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北欧デザインで最高に落ち着く部屋を作りたい [勉強編]

4月に引越しすることが決まった。これはチャンスである。前々から北欧デザインな部屋に住んでみたいと願っていたのだ。北欧デザインが本当に幸福をもたらすのか、試してみようではないか。

北欧デザインとは

以前の記事で、北欧デザインなんたるかを僕なりにまとめた。部屋のインテリアに適用するのであれば、以下の特徴に気を配ればよいだろう。

曲線を多用する
無垢材な家具を置く
テキスタイルで彩る

部屋全体のテーマはこれでよいだろうが、忘れてはならないのが照明だ。勉強編は北欧の照明について掘り下げてみよう。

北欧の照明

光は人が生活する上で欠かせないため、北欧の偉大なる巨匠達は照明もデザインしている。特にポール・ヘニングセン🇩🇰の照明理論が気に入ったので、彼の理論を紹介したい。

「近代照明の3原則」に、ヘニングセンの照明に対する哲学が表れている。

グレアフリー

グレアとは”まぶしさ”のことであり、主として光源からの光が直接目に入ることで発生する。ヘニングセンは、まぶしさと悪い照明によって引き起こされる目の疲労等について書かれた医学書なども参考にしながら、まぶしさを感じる照明は衛生的・整理的な面で目に悪影響を及ぼし、お金をかけて設置する照明によって目を悪くすることは不経済だとする。さらに、このグレアを美的な問題として捉え、「眩しさを感じると、部屋は灰色になり、とても貧しい光のように感じられる」として、徹底的に取り除くべきだと説いた。
北欧の照明 デザイン&ライトスケープ、小泉 隆、学芸出版社

一言で言えばこうだ、「光が直接目に入らない照明が良い」。一方で「光を隠すのは非経済的」という批判もあるようだ。しかし僕は、日々液晶に痛めつけられている目を守るべく、ヘニングセンの哲学を支持することにしよう。

配光

自身の論考では、照明器具の配光の違いによる影響を示しながら、必要な場所への適切な配光の重要性が説かれている。
同書より

例えば机を照らすなら、机の上だけ明るくしてやればグレアフリーで経済的だということだ。北欧の部屋が全体的に暗いのは、こうした機能性を重視するがゆえなのかもしれない。

配色

「多くの場合、白熱球の冷たい白い光をそのまま使うのは望ましくない」と語るヘニングセンは、電球からの青白い光をそのまま用いるのではなく、用途や目的に合った色の光を用いることの重要性を説いた。
同書より

ヘニングセンは、暖かみのある色を黄昏と調和させるべく重視していたらしい。気が合うではないか。僕も黄昏が好きだ。

実際の北欧における照明

思い返してみれば、北欧諸国は全体的に暗かった。暗いのだが、安心感のある暗さであるし、暗いからといって困ることはない。仮にヘニングセンの3原則をリスペクトしていると考えれば、納得もいく。

フィンランドで泊まったホテルのロビー

配光によって荘厳な鹿の角を目立たせつつも、グレアフリーを満たしている。さらに意図的な暗さによって、ホテルの高級感が増しているようにも思う。なんという機能性だろうか。

友人が泊まったスウェーデンのホテル

友人ははじめ「暗い」とぼやいていたのだが、僕がグレアフリーにしているんじゃないかと伝えると、「確かに効果的な配置になっている」と喜んでいた。北欧デザインを楽しんでくれたようで、思わず笑みがこぼれる。

暗さの意図を汲まない人からすると、ただ暗いだけに見えてしまう面もあるだろう。いいデザインは気づかれないとも言うが、「暗いと思われてしまうデザイン」は果たして良いデザインと言えるのだろうか。ここは観察編でよく考察したい。

いざ、選定

ヘニングセンの3原則に則り、照明を選んでみた。

PH5 Mini

ヘニングセンの会社でもあるルイス・ポールセン社の商品。信じられないほどのお値段だが、ヘニングセンの哲学が詰まった傑作だ。ファンとしては外せないだろう。

シムニンゲン

IKEAで家具を物色しているときにたまたま見つけた照明。良心的なお値段に加えて、真下以外はグレアフリーである点が素晴らしい。北欧らしい柔らかな曲線美も気に入った。

テープライト

北欧でよく見かけた照明形式。ただのオシャレかと思っていたが、よくよく見ればグレアフリーを満たしているではないか。テレビの裏にでも貼って光量の助けとなってもらおう。

構築に向けて

北欧デザインらしい照明を選べたのではないだろうか。早く部屋に飾って、暮らしてみたいものだ。引っ越しはだるいが、新生活の妄想でワクワクしてやろう。

3原則という明確な基準によって、照明選びがすこぶる捗ったのも嬉しい発見だ。何のために勉強するのか少し分かったかもしれない。よし、照明はこれで決まり。次は構築編だ。


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