見出し画像

零細起業の経営実務(25)商品に持たせる「付加価値」の考え方

起業を考えている研究者の皆さんに、リーゾの体験をお伝えするシリーズ。今回は、お客さまに感じていただく「付加価値」をどのように構築するか?についてです。

リーゾは零細なので、価格競争することができません。必然的に、少量を高く売る商いになります。といっても、「高い」と思われるだけならお客さまには買ってもらえませんから、価格に見合うだけの、納得して買っていただけるだけの付加価値をつける必要があります。

どうしたら付加価値をつけられるのか?は、リーゾの永遠の課題ですが、これまでの熟考や試行錯誤で少し見えてきたことをお話しします。

商品やサービスの持ちうる付加価値は、大きく分けると、「機能」「デザイン」「ストーリー」の3つになると思います。

第1に、「機能」とはなんでしょうか。
食品で言えば、栄養成分や機能性成分といったものが思いつきますが、それだけではありません。むしろ「おいしさ」や「食べやすさ」だったり(咀嚼や嚥下が難しくなると重要)、いろいろな料理法があったり、食生活が規則正しくなったり。

ミニアクアリウムで言えば、コップでメダカが飼える、が重要な機能だし、交配袋なら好きなサイズを100枚から使える、も機能といえます。

つまり機能とは、科学的なエビデンスの有無は関係なく、とにかく、「それを使うことで起こる良いこと全て」、つまり、「お客様のなりたい未来」。そう考えれば、たくさん出てくるのではないでしょうか。
「ほんとうは、こうなりたいですよね?」と示されることで初めて認識できる機能が、実は多いのです。

「デザイン」も重要です。デザインと聞くとパッケージやロゴと思いがちですが、これもそれだけではなく、もっと大きく考えたいと思います。

たとえば、お客さまがどんなお店で、どんな風にその商品を手に取り、どんな接客を受けて、どんな気持ちでお金を払い、商品を受け取るのか。
持ち帰って開封するときの感じ方や、使い終わって次を買おうと思ったときの買いやすさ、注文しやすさとか。
あるいは、定期的にお便りが届いて、特別なお客さま感を味わえるとか。

商品そのものは同じでも、商品とその周辺のサービスの総合的なデザインを考えることで、お客様の感じる付加価値を高められるというのです。関連して、最近ホットなマーケティング用語として、「サービスデザイン」「カスタマージャーニー」なんていうのがあったりします。

そして第3の「ストーリー」。
実は、私自身は、これがいちばん重要だと思っています。

ストーリーとはたとえば、どんな人物が、どんな思いでこの商品を作ったのか、開発や売る段階でどんな苦労をしてきたのか、どんな人たちに愛されている製品なのか・・・・などがあります。
あるいは、創業以来の歴史や伝統とか、お店や商品にまつわる神話や言い伝え、なども入ります。

人は他人の苦労が大好きで、共感すれば応援したくなるものです。また、芸能人や上流階級など憧れの人たちと同じ物を使うことで、同じソサエティに属しているような気分になれる、という価値を感じたりもします。

卑近な例で言えば、ブランド物のハンドバッグを買う人は、単にモノを入れて運ぶという機能だけが欲しいわけではないですよね。伝統だったり、品質だったり、お店で受ける丁寧な接客であったり、あるいは購入後に他人から向けられる羨望のまなざしであったり。そういう価値を感じるからこそ、高いお金を払うのです。

「機能」「デザイン」「ストーリー」が揃ったら、今度はそれをいかにして伝えるか?が課題になります。リーゾの場合、残念ながら先立つものがありませんから、広告宣伝にはお金をかけず、手間と時間をかける方向で地道な努力と工夫を、もちろん現在も試行錯誤しながら少しずつ重ねつづけています。

リーゾのいろいろな製品で、機能、デザイン、ストーリーが、どのように設定され、どのように伝えられているか。
語りだすと際限なく熱く長くなってしまいますので、ここでは控えますね。
もしよかったら、ご興味のある製品やサービスについて、チェックしていただければうれしいです。

リーゾのウェブサイト
http://www.rizo.co.jp/

リーゾのブログ
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/

Facebookページ
https://www.facebook.com/suisuirizo/
https://www.facebook.com/bisyokudogenrice/

(2017年4月5日配信のすいすい通信より)

「すいすい通信」
https://rizo.co.jp/merumaga.html

いいなと思ったら応援しよう!