DIYでピアノ防音室作り【ドア】【ついに立方体が閉じる】~8畳和室を浮き床式防音室へ~
DIYでチャレンジしているピアノ防音室作りが、いよいよ完成間近というところまで来ました。
今回の防音室作りにおいては、工事の状況を逐一公開し、構造的なこだわりや自分なりのエコの考え方を発信してきたつもりです。noteをきっかけにご専門の方から技術的なアドバイスをいただけたりもして、アウトプットすることで情報が自分に還ってくるのを実感しています。
最終回に向けて、もう少しだけお付き合いくださいませ。
レコーディングスタジオ仕様の浮き床構造
繰り返し書いてきましたが、今回の防音室作りのこだわりとして「浮き床構造」を採用して、建物の骨組み(躯体)と防音室が直接触れない状態を作り、あたかも部屋の中に部屋が浮かんでいるような構造を実現しました。
本当に浮くことはできないので、躯体と防音室との間に高密度グラスウール等の緩衝材を使い、振動の縁を切る構造を作ります。これは「浮き構造」「Box in Box構造」「浮遮音構造」などいくつかの言い方があるようですが、部屋が完全に二重構造になっていて、その間に空気層が存在する状態を言います。
結果的に壁・床・天井が2重になるため「中空構造」となりますが、中空構造の壁は1重の壁よりも遮音性能を大きくすることができます。
主として音楽ホールや録音スタジオなど、高い遮音性能が要求される場合に採用される遮音構造ですが、個人宅の防音室でも採用されます。DIYでやるには手間もかかって根気のいる工事でした。
完成の暁には、ピアノ練習室として使うだけでなく、レコーディングブース、撮影スタジオとしても活用します。今後の作品作りにもご期待ください。
ドアだけは絶対垂直に!
床、壁、サッシ、そして天井が出来て、防音室が「箱」として形が定まったところで、ようやく入り口ドアの設置です。木製の防音ドアをチョイスしました。
防音ドアの考え方はプロの業者でもまちまち。高い遮音性能を持つ金属ドアしか採用しないという業者もあれば、地震などで室内に閉じ込められた時、金属ドアでは脱出できないので木製にするべきというプロもいます。
価格的な理由が大きいですが、木が好きなので木にしました。
グレモンハンドルといって、ローラーでドアをぎゅ~っと締め付けて密着させる、防音室らしいドアノブです。
防音室という名の立方体を作っていますので、一生懸命「水平・垂直」を出しながら頑張るわけですが、素人大工ですのでどうしても数ミリのズレはごまかしたりつじつまを合わせながら作っていっているところはあります。そこら辺の融通が効くところが木材のいいところです。
しかしドアだけはそうは行きません。前から見えても横から見ても、絶対に垂直に取り付ける必要があります。
ドア枠を取り付けるための「枠」を作り、「かいもの」を挟んで、前から見ても横から見ても完全な垂直にします。
このときばかりは完璧を期すために、2台のレーザー水準器と下げ振りを導入して、徹底的に水平垂直を整えます。
無事ドアが付きました!うまく行ってよかった~。安心しました。
ドア周辺の残りの穴を閉じます。
ついに立方体が閉じました
ついに立方体が閉じました。密閉空間完成です。
中古防音室を解体した資材も使い切りました。残りは内装ということになるのですが、インテリアデザインのセンスはないので、あまり期待しないでください。
反射が可愛いライト
ライトを一つ購入しました。
点灯するとカットガラスが幻想的な影模様を生み出します。
宝石のようなフォルムが可愛いですね。
3ミリの段差を薄ベニアで埋める
どうしても生じてしまった3ミリの段差を、3ミリ厚の薄ベニアを貼って辻褄を合わせます。
続く)
続きはこちら
防音室作りのあゆみ
今回の防音室作りの歩みです。上から順に書きました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?