2023年6月の記事一覧
『じゃじゃ馬ならし』ウィリアム・シェイクスピア 感想
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執筆時期は修行時代末期に該当する1590年頃、ロンドンにおいてエリザベス朝演劇が隆盛する時期で、演劇の大きな波が押し寄せ、多くの劇団が組織され、多くの劇場が建てられていました。ウィリアム・シェイクスピアはこの波の中にあり、俳優として活動する傍らで演劇台本の執筆も多く書き上げていました。『ヘンリー六世三部作』を始めとして、悲劇も喜劇も書き上げる
『ロミオとジュリエット』ウィリアム・シェイクスピア 感想
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執筆時期は明確には判明していませんが、『ヴェローナの二紳士』『夏の夜の夢』などと同時期と見られ、シェイクスピアが秀作を生み出していく成長時代に書かれたと見られています。主としての種本はマッテオ・バンデッロの『ロミアスとジュリエットの悲しき物語』というイタリア散文詩が用いられ、憎み合う二つの貴族があり、両家の子が互いに恋に落ち、悲しみの終幕を迎
『ヴェニスの商人』ウィリアム・シェイクスピア 感想
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種本として中世イタリアの物語集『イル・ペコローネ』(阿呆)の一つから取られており、借金、貿易、ユダヤ人、人肉担保、法学博士、求婚など、大筋の設定が活かされています。
当時のユダヤ人は、イギリス内での地位や富に関わらず、人間以下の扱いを受けて社会から排斥されていました。当時のキリスト教下において、ユダヤ人がイエス・キリストを磔刑に処したとされ
『二人の貴公子』ウィリアム・シェイクスピア 感想
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近年の研究により、ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)の執筆と認められる作品が増えています。シェイクスピアは国王一座の作家であったことから、演劇台本を書くことが仕事であり、役者が演じるために用意するものであったことから、署名の無い作品が多数存在していました。本作『二人の貴公子』も同様に正規作品と見做されていませんでしたが、初版のタ
『エドワード三世』ウィリアム・シェイクスピア 感想
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ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)は、エリザベス女王一世の統治下における宮内長官による劇団一座にて演劇台本の執筆を手掛け、数多くの作品を生み出しました。統治がジェイムズ一世となると、劇団はそのまま国王一座として受け継がれ、過去に書き上げられた作品も引き取られました。宮廷用の演劇台本として書かれた作品は匿名の状態で後世に継がれたた