東京おのぼり旅日記⑥~再び神保町編~
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これは、創作大賞授賞式のその後を書いた、汗と冷や汗の旅行記である。
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赤坂を後にして向かったのは、本日2回目の神保町だった。
理由は単純。カレーが食べたかったのだ。
神保町はカレー激戦区と聞く。実際、noteとXでおすすめスポットを聞いたとき、いくつかカレー屋さんを教えてもらった。なんかガウディとかそんな名前だった気がする。本店はスペインにあるのだろうか。
なにを隠そうこのアルロン、カレーが大好きなのである。僕は空前絶後の超絶怒涛の元インデアン店員、カレーを愛しカレーに愛された男であるからして。カレーを薦められて看過できるほど人間ができていないのだよ。見せてもらおうか、神保町のカレーの性能とやらを。
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夜の神保町は、昼のそれとは趣が違った。午後6時を過ぎた頃にはブックフェスティバルも仕舞いとなっており、されど人の多さは相変わらずだった。
目指すはガウディ。なんか名前が違う気がしてきたけれど、まあいっか(よくない)。東京滞在中ずっとこき使っているGoogleマップ先生を開き、その指示に従いながらガウディを目指す。
さほど時間もかからず到着した。おや、扉になにか書いてある。
“CLOSED”
ん? “CLOSED”って書いてあるね。僕の記憶が正しければ、“CLOSED”とは「閉店」の意味だ。
やってないんかーい!!!
“CLOSED”の横になんか貼り紙が掲示されていたので、おそらく「ルーがなくなったからおーわり! メンゴメンゴ☆」みたいなことが書いてあったのだろう。
まあ仕方あるまい。ガウディにだって都合はあるもんね。こっちのことはいいから、君はサグラダ・ファミリアの完成に心血を注ぎたまえ。
それに僕にはプランBがあるのだよ。もう一件カレー屋さんを紹介されていたのだ。名前はなんだったっけ。ボン・ジョヴィだったかな。とにかく、そこが夜明けのランナウェイになるってわけ。
僕はガウディに別れを告げ、ボンをジョヴィしに向かった。
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ボン・ジョヴィじゃなかった。ボンディだった。おしい。
「めっちゃ並びますよ」とのリーク通り、すでに10人くらい並んでいる。ううむ、事前に聞いていたとはいえまた並ばなくてはならないのか。
だが、そこは空前絶後の超絶怒涛の元インデアン店員、カレーを愛しカレーに愛された男として、神保町の底力を見届けなければならない。我ながら責任感の強いカレー愛好家である。
最後尾のお兄さんの後ろにスッ……と並ぶ。
並んでいる最中に気づいたのだが、ボンディの店舗は2階にあり、そこへ上がる階段(踊り場あり)、店舗前の廊下にまで長蛇の列が続いていた。10人だと思われた待ち人たちは、総勢30人くらいいた。
長い。長すぎる。少し前に具だくさんスープを摂取したので体力はキープできるが、腹ペコで並んでたら空腹のあまり激しい絶望感に襲われていたに違いない。こんなに長いとは。あまりにも長時間ならんだので本当はボン・ジョヴィのライブ会場なんじゃないかと思ったが、正真正銘カレー屋だった。
永遠、と思われるほどの時間(1時間)が過ぎ、ようやくカレーにありつけた。
味は、美味しかった。のだが、僕の後ろも長蛇の列だったので、「早く食べてドロンしなくては」という使命感に突き動かされ、あまり覚えていない。しかも、さっき食べた具だくさんスープの中の小麦粉の塊がまだ胃袋に鎮座していたので、カレーがなかなか入っていかない。あと、ルーに対してライスとイモの割合が多くないか? もぐもぐ。
15分で食べ終え、会計を済ませ、逃げるように店を出た。
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パンパンの腹を抱え、地下鉄に乗り込む。一日でこんなに列に並ぶとはな。東京ってやっぱり人が多いところだべさ。おらにはあずましくねえ(※あずましくない=居心地が悪い)。
地下鉄を降り、地上へ上がり、(Googleマップ先生がいるのにもかかわらず)ちょっと迷いながら帰路に就いた。疲れた。
だが不思議とまだ眠くない。Xのスペースを聞きながら、秋の夜長を楽しむとしよう。
そう思いながら、僕はコンビニで買ったアイスとプリンパフェに手をつけた。どんだけ食べるんだよ。
(続く)