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『海のはじまり』9話感想~別れたくないよ

ああ、えらいこっちゃ、えらいこっちゃときのうの夜からなぜか私が狼狽えていますが、残暑厳しき折り、みなさんお元気ですか。
いや、えらい事になりました9話。
ここまで、いまいち夏くんの気持ちも弥生さんの気持ちも分からんのよなあ……誰にも感情移入できひん……とずっとブツブツ言ってましたが、
それがこの9話で『それは2人が決定的な結論を出したくないあまり本音をずっと隠していたから』という事が判明しまして、溜飲が下がるとともに生方美久という人の脚本の計り知れなさに震えております。

ゆき子さんが言うように弥生さん別れてもいいよって思ってたし、夏くんも弥生さんと3人で暮らしてるイメージしてないよな?って思ってたけど、
いざそうなってみると夏くんが思ってた以上にダメージ受けててびっくりしちゃった……。
夏くんが悲しいことは私も全部悲しいので……(激重感情)

それにしても、なんか好きになられへん、なんでそうなるの、というのは実は登場人物たちもそう思っていて、
この9話の切なく痛すぎる結論が“でもしゃーない”“なんならスッキリした”という構造になるのすごすぎませんか……。
それってここまでに『出てくる人みんな好かん』って視聴をやめられてしまう危険だって大いにあったわけで(実際私も危うくドラマアンチになりかけたし)それでも丁寧に丁寧にここまで積み上げてきたことがこんなに“効いて“しまう……
それはそれでも役者さんの魅力や画のきれいさ、そして何か訳があるのかも、と思わせるここまでの布石があったからで、なんというドラマなんだと改めて。
そしてやっぱり、本音を話し合うって大事。

さて。つらいですが追いかけ感想やっていきましょう。
これは考察でも正しい感想でもありません。
私が好き勝手に感想を書いている文章です。
気軽に読んでいただければ幸いです。

※本文中の鍵括弧内はすべてドラマ『海のはじまり』からの引用です。


今回の回想は、夏くんと弥生さんの出会いから。
ああ、夏くん初々しくて可愛いなあなんて思ってたら、気付かないうちにものすごいボディーブロー決められてるんですよ、これ。
じわじわ効いてしまって、最後のシーンまで何回も立ち上がってファイティングポーズ取るけど見終わる頃にはノックダウン。
それくらい威力のあるシーン。
結局これが最後2人が選んだ結論に一番説得力あった気がする。
もうあの頃とは違うよね、っていう。

そうだった、弥生さんって本当は頼りがいがあって臨機応援で、包容力がある年上お姉さんだった、って1話開始15分ぶりに思い出しました。
ああやっぱりずっと無理してたんだなあ、あれもこれも、だから3人でいるの自然体じゃなかったんだなあって思い知らされる。

夏くんも、この不器用な感じ……仕事は段階を踏んで確実にちゃんとできるんだろうけど、彼女たちの言葉を借りれば“パッとしない”感じがすごい……そう、夏くんってこういう人だった。
そしてこういう夏くんが好きになったのは、こういう弥生さんだったんだよな、って改めてそれも思い知らされる。

迷子くんを前にオロオロしてる夏くん、テキパキと話聞き出して交番に連れて行く弥生さん。最初の出会いから子供が絡んでたんだなあって、その接し方で好きになったりしたんだもんなあ、弥生さんなら子供大丈夫特にケアしなくても後回しでもって夏くん思っちゃうのも仕方ないかもしれない。

毎回営業行くたびに女子たちにヤイヤイ言われてる夏くん笑。あんまりね、社内で言わない方がいいとは思いますけどね笑。
「でもほんと、真面目で一生懸命だよね」
「そうなんですよ(←これ、推しが褒められた時にファンが言うやつ笑)、聞こうとしてた事先回りして資料準備してくれてたり、物腰柔らかいから細かい事相談しやすいし、奢らず謙虚、何より優しい」
そっかそっか、みんなには響いてなかったけれど、弥生さんは夏くんのそういうところが目について、好きになったんだもんね。
細かい事相談しやすかったんだ、そっか涙。

で、夏くんから仕事中に私用の電話かかってきて笑。
もう会えないよって思ってたのに、会えた時の2人の嬉しそうな笑顔。
ああ、でもこの思い出があれば生きていけるのかもしれないな。


冬のショッピングモールでデートしてるの、そっかあ、本当に弥生さん子供好きだったんだなあ。
じゃあより一層、中絶したの苦しかったよね。

「弥生さん」
「あ、私の方も来た!」
ひーん可愛い。
「知ってる子?」
「ううん、おしゃべりしてただけ」
「ほんと子供好きだよね」
「月岡くんは子供苦手だよね」
海ちゃんの時も出てきたこの会話、最初の出会いがあったからだったんだ。

「得意ではないけど」
「でもいつか親になるならいい事かもね、子供扱いしないって事でしょ」
「不安すぎる笑」
「楽しみだけどね!」
「うん!」
ああ、夏くんいつものうんとううんの間じゃなくて、はっきりとした元気のいい「うん!」だ。
あとわざとだろうけど“親になる”ってあんまり使わない言い回し。普通子供ができたら、って言うよね。
どっちが先に来るかでだいぶ印象が変わる気がする。

「不安だけど結構楽しみ!」
これって相手が弥生さんだから。
こういう会話自然に出てくるのってもうそういうことで(自然にお互い結婚も視野に入れてるという)
しかも夏くんは子ども扱いしないかもね、とか結構当たってしまっているし、手繋いで、なんでこの2人がって思っちゃう回想今見せられるの地獄すぎてここもやばい(褒めてます)

で、現時点のショッピングモールに繋がるのも地獄。

親子連れを悲しそうに見る弥生さんが入口で待ってる。
もう、あの時みたいな笑顔はなくて。
そこに海ちゃんと手繋いでやってくる夏くん。
弥生さん、2人が来るの探したりしてなくて、声かけられるまで視線も合わなくて。う、うますぎる。そりゃ夏くんそんな顔になる。

これの前2人が会ったのって(私たちが知らないところで会ってるかもしれないけど笑)夏くんが手紙届けに行った時か……。
で、弥生さんは津野くんに会いに行った後か……。よし、なるほど。

海ちゃんのお洋服選んで、
「(試着室に)お母さんも一緒にどうぞ」
って店員さんに言われて、とっさに反応できない弥生さん。
「1人で大丈夫」
って海ちゃん、本当に1人でやりたいお年頃なのか、気を遣っているのか……。
海ちゃん聡いし、水季ちゃん亡くなってからずっと大人に振り回されてるから、大人の顔色見てるだろうし、きっといろいろ気付いてるだろうなぁ、ううう。

帰る前にトイレ行こっか、って海ちゃんに声かける弥生さん。
今までだったらあざとく見えそうな行動だけど、きっと本心だろうなって分かるようになったのに、それがもう、もはや切ない。
ニコニコして弥生さんの顔見る海ちゃん。
「お母さんもどうぞって」
「ねえ、間違われちゃったね」
「弥生ちゃん、ママに見えるんだね」
「私がほんとにママになったら嬉しい?」
「うん!」
「そっか」
これ最後まで見てから見返したらすごく残酷で。
海ちゃん、弥生さんがママに間違われた事喜んでるし……。
弥生さんも、そんな期待させるようなこと言わないで。
これ夏くんもだけど、わりとみんな大人の都合を子供に話しすぎだし巻き込みすぎなの気になる。大人はもっとしっかりしてください。

南雲家に帰ってきた海ちゃん、見てー!弥生ちゃんが選んでくれた!ってお洋服見せびらかしてるの可愛いし、手叩いて可愛い可愛いって喜んでる翔平さんも可愛い。
じいじ、相変わらず甘々で良い。

海ちゃんを南雲家に送った帰り道?の夏くんと弥生さん。
「弥生さん、どうしたい?海ちゃんとのこと」
大切な話は時間取って顔見て話そうって言う2人なのに(そのことに随分ヤキモキもさせられたのに)ここで歩きながらこんな重要なこと切り出す夏くん、かなり焦ってそう。でももっと早く焦って欲しかった。
「どうしたいって?」
ああああーー、このトーン!しかもちょっと食い気味に返事する感じ、もう弥生さん心のシャッター全閉め。
女の人ってこうなるともう無理だよね、うわ嫌だーと思いつつ分かっちゃうなあ、この感じ。反省笑。
いやでもどうしたいって聞かれてもな。
海ちゃんは南雲さんちに預けて2人で暮らしたいって言えるわけないでしょう。いや、それを言える2人なら、その段階ならまだ良かった。

「一緒にいる時、辛そうっていうか」
そこで空気読んで話すのやめたりしないのが夏くんが夏くんである所以なのですが。
「え、ごめん、機嫌悪そうだった?なんだろう、お腹減ってたからかな」
いやあああああ、分かる分かるこの感じ。
もうこの場をスルーしたいし、そのサイン出してるのに。

「そうやってずっと無理に愛想笑いしてるし」
ここまで見守ってきた部外者としては、そうさせてるのは夏くんだよ、と思ってしまいますが。
このひと言、結構核心を突いたというか、仲良しの2人において“あなたの機嫌はいったん置いといて腹割って話そうや“の合図だと思うんだけど、これでシャッター開かなかったらちょっと絶望かも。
答えない弥生さんに、
「別れたい?」
って夏くん。
後から分かるけど、これ、この時夏くんそこまで覚悟なく言ってるよね。
そう言われてもまだなんとかなると思ってるというか、気持ちを聞きたいだけで。
でも、自分の本音なにひとつ言わないのに弥生さんの気持ち(本音)だけ知りたがるのずるい。(というのも後でちゃんと回収されます)

「別れたいの?」
ねえ、なんでたたみ掛けるかな。
私は気にしいだし、人の言葉の裏を読んでしまうから、こんな事言われたら自分が別れたいから言ってるのかなとか思っちゃうな。
「別れたくないよ」
夏くんとは、別れたくないよね。

今度は弥生さんが。
「別れたいの?」
ほら!言わんこっちゃない。
しかも弥生さんはまだスンっとしたまま。男の子からしたらこれ、ほんとに絶望だろうなあ。
「別れたくないよ」
ここ、夏くん秒で答えたのは偉かった。
でも、あなたの行動の積み重ねが……と思っちゃうけど。
でも、言葉にするのは偉い。

「私が母親になるのって」
「なって欲しいよ」
「じゃあいいんだよ、それで」
ああああああ、つらい。
月岡くんが気を遣って本心言えなくなってますって津野くんに言ってたわりにはもう、本心言って欲しいとかじゃなくなってる弥生さん……。
自分でいっぱいいっぱいになってるし、自分の迷いを打ち消したいのもあるのかな。
ここのシーン、夏の終わりの予感させる絵作りも込みで切ないシーンだった。

オフィスにいる弥生さんに夏くんから電話かかってくる。
「弥生さん?まだ会社?」
「うん」
「そっち行っていい?」
「うん、ご飯いく?」
ああ、それでもなんだかんだ嬉しそうになる弥生さん。
「行きたいラーメン屋あってね」
あああ、そうだよね、行きたいラーメン屋さん、夏くんと行きたいよね。
「南雲さんに夜予定あるから海ちゃんと一緒に外食でもしてきてって言われて」
がびーーーーーん。
これスーパーの時と一緒の展開やん。
夏くんやっとこっち向いてくれたのかと思ったら海ちゃんの方見てる。

「あー……」
「良かったら3人で、と思って」
まだ3人でってたたみ掛けてくる夏くん。
弥生さんのだったらいいんだよそれで、を真に受けすぎ。
それが夏くんのいいところでもあるけど。
あと夏くんって海ちゃんと一緒にって時絶対『良かったら』ってつけるけど、それ余計断りにくくなるからやめたほうがいいよ。
断った方が悪者になる。

「でも仕事もうちょっとかかるかも」
もう鞄持ってるけどね涙。
「待ってるよ」
おお、夏くん食い下がる。
「海ちゃん待たせちゃうし、いいよ2人で行ってきて」
あぁ、どんどん削られて行く弥生さんの心と、だからって海ちゃんを放り出せない夏くん。どっちもどうしようもなくて、つらい。

そしてファミレスでごはん食べてる海ちゃんと夏くん。
そこに大和くんがやってくる。
これ、私リアタイしてる時意味分かってなかったんだけど
(夏くん外堀埋めるために大和くん呼んだのかと思った)
公式ポストによると、夏くんが弥生さんのところに行くために海ちゃん大和くんに送ってもらうためだったんだね。
大和くん小田原のおうちまで送ってってあげたんかな。
え、じゃあ朱音さんと翔平さんに初めましてしてる!?

そしてここ問題のシーン……。
海「トイレ!」
夏「1人で行ける?」
海「うん」
大和「よし、行ってこい!」
ねええええ、夜のファミレスで子供1人でトイレ行かせないで!!!!!
大人2人もいるのに!!!!!
前まで連れて行って前で待っててあげて!!!!!
しかもここ、海ちゃん初めて来たお店でしょう!?(いや小田原なのか?)
ショッピングモールでの弥生さんと対比させたいのは分かる、
この場に弥生さんがいたら一緒に行こうってなったのに、ってなるのも分かる、
男親が女の子を育てる難しさ、夏くんの親としての詰めの甘さ慣れてなさ、そういうの描きたいのも分かるけど、ここはドラマ作りのプロとしてもうちょっとうまいやり方を考えていただきたかった!

それに大和くんと夏くんが2人で会話する時間も作りたかったのかな?とも思うから、余計悪手すぎる。
このドラマ、私は1話から言ってるけど、ちょいちょい子役さんをいい飛び道具として大人の都合で扱うの気になるんだよなあ……。
どんな状況であろうと、何か描きたい事があったとしても、子供が1人でトイレに行く描写は常識ある大人として、しないでほしい。
夏くんと大和くんもそういうところだぞ、ってなるけど、制作陣にもそういうところだぞってなる。
子役さんを出演させている以上、子供の安全に関する描写は気にしすぎるほど、やりすぎなほど留意していただきたい。

ドラマに戻ります。
「弥生さんほんとに仕事忙しいの?」
「忙しいのはたぶん、嘘」
そうね、ラーメン屋行こうって言ってたもんね。
あと関係ないけど大和くんスマートウォッチしてるの解釈一致すぎる。
「あんまり3人で会いたくないみたいで」
「なにそれ?」
なにそれってなるよねえ、大和くんには好きな人の子供可愛くて最高!って言ってた弥生さんだもんな。

ここで、小田原の図書館で電話受けてる津野くん。
(これ回想だったのね!?だからファミレスで大和くんが迎えに来てそのまま夏くんは弥生さんのところに行ったってリアタイ時理解できなかったんだな)
「すいません、仕事中ですか?」
「休みだけど職場にいます、海ちゃん遊び来てて」
「ああ、」
「大丈夫ですよ、離れたんで。なんです?」
津野くん、簡潔で的確で電話出てくれて優しいし、しごできすぎる。


「あの、弥生さんから何か聞いてますか?」
夏くん必死だ……。そりゃ弥生さん取り付く島なくなっちゃったもんな。
「ああ、南雲さんからの手紙読んでいいのか悩んでましたけど」
「え!?」
夏くん、渡したらすぐ読んだと思ってたかな。
すぐ読んでほしくて急いで渡しに行ったのにね。
「母親になる人に宛てた手紙なんじゃないかってそれで読むの躊躇ってて。南雲さんがわざわざそういう相手に手紙書くって……」
「いや母親になる人とかそういう事じゃないと思います」
「だからまあ、読んだ方がいいと思いますけどね、何かに迷ってるなら、なおさら」
津野くん関係なくはないけど、あっちからもこっちからも大変すぎる。
夏くんもそれ津野くんに言ってもなあ……。
それに弥生さん津野くんにはなんか言ったのかな?って思い当たったの、夏くんにしては勘が鋭すぎる。
『何かに迷ってるなら』って夏くんにサラッと言う津野くん、好き。

海ちゃんの元に戻る津野くん。
「お待たせ~」
「電話、お友達?」
「お友達……ではない」
津野くん正直すぎて好き!お友達……ではないよね!
この2人、津野くんと前みたいに会えないのなんで、パパじゃないからって言ってたけど、もう前みたいに会えるようになったかな、良かったね涙。

弥生さんが帰ってくるのマンションの下で待ってる夏くん。
待ってる夏くんんんん?!!!
連絡なしで?いやまさか!?
前、駅で待っててくれた時はあんなに幸せそうな待ち合わせだったのに。
何か決定的な事になりそうで気が重くて。でも顔見ると嬉しくて。あぁ好きだけじゃ生きていけないの、つらいなあ。

待っていやでもここ、弥生さんあの日と服装違うよね!?
ファミレスの日じゃなくて時間経過してる……!?
津野くんの電話も回想じゃなくて現在進行形だった?
ファミレスの日はファミレスの日で会いに行ったって事?
やだ難しい。
リアタイしてる時は公式さんのポストを見たから、このシーン、ファミレスのあとなんだって思って、えやだ弥生さんそれ自分の分自炊しようと思って料理してるんだよね!?急に来た夏くんの分作ってないよね?夏くんファミレスで食べてたしな?って混乱したけど、別日だったら分かる、きっと2人分作ってるから、夏くんも手伝ってる。
あ、夏くんもファミレスの日とはワイシャツ違うな。
なんなら津野くんと電話した日と同じワイシャツだな。

2人でキッチンに立ちながら
(ここでも2人向き合わないで作業しながら話し出しちゃうの、もうほんとに涙)
「3人でいるの、つらいんでしょ」
まだたたみ掛ける夏くん。
不器用にもほどがあるけど、もう焦ってるからね。津野くんからも聞いたしね。
「だからそんなことないって」
うん、だからって言っちゃうね、弥生さん。作業止めないのはいいけど、包丁で手切らないでね。
「俺もほんとの事言わないからだよね」
ここ、『そうだよおおおおおおお!!!!!!』ってテレビの前でクソデカボイス出しちゃった。そう、そうですよ。

「なに?まだ隠し事あるの?」
ひいいい、弥生さんなかなかチクチク言葉です。でも嫌いじゃないよ。
「子供がいるって知って」
ここさ、それでも話し出す夏くんもすごいけど、弥生さん作業やめないのすごいよねー!!!うわわわわってめっちゃハラハラした。
あぁもう何もかも合わなくなってる。

「最初は面倒だと思った」
うわ、弥生さん夏くんの顔見たけど目逸らしちゃう……。
ここで、ねぇその話今したくないんだけどって言える弥生さんならな涙。
「このまま弥生さんと2人でいつか家族が増えたりしながら、今はまだ2人でいたいと思ってたから」
「鍋、火かけて」
いやああああああ聞く気ないアピールやばい。
しかも命令したりして。ひいいいい泣いちゃう。
弥生さんの頼り甲斐がこっち側に出ちゃうとこうなっちゃうんだ。強い。

「でも、今は海ちゃんもすごく大切で、弥生さんが母親になってくれたら嬉しいし正直そうなったら楽だと思った、1人で親になるの不安だったから」
「お皿出して」
ひえええええええすごい、なんていうかこの精神力すごい。
弥生さんの心のシャッター頑丈すぎる……。

「辛そうなの少し前から感じてたけど無視した、3人でいたかったから」
うん、これはもう、夏くんは本当の本音だね……。
でもさ、ちょっとずつ『海ちゃんが大切』の方が大きくなってるから“少し前“から辛そうなんだよ。

「なのに、無意識に無神経に弥生さんの前でも水季の話ばっかりして、気持ち尊重するなんて口だけで自分の思い通りにしようとしてた、甘えてた」
あーやっぱり夏くんって素直ないい子だなってやっとまた思えたのに、本音がこれで、これはもう弥生さんには届かなくて、なんでこうなっちゃったんだろう。

「ちょっと待ってもらってもいい?」
弥生さんこのシーンの態度、怒りを表してたとかじゃなくてまじでNow loadingだったんだ。
「今は本音というか、言えてないことがありすぎてまとまらない」
「うん」
水季ちゃんにも何も言ってもらえなかった夏くんだけど、弥生さんにも何も言ってもらえてなかった夏くん。
1話からずーっと言ってるけど、なんで夏くんって何も言ってもらえないんだろう。
自分の気持ちを伝えない事って優しい事なんだろうか。

「結論もまだ出せてない、辛い。だから自分がどうしたいかが分からない」
「うん」
そうだね、別れたい?って夏くんから聞いてきたし、結論ってそこ含めての結論になっちゃうよね。
ここまでほんとにじわじわと積み重なってきたことが、それをいちいち夏くんと処理できなかったことがものすごく膨らんでしまっている。

「手紙、読んだ?水季の」
あ、やっぱり津野くんと電話した日かな。
もしかしてこの日夏くんが一番言いたかったのはこれかもな。
ううう、そっか、1回目見た時は、最後でえーなんでなんでやだやだ、なんとかならないの?って思ったけど、もうなんかほんとに『そこ』に向けて夏くんが歩いてしまっている。
弥生さんそれ言われたくないと思うよ。

「(ううん)まだ」
この返事の早さ。読むつもりない。
「わかんないけど、母親になる人とかじゃなくて俺と一緒に親になるかどうか悩んでくれた人に宛てたんだと思うから、だから弥生さんが読んで」
「分かった」
なんで元カノの手紙って思うよなあ、思っちゃうよねえ、やだよねえ。
弥生さんに何も強制したくないって言ってた夏くんだけど、読んで、って言うんだ。苦しいなら読まなくてもいいけどって言わないんだ。
これって実は尊重されてるのは水季ちゃんで、水季の気持ち無視しないでって言ってるのと同じで。
弥生さんも親になるか迷ってるというよりは(もちろんそれもあるけど)夏くんの気持ちに不安を感じてると思うんだよ……あぁ。


「俺は別れたくない、3人でいたい」

うーん、やっと本音を言えた夏くんですが。
本音というかぶっちゃけられた?
弥生さんがいてくれたら楽だと思ったから、辛そうなの無視してたって、ああ、あの弥生さんの事を好きになった夏くんらしいなあ、と思ったけど、
でも実際3人でいて弥生さんがいてくれて嬉しかった、もっと好きだと思ったっていうところを伝えないとさ……。
弥生さんが聞く気なかったからどんどん尻つぼみになっちゃったんだろうけど。
好きだから、一緒にいたいんだって伝えてあげて欲しかったよお。

あの弥生さんの大事なものが入ってるキャビネットの引き出しに保管されてた水季ちゃんの手紙(この引き出しいつも荷が重すぎる!笑)
夏くんに読んでって言われてちゃんと読む弥生さん、ほんとにまだ迷ってるし、夏くんの事好きなんだなあ。

夏くんの恋人へ
初めまして。面倒な事に巻き込んでしまってごめんなさい。
はっきりしない夏くん、まだ幼い海、短気な母、気の抜けた父と厄介な人達に挟まれてそれはそれは窮屈だったと思います。
海を妊娠していると分かった時、最初は中絶するつもりでした。
相手の事を考えすぎたせいです。
でもめずらしく他人の言葉に影響され、自分が幸せだと思える道を選ぶことにしました。
夏くんではなく海を選びました。
そのおかげで海を産んで、一緒に過ごすことができた。
海を見るたび、話すたび、想うたびに正しい選択だったと思えています。
たぶん人より短いから幸せな人生だったというのはちょっと悔しいし、他人にあの子は幸せだったと勝手に想像されるのはもっと嫌です。
でも、海と過ごした時間が幸せだったことは私だけが胸を張って言える事実です。
誰も傷つけない選択なんてきっとありません。
だからと言って、自分が犠牲になるのが正解とも限りません。
他人に優しくなりすぎず、物分かりのいい人間を演じず、ちょっとズルをしてでも自分で決めてください。
どちらを選択してもそれはあなたの幸せのためです。
海と夏くんの幸せと同じくらい、あなたの幸せを願っています。
南雲水季

ああああ、やっぱりそういう展開でしたか。
弥生さんのあの日の懺悔が水季ちゃんに届いて心を動かし、今また弥生さんに返ってきた。
あの日の弥生さんからのメッセージを受け取る今の弥生さん。

しかしこの手紙、なんというか。
南雲家の人を厄介な人達って言うのはいいとして、そこに『はっきりしない夏くん』が入ってるのがとても気になる。
だって水季ちゃんは夏くんをずっと蚊帳の外に置いて勘定外だったじゃない。
それを急に、生前連絡もしないで夏くんの気持ちも確かめないで、まるで自分の身内(まあ海ちゃんの父親だから身内なんだけど)みたいに書いてるの、今カノとしてはものすごくあなたに言われたくないし、どの立場で言ってんのってなるし、ああ夏くんの子供を産んだ元カノには一生勝てないって思っちゃうと思うんだ……。
夏くんが今でも弥生さんより水季ちゃんの事を好きということではなく、この存在を乗り越える時はもうやってこない、というか。

これが夏くんと弥生さんが結婚してるとかならまだいいんだけど、きっと親になるの迷ってるであろう今カノに宛ててるっていうのがほんとデリカシーないと思ってしまった。
やっぱり彼氏彼女って不安定な関係だし信頼とか愛情とかってデリケートだからさ。
“私の““海のパパの“夏くん感、醸し出しすぎと思うのは私が性格が悪いからでしょうか。

あと弥生さんの言葉を『他人の言葉に影響され』っていうのもなあ……。
他人って。まあ通りすがりの赤の他人だけど。そんな言い方しなくてもって本人に届いてるから思っちゃう。偶然目にしたある人の言葉、とかでいいんじゃないかな。
ってこんないちいち赤ペン先生みたいな添削はしたくないんですが笑!この手紙の印象がどうしても気になって。

この水季ちゃん独自の理屈、
相手のことを考えすぎて中絶しようと思ったけど(まあ分かる)
自分の幸せを優先しようと思って夏くんじゃなくて海を選んだ(え、急に分からん!)って何回でもなってしまう。
やっぱりなんで夏くんじゃなくて海を選んだのか、そこが極端なその『二択』だけになっちゃったのかがずっと分からない。夏くんと海ちゃんを両方選ぶ事だって充分にできたはず。
一点だけ気になるのはあの時夏くんがサインしたことだけど、でもあれだって夏くんが自主的にした訳じゃないから。

ところで、水季ちゃんの夏くんへの手紙って夏くんまだ読んでないよね?
読んでるかもしれないけど、明かされてないよね?
そこに書かれているだろうか、そして夏くんは納得したんだろうか。

それに、海を産んだ選択は間違ってなかったって、あの時自分が中絶した事を後悔してあの文章を書いた弥生さんが今読んでる地獄がほんともうすごい、残酷さに震える。
あの言葉が海ちゃんを救ったんだって少し前の弥生さんなら思えたかもしれないけど、今はしんどい。
もちろん海ちゃんがいなかったらなんて思ってないだろうけど、弥生さんが受け止めるには酷だなって思った。
これは私が性格歪んでるからからだと思うけど、若干産んだもん勝ちマウントに聞こえなくもない……。


この手紙を読んで、弥生さんが自分の幸せを考えたのもあるだろうけど、なんかもう無理水季さんには太刀打ちできないってなったのもすごい分かる気がする。

ドラマはこの手紙を病室で書いている水季ちゃんの回想。
『夏くんの恋人へ』って宛名を書いているところに津野くんがやってくる。
「それはいらないんじゃない」
ねえー!津野くんそうだよねえー!
てことは、生方先生にもその意識があるんだよなあ。

「いりますよ」
「その人いたせいで会うのやめたんでしょ」
「せいって事はないです、この人なんもしてないし、私が勝手に会わせないって決めたんです」
「両親にも書くの?」
「書きません」
「海ちゃんには?」
「書きません」
「ダメ元で聞くけど、俺には?」
「書きません」
「薄情だなあ笑」
津野くんほんといいな。
この人なんもしてないってほんとそうだし(この人って言い方もどうかとは思う)会わせないって決めたならこっそり家教えたり手紙書いたりしないで、もう会わないようにしなよ……。

「夏くんにも言われました、別れる時」
別れる時じゃないでしょ、振った時でしょう。
「今会える人には書きません、残すものがないとできるだけ直接伝えようって思えるし、限界ギリギリまで生きられる気がするから」
「じゃあそうして」
「はい、あ、もし会うことあったら仲良くしてくださいね」
「あれ、夏くん?」
「この人とも」
「やだ、なんかやだ」
津野くん最高です。

なんかもう水季ちゃんは私の中でファンタジーの人なので……いくらリアルを人間を丁寧に描きますって言ってもドラマっていうてファンタジーなので……。
え、水季ちゃん自分がいなくなった後、海ちゃんが成人するまで誰が稼いで養育費出すつもりだったん?とか、夏くんに託すつもりはなかったんだよね?とか、海ちゃんに親選ばせたいとかぬるくない?とか、そもそも母親を失ったメンタルケアどうするつもりだったん?とか、その恋人と海ちゃんが折り合い悪かったらどうしようとか思わなかった?っていうのはもう野暮なので……。
若くして死んじゃったから、海が一番って言いながらも、自分のこと、自分の気持ちでいっぱいいっぱいだったんかなあとも思うし。
4話5話あたりでは弥生さんなんでそんなにひどく描かれるんだろう、独身子無しバリキャリ女子がそんなに憎いですか?って思ってたけど、
ここにきて水季ちゃんの描かれ方も結構ひどいよなあ……そりゃこれは視聴者のヘイト集めちゃうよなって思う。

ものすごく最初に立ち返って、この妊娠出産子育てを当事者の男性が一切知らずに生きていたっていうのをどう描くんだろうと思っていて、
いくら目黒蓮さんが演じても男性に非難集まっちゃうんじゃないのって思ってたけど、この手法がありましたか……という感じ。
やっぱりそうするにはとことん、水季ちゃんをぶっ飛んだ存在にしないと成り立たなくて。
分かりたいんだけどなあ、水季ちゃんのこと。


さて。
結構な雨の中、弥生さんが夏くんの家にやってきました。
「お邪魔します」
ってそれだけでもう、何言いに来たのか分かるのほんとすごい。
あと折り畳み傘一旦玄関の外に置くの分かりすぎるし、弥生さんこんなに雨降ってるのに折りたたみ傘なんだって思っちゃう。


「雨続いてやだねえ、天気の話とかして」
弥生さん、もう覚悟決まってるし自分で全部感情処理でてきてて、もうそれを打ち明けるだけにしてから夏くんに会いに来たのすごい。めっちゃ強い。
泣いて打ち明ける、とか、なんでって言ったりしない、強い。
ずっとそんなに1人で抱えて生きていかなくちゃいけないの?って思ってたけど、1人で抱えて生きていかなくちゃいけないのかもしれない。

「荷物、なに?」
そっか、渡す荷物あるから行っていい?って連絡したのかな。
(いやあの、この緊迫した、いかにもここから山場ですってシーンの前にあれなんですけど、前髪おろしてる夏くんがかっこよすぎてですね……はああああとても素敵、好き。きっと目黒担のみんなは耐えきれないシーンだからせめて目黒くんのビジュはサービスしてくれたのかな、ありがとうございます)

「えっとねえ、まずこれ、ちょっとへたくそで恥ずかしいんだけど」
これあれかな、弥生さん縫物してたやつ。海ちゃんお迎え行く前に。
がま口作れるのすごいよー!

「すごい、好きそう」
「海ちゃん好きそう?」
「うん」
「良かった」
ここでもうさ、自分も海ちゃんと仲良しになってるのに、夏くんのこと“海ちゃんのことを一番分かってるパパ”として会話してるの、弥生さん……。
夏くんももう勘づいてるから、今度会う時に自分で渡せばとか言わないで受け取っちゃう。

「あと出版関係の友だちいてね、いろいろおすすめ教えてくれて、おせっかいかなあとかいろいろ考えちゃって渡すタイミング逃してた」
ってドリル。そうね、ちょっとおせっかいかもしれないね。
でもあの時はお母さんになれる!って張り切って用意したけど、でもおせっかいかなって思う気持ちあったのかって。
一旦は張り切ったけどちゃんと自分でブレーキ踏んだ弥生さん。
なんかここにきてやっと弥生さんの事好きになったかもしれない。

「あと、見てこれ、イルカでーす!」
イルカのパペット手にはめる弥生さん。
「かわいい」
「かわいいでしょ?」
ここで笑っちゃう夏くんが、気付いてるのに決定的にしたくない、もしかしたらってまだ思ってる揺れが伝わって見てる私がもう息できなくなる。

「付箋買おうと思ったのにさ、これだけ持ってレジ行っちゃっていい大人がこれ買ってるの急に恥ずかしくなっちゃって。聞かれてないのに、あ、姪っ子にプレゼントでーすとか嘘ついて」
「喜ぶと思う」
「どういたしまして」
こういう話を、その時にできたら良かったね。
でもこれですら、言えなかったんだね。

「ありがとう、海ちゃんの事、考えてくれて」
「どういたしまして」
ああ、私この弥生さん好きだなあ。やっと本来の弥生さんを見せてもらえて泣けてくる。

「もうちょっと待った方がいい?」
また夏くんそういう言い方する。
待ちたいのは夏くんでしょう?
相手に委ねるの優しいけど、それって相手のせいにしてるって事だよ。
優しく首振る弥生さん。

「誰かの役に立ててるって思いたかったの」
そうか、夏くん好きだけでいいじゃないって思ってたけど、それはもう揺るぎない根源であって、そこの上にもうひとつ“人として”の感情が乗ってたんだ。

「私がいないとダメだなあって事あると、やれやれって思いながら安心した」
弥生さんの性格ならそうかもしれない。でもそれって可愛いと思うし、みんなそうやって生きてると思うけどな。うううう。
「最初は居心地良かった。3人でいて楽しいし、なりたかった母親にもなれる。3人でいてなんの不満もなかった」
「だったら」
夏くん、よく聞いて、過去形だよ。

「3人じゃないって気付いて。ずーっとどこかに水季さんがいるの」
夏くんは無意識に無神経に水季水季って言ってって言ってたけど、
弥生さんにとって決定的だったの、あのネックレスの時だったと思うなあ……。

ここでアップになるイルカちゃんでも号泣。イルカはこんなに可愛いのに。
「それ感じて、奪い取ったみたいな気持ちにもなるし」
うんうん、分かる、あの手紙読んだらそうなる。
私の夏くんと海って手紙だったもん。

「水季さんの事知らない自分だけが仲間外れみたいな疎外感もあるし」
知らない方がいい気もするけど、水季ちゃんの事好きになってたかもしれないしね、弥生さんも。

「ほんと、仰る通りで」
このセリフ好き。弥生さん素で喋ってるんだなあって分かる。
弥生ちゃん泣かないで。

「3人でいるの、だんだん辛くなった」
な、涙の角度がすごい。有村架純氏すごい。

「でも」
ここ、夏くん何言おうとしたんだろう。
でももう弥生さんは夏くんの話は聞かない。
「でも月岡くんのこと、好きだしなあ、海ちゃん可愛いな、お母さんになりたいな、別れたいとかじゃない、一緒にいたいでもいると苦しい、でも頼られると嬉しい」
あの日軽くなかったかもしれないけど、軽く別れたい?って聞いた夏くんにちゃんとアンサーする弥生さん好き。

「お母さんに間違えられて嬉しくて苦しかった。お母さんさせてもらえるのに水季さんにはなれないから、嫉妬してたの。私なんかよりずっと大変な思いしてきたって分かってるのに」
あの日ゆき子さんに嫉妬するでしょ?って聞かれて、羨ましいですって言い換えてた弥生さんだけど、もう躊躇いなく嫉妬って言葉使ってる。
大変な思いは比べる事じゃないけど、比べちゃう時点で、ね。

「羨ましくて仕方ない。月岡くんが水季って言うたびに、海ちゃんがママって言うたびに、羨ましいとか悔しいとかちょっとずつ溜まってった。2人の事は好きだけど2人といると、自分が嫌いになる」
あの日朱音さんに言われた事も堪えてるよなあ、あんなの言われて平気な女子いないよ。
ずっと引っかかってると思う、子供産んだことないのに、って。


「3人でいたい、3人でいたいって言ってくれて嬉しいんだけど、嬉しいのに、やっぱり私は月岡くんと2人でいたかった
ねええええ!!!!そうだよねえ!弥生さん、ほんとよく言った、えらい!
やっと言えた。

思わずイルカのぬいぐるみで涙拭いちゃって、
「最悪、これ海ちゃんにあげるやつ、ごめんごめん」
ああもう本当に、素の弥生さんだなあ。言えて良かったなあ。

イルカのパペット取って、弥生さんにティッシュ握らせてあげる夏くん。
ここでずっとテーブルの上にあった“海ちゃんの荷物”を床に置くの良かった。海ちゃん視界に入らないようにするの、海ちゃんにも弥生さんにも誠実で。
夏くんのそういうところも好きだよう。

「あとは、あと、言いたい事」
2人でいたかったって言われて、自分もいっぱい言いたい事あるだろうに、
あの時言えてない事多すぎてって言ってた弥生さんの事ちゃんとフォローする夏くん。
「海ちゃんのお母さんにはならない」
夏くん、この言葉来ると思ってなかった気がする。
ここまで話全部聞いて、それでも解決策があるって思ってた気がする。
あと、なれない、じゃなくて、ならない、だったから。もしかしたらまだ自分が気持ち変えられるかもって一縷の望みをまだ賭けてる気がする。

「うん」
ああああああああ目黒蓮さん良いお芝居です涙。
「月岡くんとは、別れたい」
あああああああああ目黒くんも天才的な涙のタイミングと角度、役者さんってすごい凄すぎる。

別れたいわけじゃないけどでもどうすればって見てる全員が考えたけど、でもこの2人が付き合ってる以上別れるしかないもんなあああああ。
苦しそうに頷く夏くん。
「そっちは?言いたいこと、あとは?私ががんばったせいでがんばらせちゃったでしょ、ちゃんと言っていいよ」
本当に、本来の弥生さんってこういう人なんだなあ。
好き嫌いはあるかもしれないけど、ちゃんと夏くんが好きだった弥生さんで、余計つらい。

「3人が無理なら、どちらか選ばなきゃいけないなら、海ちゃんを選ぶ」
うわああああああああん!!!!!!!
そんなの分かってる、分かってるんだよ!
てゆうかもう実際夏くんは海ちゃんを選んでるんだよ。
もう海ちゃんに認知するからね、って言って、一緒に暮らすよ、土日も一緒だよって言っておいて、ここで弥生さん選ぶって言われてもビックリするんだけどさ。
でも、海ちゃんにこれ言った時もわりとびっくりしたんだけど(え?弥生さん大丈夫?全然何も解決も準備もできてないよって)なんであの時夏くん決断したんだろうな……。
海ちゃん認知すること誰にも急かされてなかったし、弥生さんとのこと何も約束できてなかったし。
それくらい弥生さんはついてきてくれるって、後回しにしても大丈夫だって信頼してたって事だったのかな。
でも、でもさ。
子供ファーストなのは、それはそうなんだけど。
やっぱり誠実さで人を殴る夏くんだ……。


「うん」
弥生さん、さらにスッキリしちゃった。
確かに、ここで迷うような男は最低だ。
「良かった。私も。好きな人と離れても自分が納得できる人生と、つらい気持ちのまま2人のために生きる人生、どっちにするか考えて自分を選んだ。
2人のこと選ばなかった。だから同じ。良かった」
いいぞ弥生さん!!!
自分だって選んでないって返すの、お互い様だって返すの素晴らしい。
3人でいる事が、2人のために生きることってなっちゃってるのがもう。

あの水季ちゃんの手紙、あれに背中を押されて自分の幸せを選ぶ決意をしたんじゃなくて、
あの手紙でああもうこの人には一生勝てないんだ(勝ち負けじゃないのは重々承知なんですが、この表現が一番しっくりくるので。生きてる方が勝ちだよって思うけど、でも死んじゃってるから乗り越えられないのも分かる)って思ったのと、
やっぱり自分から自分へのメッセージ、もう自分を犠牲にしちゃだめだよってもう後悔しない失敗しないって思ったんだと思う。
弥生さんのプライドとして、せめてそうであって欲しい。

「帰るね」
ここの、別れるって決意してここに来た弥生さんと、
別れるって言葉は使ってるけど本当に別れるって事が身に沁みて理解できてない夏くんの対比凄かった、震えた。
え、そっか、もうこの後いつもの2人みたいに「あー喋ったね!泣いちゃったね!」とか言って、お茶入れる?とか言って、和んだ2人の時間には絶対に戻らない。

今まで別れる?とか3人が無理ならって言ってた夏くんだけど、そうは言ってもあった2人の時間、それがなくなるって呆然としちゃう感じ、本当に生生しくって目黒蓮さんよいお芝居です……。
私もせっかく弥生さんのこと好きになれたのに淋しいな。
でもそれって、夏くんといて自分の事が嫌いになっちゃう弥生さんじゃなくて、もういいってきっぱり諦めた弥生さんだからな。ああああ、こんなことって。

ずっと弥生さんの事良く分からん、好きでも嫌いでもないけどって思ってたけど、あれって弥生さんも自分の事嫌いだなって思ってたからだって、なんかもう凄すぎて。
ああ、だからかって思いと、いざこうなったら焦っちゃう夏くんの気持ちも分かるし(あれ、これほんとになんともならないやつ?って)このシーン、いいぞ弥生さん好きよ!って気持ちと焦燥感が凄かった。
生方先生、真骨頂って感じ……。

「じゃあ」
「待って!」
思わず玄関で弥生さんの手を取る夏くん。
おお、手を取りますか。肌と肌を知ってる人同士だもんね。何か、それでも何か通じ合えるものがあるかもって思っちゃうよね。
それに、そうやって部屋から出て行ってもう二度と会えなくなった人がいたもんね。
咄嗟に腕、掴んじゃうよね。

「送ってく」
とても1人でその部屋にいられない夏くん。

2人外に出て。
「雨やんだね」
何も言わずに弥生さんの手を繋ぎに行く夏くん。
「今日まではいい?駅送ったら、それで終わりにするから。それまで海ちゃんの事も忘れて、今日終わるまで」
「うん」
海ちゃんの事も忘れてって弥生さんがって事?
2人でいたかったって言った弥生さんの願い叶えてあげようとしてる?
この頓珍漢な優しさがものすごく夏くんらしくてそれに泣ける。
夏くん自身が海ちゃんの事も忘れて2人でいたいんだったら、それはもう、水季ちゃん恨んでしまう………。


「雨多くて嫌ですね、ムシムシして」
「はい」
「最近お仕事はどうですか?」
「営業なんですけど」
「はい」
「はっきり話せってよく怒られます」
「へえ~笑」
「向いてないんですかね」
「私は月岡さんとお仕事できて良かったですよ」
ねえ、可愛い2人だったのにね。

駅のホームで、手繋いだままベンチに座って。
手繋いだままなんでもない笑い話して一緒に笑って。
もう2度となかったはずなんだけど、神様がくれたオマケの時間。

聞いて聞いてってスマホ手に取った弥生さん。
時刻は0:03。
「あ、今日終わってた」
「ま、終電あるうちは今日だよね」
覚悟決めてた弥生さんもこの提案に乗ってるの泣ける。

「うん、今日の終電だから」
「だよね、じゃあまだ今日だ、まだ今日」
この2人、きっと何回もこの駅から終電乗ったんだろうな、時刻表見たりしないでも終電の時間把握できてるくらいには。

「なんでもない話するの、」
「ね、久しぶり」
もしこの2人が夫婦だったら、日常生活をしながら緊急事態に一致団結して気持ち話し合って向かっていけたのに、まだ距離がある2人だったから、お互いを想い合ってるうちにボタンを掛け違えてしまった。

「ごめん、手汗すごいからちょっと離してもいい?」
弥生さんにそう言われても離さない夏くん。
夏くん……涙。

「水季さんの手紙読んで別れるって決めたの」
「何書いてあったの」
「幸せになれる方を自分で選んでねって。あんなに嫉妬してたのに水季さんの事好きになっちゃった、だから海ちゃんの事も好きなままでいれる。読んで良かった」
うわあああああ、それって、本当は弥生さんの言葉で巡り巡ってという事を知らない夏くんは、もし弥生さんが読まなければ、読んでって自分が言わなければ、渡さなければって思っちゃわない?
いや夏くんは誠実だからそんなずるい事は思わないか。
でもあまりにも、これは夏くんにとっても水季ちゃんの業がすごい。
そして夏くんの子供だから可愛いって言ってた海ちゃんの事、水季さんの子供だとも思ってたって事……。海ちゃんの事本人そのものじゃなくて、水季ちゃんの子供だからって感情が出できてたって事だったら、ほんとに一緒にいない方がいいね、それは。
海ちゃんが不憫すぎる。

「次のは乗ろうかな」
「終電まだあるし」
「海ちゃんには私から話させて。お別れしたよって」
海ちゃんも振り回されるなあ、大人の事情に。

「もう少し話そう」
「これからも何かあったら頼って。もう2人と関わりたくないとかそういうのないから。あ、海ちゃんのママができたらそれが一番だけどね」

「俺やっぱり弥生さんのこと」
ああああああああもうダメ、ダメです、ちょっともう私の情緒ダメです。
ねえ、本当に、よくこんな。ううう。
海ちゃんのママができたらって言われて、他の人はいないって思い知った夏くん。遅い、遅すぎる。

「がんばれ」
手を離す弥生さん。
「がんばれ、パパ。応援してる」
「ちょっとだけお母さんできたの、ほんとに嬉しかった。それはほんと。本当に本音」
「がんばれ」
ああああああ電車来ちゃった。

ここまで最初から丹念に見直して、ああやっぱりだめだ、この2人はだめだ、弥生さんが情に流されず自分の幸せに向き合えて良かったってひとつひとつ納得させたのに、
このシーンになると
「やだやだやだ、なんとかしようよ、やだよー!」
って泣いて地団駄踏んじゃう自分がいる。
夏くん、夏くん、夏くん。

自分で決めるの苦手で、自由すぎるのも苦手で、相手に合わせちゃっていくらでも待ってあげられる夏くん。
めんどくさい事や頭を使う事を避けて、大きな挫折もなく生きてきた夏くん。
自分より悲しんでる人がいたら悲しめなくなっちゃって、それも苦しくなってしまうような夏くんが、
コツコツと働いて、弥生さんと日々のささやかな幸せを積み上げていた夏くんが、
ここまで何一つ選べずに目の前の事に一生懸命になってるうちに、こんなところまで来てしまった。

ずっとずっと言ってた、夏くん置いてきぼりじゃないかってほんとにそうで、ここで、こんな夜中のホームにまた置いてきぼりにされてしまった……。

そしてここのback numberが凄すぎて、何回も聴いて“いい歌詞だー”なんて思ってたのに、本当に本当に心に沁みてしまった。



光が閉じるように会えない人がまた増えても
大人になれなかったそれを誰にも言えないでいる
素敵なものを大事なものを
抱えきれないくらいにもらったのに

指先で雲をなぞって僕にはもう見えないものを描く君に
かける言葉があるとしても僕にはとても探せないだろう

頼んだ覚えは無くても守られてきた事は知ってる
自分じゃできやしないけど君には優しくあれと願い 祈る

似合ってなんかいなくて
なにもかも足りないのに
投げ出し方も分かんなくてここにいる

張りぼてに描いた虹でも手垢にまみれたバトンでも
なにかひとつ渡せるものが見つけられたら
少しは胸を張れるだろうか

閉じた絵本の終わりのページで

これは誰の人生だ
誰の人生だ
誰の人生だ
誰の人生だ
誰の人生だ

back number『新しい恋人たちに』より抜粋


もうこの、誰の人生だとリフレインされる楽曲と夏くんが重なるシーン、つらいけど素晴らしすぎた。

目黒蓮さんのお芝居って、憑依させるのとはちょっと違って、その登場人物の事を考えて考え抜いて寄り添って自分に落とし込んで、自分の中から感情を発露させていると思うので、だから全部が本物で。
だからこそ共感性も高いから、こんなにも見てる私たちの心を打つ。こんなにも。

理屈では分かっていて、夏くんにはどうしようもなくて、でもやっぱりって、でもやっぱりって捨てきれない気持ち、どうにかって願ってしまう。



電車に乗ってから泣いちゃう弥生さんも、
自分で泣き止んで息整えて、のろのろと立ち上がる夏くんも、その後ちゃんと切り替えたように前に進む夏くんも、
もう全員幸せになってくれなきゃ困る。

『真っ白な君の未来を真っ白なまま君が色を塗れるように』
の歌詞のとこで南雲家に向かう夏くんのカットになるの凄くない?
制作陣の意図通りの受け取り方なのちょっと癪だけど(え笑)
やっぱり凄いって思っちゃう。

「いらっしゃい」
「いらっしゃい」
ちゃんと挨拶してくれた朱音さんと翔平さんに目も合わせず、
「まだパジャマ!」
って出てきた海ちゃんに、玄関先でおいでってジェスチャーをして必要以上に抱きしめる夏くん。
これ、抱きしめるのもすご、って思ったけど、おいでってジェスチャーしたのがすごいなって思った。
予告で海ちゃんが「いなくならないでね」って言ってたけど、それは夏くんも同じで海ちゃんが自分に来てくれる事が今は心の拠り所で、どこにもいかないでって思ってるんだなって……。
でもこれちょっと、あれだけ夏くんに感情移入したあとなのに、なんというか、海ちゃんに依存しないでよって思ってしまった。
はあ、きっとまだまだこの2人も乗り越えるものがいっぱいある。むしろこれから。

明らかに様子のおかしい夏くんに、
「どうかした?」
って朱音さん。
「2人で暮らしたいと思ってます、一番大切にします、他の何よりも絶対優先します。がんばります」
「当たり前でしょ。そうじゃないと困ります」
「はい」

うーん。朱音さんって、忘れ形見の海ちゃんの事夏くんに託したいと思ってるのかなっていうのも1話からずっと疑問で。
8話で夏くんが認知したいと思ってますって言った時、やけにあっさり
「今後のことはまたゆっくり話しましょう、お仕事の都合もあるでしょうし」
って言ったの、南雲家で一緒に住むつもりなの?もしくは弥生さんが一緒に暮らしてくれると思ってる?と思ったんだけど、
家事全部やってる朱音さんが本当にそんな事できると思ってるか疑問。

とにかく、来週の予告。
男前先輩活躍してくれそうで、それは楽しみ!
あとゆき子さんも!
早く夏くん、地に足つけてほしい……。


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!


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