ってもいいんだよ」
「ママの言い方が強かったよねごめんね」
「こっちにおいで」
寄り添ってみても、すぐに切り替えられずに私の手を跳ねのけてしまうこともあります。
「落ち着いたら教えてね」
「ママあっちで待ってるね」
「先に準備してるね」
とタイムアウトをしようとするとさらにエスカレート。
癇癪モードは突然に。
時間のないとき、体調が悪いとき、一人になる時間が取れてないときに始まってしまうと、こちらまで取り乱してしまうことも。
なるべく叱らずに寄り添いたい理由
娘が望ましくない行動をした場合、なるべく叱りたくないし寄り添いつつ、好ましい行動に導きたいと考えています。
その理由は主に3つ。
①叱っても問題行動を変える効果はないから
そもそも繊細な娘を叱っても、余計にパニックになってしまうだけで、こちらがしてほしい行動にはならないでしょう。
「<叱る依存>がとまらない」という本では叱る時に脳内で快感物質が流れ、依存してしまうことや、叱られても表面的に叱られないように誤魔化したり嘘をつくようになるだけで、行動を根本的に変える動機づけにはならないことが書かれています。
目の前の娘を見ていても、科学的実験結果からも、やはり叱っても意味がない。
②自分が親にしてほしかった対応を自分が娘にしたいから
娘の感受性の強さに圧倒されながらも、彼女の感覚に共感する部分のある私。
というのも何を隠そう、
私自身が、喜怒哀楽の感情の波が激しく感受性が豊かで、親を困らせていた子供だったからだあああ(ドバーン!)
ちょっとしたことにすぐ泣いたり笑ったりしていた子供の頃の私。
おそらくその感情の起伏についていけず、そもそも家事育児の多忙さに疲れ切っていたであろう母は私の激しい感情に寄り添ってはくれませんでした。
(育児にほぼ関与していなかった父は無論)
小学6年の私が転校先でいじめに遭い、不登校になった時も
「絶対に行かないとダメ。」
なぜ行きたくないのか、何があったのか、どういう気持ちなのか、どういう体調の悪さなのか(毎日頭痛と腹痛がありました)何をしたい気持ちなのか。
怒りながら病院に連れて行ったり学校に連れて行ったりするだけで、寄り添ったりじっくり聞いてくれることはありませんでした。
もちろん、親になってみればそのような母親の行動も理解はできます。
このまま学校に行けなくなってしまうことで娘は幸せになれないのではないか、と心配して行かせようとしたのでしょう。
(だったらそう考えていると言ってほしかった)
引っ越したばかりで片付かない家、慣れない環境。
そんな中突然娘が学校に行かないと言い出し、一人でそれに対応しなければならない。不安だったでしょう。もどかしかったでしょう。かなり精神的に追い詰められていたでしょう。
(それならそう感じていると教えてほしかった)
大変な思いをさせたなあと思います。
それでもやはり、その時の自分は、
「ああ私はダメなんだ。私の思ってることもやってることも全て間違っていてわがままなんだ。お母さんとお父さんを困らせているんだ。ダメな子なんだ。」
そういう感覚でいっぱいになりました。
そして親に対してのそのような感覚は、今なお感じる頻度を減らすことはできていても消すことはできていません。
不登校以外の場面でも、基本的に問題が起きてもとことん話し合ったり気持ちを聞いて寄り添うという態度は家庭内に一切ありませんでした。
親同士も、意見がすれ違ってもそのまま寝て、翌朝には何事もなかったかのようにいつもの会話をするというコミュニケーションのあり方でした。
自分が不当な目にあった時、自分が辛いと感じている時、親は聞くことも寄り添うことなく、何なら私が嫌な思いをした相手の肩を持つようなことさえ言いました。
ただご飯や洗濯などがどんな時も用意されていたことがケアの形だったのだとは思います。
家庭内だけではないですが、コミュニケーションがうまくいかなかった経験やそれによる自分の認知の歪みに苦しんだことを踏まえて、娘にはもっと”自分の気持ちや感覚をダメなんだと思わせない”ような声がけをしたい、と思っています。
自分が親にしてほしかったような声がけを、自分が娘にすることで小さい頃の自分を癒したいと思っている部分があるのだと思います。
③嫌な言葉を口にするたびに自分が嫌いになるから
私の実家のコミュニケーションが、
衝突してもそのまま寝て、翌朝起きたら何事もなかったかのように「おはよう」と挨拶する
だったように、コミュニケーションはテンプレ化する、癖になると思っています。
叱る時の言葉もテンプレ化していき、それを口にする方も耳にする方も本来の意味を考えなくなっていきます。ただその言葉の帯びる雰囲気が2人の間の空気になります。
「いい加減にしなさい」「なんでそんなことするの」「ダメって言ったでしょ」
世間的に望ましくないことや自分が不快と思ったことをよく見聞きしてきたそんな言葉をセリフのように口にする。
そのうちにその言葉が勝手にでてくるようになる。
行動は変わらないし、言う方も言われる方も身体がこわばるような響きと空気に悲しい気持ちになります。
さてそもそも、それらの言葉を言っている時の自分を好きな人っているでしょうか。
なんだか自分が悪者みたいで嫌になってきてしまいます。
”子供の幸せのためを思って言っている”はずですが、前述のとおり、
叱っても子供の行動も気持ちも変わらない。
自分も子供もアンハッピーで結果も変わらないのなら、あれ、叱る意味ってないよなあ・・・そう思うのです。
それならもっと親も子もほっこりするようなセリフに、行動に置き換えたい。
親も子もほっこりする伝え方を探る
さて前置きが長くなってしまいましたが、今のところ私が行っているコミュニケーションの工夫を最後にまとめたいと思います。
癇癪が起きた時
①落ち着くまでとにかく待つ
(途中で寄り添ってもダメなので、エネルギーを出し切るまで待ちます)
②落ち着いたら何が起きたのか、どんな気持ちなのかを抱っこしながらしっかりと聞く
(言葉にしきれてなかったら言葉にするお手伝いをする)
③その気持ちや事情を肯定する 共感する
④それが起きたきっかけについて事情を説明する(その時のこちらの感情や考えがあればそれも伝える)
⑤対策があったら提案したり謝ってほしそうだったら謝る
もちろん1日に何回もこれをするのは骨が折れますし、自分のコンディションで難しい時もあります。
間違ったなという対応をした時は、後からでもいいから、事情も含めて説明しつつ、謝るということをしています。
(言い方が強かったよね、ママ疲れてそういう言い方しちゃったんだ。娘ちゃんは悲しかったよね。など)
普段から気をつけていること
困った行動が起きた後ではなく、機嫌が良い時や普通の時にかけておく言葉がそれを防いだりもします。
・ニコニコ楽しく一緒に過ごしている時に、「大好きだよ」と伝える
・好ましい行動ができていた時に、大げさに驚いたり喜んだり感謝する
・「あんまりだったら、”ママありがとうね、でもあんまりだったんだ、ごめんね”って言ってね」など不機嫌以外の伝え方をあらかじめ教えておく
・「悲しい時どうしたら娘ちゃんはホッとするかなあ?」など話をしておく
もちろん母も人間なので、体調が悪かったり一人時間がない休日などはこれができない時もあります。
余裕がないと爆発してしまいがちなので、家事やお出かけなどをサボったり楽な選択をして余裕を作ることも大事です。
もうすぐ春休み。
連日一緒に居続けなければならない長い休みは、育児ノイローゼに毎回なっているのでうまく対処できない日も多くあるだろうな、と覚悟のうえ、のらりくらりやっていけたらと思います。