「英語×発酵」で日本と海外の食と人の橋渡し。夢は大きく果てしなく。
中学生で英語の勉強を始めて数十年、ありがたいことにこの20年ほど日⇔英の通訳・翻訳・講師として仕事を続けてくることもできました。
英語を通じてコミュニケーションのお手伝いをすること、いろんな分野の通訳をすること、それ自体とても楽しいことだと思う気持ちは変わらず。
ただ、通訳や翻訳のような言葉の面だけではなく、もう少しじっくり一つの分野にかかわりたい、自分でも発信したい、そして日本国内、そして日本と海外の人や情報をつなぐお手伝いができればと思うようにもなりました。
そんなときに出会ったのが「発酵」という世界。
きっかけは8月のある午後のこと。数年前に知人から聞いて気になっていた「発酵キャベツ(ドイツ料理のザワークラウト、ソーセージの付け合わせについている酸っぱいキャベツです)」を作ってみようと突然思いたったのです。
キャベツを千切りにしてジプロックに詰め、塩を振り、そして砂糖少々を入れて袋の口を閉める。あとは数日待つだけ。
半日たって驚きました。キャベツの入った袋がムクムクと膨れパンパンに。そして、さらに1-2日経つと、古漬けのお漬物のような酸っぱい匂いが漂うようになったのです。
そこで人生で初めて、まったく文系の私が「いったいキャベツに何が起こったの?」「いったいどんな力が働いているの?」知りたい!知りたい!と思うようになったのです。
こうして発酵をもたらす微生物の働きに興味を持つと、日常的に口にしている味噌や醤油、みりん、日本酒、甘酒、パン、チーズなどなど、いろいろな食べ物、飲み物のことを知っているようで全く知らなかったことに気づきました。
これまでスーパーで買うのが当たり前だったお味噌や醤油を作ってみたり、生産者の人に会いに行ったり、これまでさほど興味がなかった料理にも(相変わらずいい加減料理ではあるものの)目覚めて世界が広がる、広がる。
そのなかで、海外でも麹を使った発酵食が広がっているのを知ったり、海外でどんな発酵食品が作られているのかを知ったり、一方で昔ながらの手作りを続けている小規模生産者さんが直面している問題を知る機会があったりと、発酵を通じて「食」を別の角度から見るようにもなりました。
海外の人にもっと和食や発酵食を知ってもらいたい、そのために自分でも和食や発酵のことを語れるようになりたい、英語で発信したい、また海外の発酵事情を知ってみたい、そんな思いをたくさんの人と共有できればいいなと思っています。
「英語×発酵」で日本と海外の食と人の橋渡し。50代半ばを過ぎて、夢は大きく果てしなく。