商人魂は文化の違い?
大好物のドネルケバブ
最近、家の近くに、トルコ料理の「ドネルケバブ」のお店ができました。
レストランではなく、お持ち帰りメインのお店(ケバブショップと呼ばせてもらいましょう)。
ドネルケバブは私の大好物の一つで、お気に入りは、野菜と一緒にお肉をピタパンにはさんだ「サンドイッチ」。
驚いたことに、気がついたら、別の場所にもさらにもう一軒できていたので、トルコ料理のニーズは高いのかもしれません。神社の境内の縁日でも最近結構よく見ますし(タイトル画像 by 「雷蔵🎵🍰沈黙の詩人さん」の写真も住吉神社の境内でのものだそうです)。
ケバブショップに共通するのは
家のご近所のこの二軒は遠目に見ただけなので、リサーチはこれからですが、私にとってケバブショップと言えば、「お店の中から道行く人を眺めているおじさんやお兄さんの『圧』がハンパない」。
どういうことかと言いますと、
たとえば、仕事先の近くにあるケバブショップ。
お店の前を通るときに、少しでもお店の方に目をやったり、外に出ているメニューを見ると、店頭で外を眺めていたおじさんがサッと私の動きと心の揺れを察知して、「こんにちは。ケバブ、美味しいよ。どう、ケバブ?」と声が飛んでくる。その目ざとさといったら、驚くばかり。
声をかけられることはまったくイヤではないのですが、お昼どきに「今日はあっさりとざるそばにしようかな」と思っていても、目が合って声をかけられ挨拶を交わすと、商売上手のおじさんのペースにあっという間に乗せられ、「あれっ?なんで私はケバブサンド買ってるんだ。ざるそば食べようと思ってたのに」ということになるのです。
ケバブ、美味しいからいいんですけどね。
ザ・商売人
こんなふうに敏感に相手の気配を察知して、セールストークと多少の(かなりの?)強引さで自分の土俵に引っ張ってしまう、まさにザ・商売人。
そんな商売人がケバブショップのおじさんやお兄さんに多いような・・・と思っているのは私だけでしょうか。それもなぜか男性だけ。女性に声をかけられたことはありません。
昔々、スペインからジブラルタル海峡を渡ってモロッコのタンジェという港町に着いたときに、ものすごい「カーペット買わんか」攻勢にあいましたが(10メートル歩くごとに声をかけられました)、ケバブショップのおじさんたちにもそのときの商人魂に通じるところがあるような気がします。
距離感をドンドン打ち破って近づいてきて、「買って、買って」という気持ちが超ストレートに伝わってくるというか。日本人のお店でそんな「圧」を感じたことはないので、文化の違いなのでしょうか。さすがアラブ商人。
そして、私はおじさんたちの「圧」に圧倒されながらも、そんな商人魂が結構スキ。
そんな風に思うのも、私が関西出身だから?
ケバブショップのおじさんに圧倒されながらも親しみを感じるのは、もしかすると、私が関西出身だから?と思ったりも。
関西から関東に引っ越してきて、「違うよな~。もっと強引にしてよ。なんでそんなあっさりなん?」と、物足りない、いや寂しいと思ったことがあります。
関東に来て十数年たった今でも、レストランや飲み屋さんのお店の人の応対があっさりしていて、「寂しい」と思ったりもしますが、何よりも顕著に違うと思ったのは不動産屋さんの対応。
関東と関西の不動産屋さん
もちろん不動産会社や担当者で差はあるのでしょうが、関東の不動産屋さんは基本「追っかけてこない」。
気になる物件があって、内覧させてもらって、「うーん、ちょっと違うかも」とお断りしたときに、「そうですか、わかりました」とあっさり終わることがほとんど。
「そっちがダメなら、こちらの物件はどうですか?」ということにはならないし、後日「こんな物件出ましたよ~」と連絡がくることもない。
それに対して、関西の不動産屋さんは(あくまでも私の経験ですが)、どこまでも追っかけてくる。なので、「こっちがあかんかったらこっちはどうや?」「気に入ったお部屋が見つかるまでお付き合いさせてもらいまっせ」というスタンスが基本なのだと私は思っていたのです。
たとえば、関西の実家近くで初めて一人暮らしをしようと部屋探しをしたときのこと。
ある物件を内覧してとても気に入ったものの、すでに先約の人がいるということで、あきらめたのです。そして、そのときに不動産屋さんに「あの物件に入居できるなら、すぐにでも決めたいけれど、無理そうなので今はやめておきます」と言ったところ・・・
数日後に、不動産屋さんから電話があり、
「あの物件、大家さんと話して、こちらを優先してもらうよう話しをして、入居できるようになりましたわ。契約いつしましょ?」
はあ?
一人暮らしの予定はゆっくり考えようと思ったところだったので、ひっくり返るほどびっくりしました。大家さんとどんな話し合いをしたのかはわかりませんが、そうなったら契約するしかない、と言うことで、勢いのまま一人暮らしを始めたということがあったのです。
これはかなり極端な例かもしれませんし、関東は物件希望者も多いので、いちいち追いかけていられないという事情があるようにも思います。
でも、あの「よく言えばサービス精神旺盛」な、「ハッキリ言えば暑苦しい」対応がなければ物足りない。そんな風に思ってしまいます。
家のご近所のケバブショップも、やはりお腹を空かせて偵察してみましょう。おじさん、からんできてくれるかな、楽しみだな。
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