rizomonna
経営のど素人の元研究者(女性)が、つくばの小さなバイオベンチャー「リーゾ」を自力で立ち上げドタバタと運営する中で少しずつ得た、会社づくりと経営に関わる雑多な学びをシェアしています。
思えば11年と少し前。 前職場の経営破綻をきっかけに失業し、ハローワーク通いもした結果、「身の丈で起業して好きな実験をしながら人様の役に(立てるものなら)立つ」、という結論に到達し、売るものも決まっていないのにとりあえず会社を作るという、今から思えばずいぶん無茶なことをしました。 それから長かったような、あっという間のような時が流れ、おかげさまで今でも事業を続けることができています。10年続くのは立派なもんだよ、と先輩経営者の皆さんにほめられてウキウキでした。 ・・・が!
新聞やニュースで昨今よく目にするようになった「SDGs」。 Sustainable Development Goalsの略で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」、とされています。地球環境の維持と人類の発展をともに実現するために取り組みたい課題のことだと考えればよいと思います。 SDGsは全部で17あります。世界各国で、それぞれの目標に国としてどう取り組むかを検討し、宣言、実行していくことになっているようです。 企業でもSDGsを無視できない状況になってきています。SDG
最近注目の「食育」の一環として、今年こそバケツ稲をやってみたいという親子も多いのではないかと思います。 でも、種籾や苗って、少量だとなかなか手に入りにくいもの。 そこで、農産物直売所などで手に入る「玄米」からスタートしてみるのはどうでしょうか。 「発芽玄米」なんてものがあるくらいですから、玄米はしっかり発芽します。でも、籾殻を外したお米は、細菌やカビなどに対して、とても無防備な状態になっています。 すなわち、最大の敵は「腐敗」。種籾と同じように種まきしてしまうと腐ったり
起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えしているシリー ズ。今回は、中小・零細のための知財・法務です。学びたてホヤ ホヤの内容を、リーゾ独自の視点でまとめてご報告します。 先日、「Open Innovation創出のための法務・知財戦略セミナー」 に参加してきました。主催者は、関東財務局。講師は、内田・鮫 島法律事務所の弁護士さん2名。定員は20名で、参加無料。場 所は、つくば駅近くにオープンしたビジネス支援施設兼カフェの 「つくばスタートアップパーク」です。 ちなみ
起業を志す研究者さんへ、リーゾの経験をお伝えしているコーナ ーです。貧乏ベンチャーにはお金はありませんが、お金はなくて も使えるのが「頭」。頭を使って商品の価値を上げている他社さ んの例から、ふむふむと学んだことをご紹介します。 古都鎌倉のお土産として鉄板の人気を誇る「鳩サブレ−」。リー ゾでもときどきお客様からいただいており、社員一同大好きなお 菓子です(リーゾはほんとうに良いお客様に恵まれてます!)。 この鳩サブレ−、普通に食べてるとまず気がつきませんが、個包 装のフ
平成28年2月に募集、同9月〜令和1年8月末の2年間運用してきた 投資型クラウドファンディング「美食同玄米ファンド」の事業期 間が終了し、決算、監査、出資者への償還が完了しました。 利用したのは、ミュージックセキュリティーズ社(以下М社)の 「セキュリテ」というしくみ。美食同玄米事業の成長を応援して ください、ということで一般の投資家から一口2万円×105口 =210万円の出資を募ったところ、わずか1週間ほどで枠が埋 まりました。 集まったお金の使途は、お米の仕入代、パッ
自宅の引越しを機に、捨てるには忍びないけど不要な本やCD、おもちゃなどがたくさん出たので、久しぶりに「メルカリ」に出してみることにしました。 ご存知の方が多いと思いますが、「メルカリ」とは個人間取引を仲介するフリマサイト用のアプリです(以下、メルカリについての記述が多いですが、メルカリ自体を宣伝する意図はないことをご了解ください)。 本やCDは、タイトルや内容を入力するのが面倒ですが、いつの間にか「バーコード入力」という機能が出現。カバーについているバーコードを読み込むだ
起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えしているコーナー、今回は、経営者なら一度は魅力を感じる助成金の話です。 「助成金サポート」(詐欺)の誘いはうまくかわすことができたリーゾですが(※)、150万はともかく、実際のところもらえる助成金はあるのかどうか、ちゃんとした社会保険労務士さんに診断してもらいました。 (※ https://note.com/rizomonna/n/n436139fee2c9) その結果、「もしかしたらいけるのでは?」というものが2つあることがわ
起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えしているシリーズ。今回は、ひょんなことからつい最近利用することになった「ミラサポ」をご紹介します。 「ミラサポ」とは、「中小企業・小規模事業者のビジネスをサポートするためのポータルサイト」で、中小企業庁の委託事業。つまり、国からお金が出ている公的なサービスです。 リーゾは中小企業庁の「ものづくり補助金」」をいただいたこともあり、その流れで、会員になるといろいろ助かることがあるからぜひ登録を、と言われた記憶はありましたが、長年ほっ
起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えするシリーズ。今回は、助成金をえさに、小さな会社を狙う詐欺に、あやうくひっかかりそうになった話をご紹介します。 先日、リーゾに電話がかかってきました。 『助成金サポートと申しまして、厚労省の委託を受けて助成金の対象となる優良な中小企業様向けに助成金受給のお手伝いをさせていただいております。』 『つきましてはリーゾ様が対象となるかどうか、無料で診断させていただきたいのですがいかがでしょうか?』 『実は受給できる会社かどうかの条
起業を志す研究者さんへ、リーゾの経験をお伝えしているシリーズ、今回は零細ビジネスにこそ必要なフロントエンド商品づくりについてお話しします。 フロントエンド商品(以下FE)とは、ひとことで言えば、「集客商品」。それに対して、本命の商品をバックエンド商品(以下BE)といいます。 大手や有名ブランドの商品であればいざ知らず、無名の零細や個人が販売している、しかも高額な商品、広告を目にしただけで注文する人はまれ。 なぜ注文しないかといえば、「よく知らない」「信用できない」から。
身近なひと、大切なひとを亡くしたとき、喪失感や心の痛みとどう折り合いをつければいいのか。 とても難しい問題だと思います。 私は身近な人の死と、向き合うのが怖いです。悲しすぎて心が壊れそうで、もう二度と会えないとなると、いろいろな後悔で気が遠くなります。お葬式も大の苦手で、参列するとしばらく元気が出ません。 そんな私でも、年相応に、身近な人を見送る経験を重ねているうちに、つらい現実を、ある意味ポジティブに受け入れられる、いい方法を見つけました。 それは、ひとことで言えば、
起業を考える研究者さんへ、リーゾの経験をお伝えしているシリーズ。今回は、自分自身の起業時を振り返ってみます。 ご存知の方も多いと思いますが、リーゾは私自身の、民間企業研究職からの、経営破たんによる不本意な失業をきっかけに、ほとんど消去法的な選択で生まれた会社です。 次の道をどうするか、異業種への転職、ポスドク、パート、専業主婦も含めいろいろな選択肢を考えた結果が、「収入は少なくていいから好きなことをする」でした。 食えなくても、孤独でも、ずっとやっていたいくらい好きなこ
起業を志す研究者のみなさんへ、リーゾの経験をお伝えするシリーズ。今回は、初めて「つくば産業フェア」への出展に挑戦したことについてご報告します。 毎年秋につくばカピオで開催される「つくば産業フェア」は、「健康フェア」「農産物フェア」が同時開催されることもあり、つくば内外の人で大変にぎわう展示会です。 どうしたら出展できるのかなあ、と思っていたところ、商工会に加入したことで出展の資格ができたようで、夏に出展の案内が送られてきました。そこで、「うちでも出せるんだろうか?」とドキ
起業を志す研究者のみなさんへ、リーゾの経験をお伝えするシリーズ。今回は、ベンチャー経営者にとってちょっとうれしい、雑誌の取材についての話題です。 数ヶ月前のこと、リーゾの問い合わせフォームから、取材申し込みが入りました。ベンチャー起業の経験や展望を取材したいとのこと。 雑誌の取材の依頼、時々来るんです。昨年末には、出身学部である東京大学農学部の広報誌「弥生」の取材依頼が来ました。教授をしている同期や後輩が推薦してくれたようです。 また、昨年の夏頃には、「つくばスタイル」
起業を志す研究者さんへ、リーゾの経験をお伝えするシリーズ。 今回は、研究者さんからのご質問にお答えします。 先日、将来起業したいと考えているというバイオ系研究者さんとお話をしていたところ、 「実験室を作るのにぶっちゃけどのくらいかかりますかね?」 と聞かれました。 うーん、気持ちはわかりますが、ぶっちゃけすぎ・・・。 現在、仕事で使っている実験機器類は一切持っていけないと仮定して、ということなので、それならリーゾと同じ状況ではありますが、やりたい実験の種類によって、