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センターパートか?ぱっつん前髪か?アメリカと日本のトレンドの違い。

2016年1月から渡米してニューヨークで美容師をしているのですが、

日本人が考えている「外国人」風ヘアスタイルと、現実の「外国人」のヘアスタイルは全く違い、全然イコール=ではなかった!

ということをお話ししていきたいと思います。

外国人風って、ヘアカラーにつける飾り言葉のようなものなのだが、イメージの中に、白人のモデルさんやPinterest などでみるような人を思い浮かべるでしょう。

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日本で美容師をしていた時は、オードリーヘプバーンやアメリ、マチルダのボブのように、ぱっつんと切り切ったような前髪が可愛いし、モードなかんじで、白人のオシャレな人はみんなそんな感じなんだくらいに思って、自分自身もやっていました。

ところが、アメリカに来て、蓋を開けてみると、

前髪がある人はほとんどいない。

ましてぱっつんなんて、いたとしても、数パーセントくらいしかいなかった。

どこに前髪が可愛らしい方がいらっしゃるのかしら??といった感じで、見つける方が大変なくらいの割合だった。

日本の時は、お昼休みに前髪のカットにくるお客さんや、どこかに出かける前に前髪だけ切りにくるみたいなお客さんがたくさんいたし、

私たち日本人は、前髪命なのだ。

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しかし、こちらはそんな人、ほとんどいない。もちろん前髪カットの値段も日本に比べると高いということもあるのだが、そもそもLazy(めんどくさがり)なアメリカ人が、自らそんなケアが面倒なヘアスタイルを選ばないのだ。

(ここで声を大にして言っておきたいのが、私はぱっつん前髪は大好きだ。)

しかし、ここがアメリカという場所だからかもしれない。私たちがお手本としている、思い浮かべる外国人とは、多分ヨーロッパの人なんだと思う。

コンサバ、ストリートが主流のアメリカは、ちょっと『外国人風』というイメージとは違うのだが、

とはいえ、トレンドの中心でもあるアメリカなので、ちょっと私が感じる違いについて話していきたいと思う。

アメリカに来た時、フォーカスしたのが、前髪ではなく、実は分け目だった。

もし今の海外のヘアスタイルのトレンドを押さえるとしたら、まずは分け目の話がくる気がする。

前髪がある日本人にとって、あまり注目してこなかったこの流行り。

しかしアメリカでは、この分け目でコンサバかモードかストリートかを主張できる、いわば大きな見せ場で、非常に重要なポイントである。

2018年ころから、サイドかきあげの時代は終わり、センターパートが主流になった。 SOHOにあるようなブランド達の広告はほぼセンターパートだ。

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私も実際、来たころは、ぱっつんの前髪だったが、それが子供っぽくアジア人感がでてしまう気がして、なんだか恥ずかしくなり、伸ばし、サイドパートのかきあげ系に変えた。

そして時が経ち、ある日、

オシャレな人がセンターパートにチェンジしていることに気付き、センターパートに変えてみた。  今もまだセンターパートブームは続いている。

もちろんショートヘアのセンターパートは日本でも主流になっているとは思う。

しかし、ボブやロングのセンターパートは日本人の私にはハードルが高く、正統派の女優さんなどがやるものだと思っていたので、抵抗があり、自分にはそんな資格ないです...と遠慮ぎみに、通ってこなかったのだが、今トレンドということもあり、ひょっこり乗っかっている。そして、なぜかこれがしっくりきている。 

これがアメリカのnowだからかもしれない。

そしてその分け目とともに違いがあるのがスタイリング方法なのだが、

驚くことに、日本人のスタイリング剤の流行はかなり独特だと思う。

世界で無二というか、独特の美的感覚から来る“流行り”が、日本にはある気がする。

みんなだいたい前髪があったりするので、分け目からのボリュームを出すスタイリングというよりは、前髪の長さや質感やしっとりとした束感がとても重要で、どちらかと言うとボリュームを抑えることに重きを置いてきた。

私がいた頃も濡れ髪やオイルで束感みたいなものが流行っていて、とにかくタイトに、いつもお風呂上がりのような艶感のあるテクスチャーが人気だった。今もそんな感じがベースにあると思うし、実際私も日本にいた時は、オイルをつけて、クリームつけて、さらにオイルをつける。くらいつけていた。

多分、スタイリング剤だけで、体重が500gくらい増加しているのではないか?くらいつけていた。笑

しかし、世界は俄然ボリューム命のハリのあるドライヘアが主流である。

なので、つけるスタイリング剤が日本人と世界では全く違うのだ。

何をみても、volumeなんとかや dry texture なんとかと言ったように、ごわっと、ふわっとさせるスタイリング剤がメインである。

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こちらでは、しっとりペタっとさせた日には、シャンプーしてやり直しをお願いされてしまうだろう。

ニューヨークに来たばかりは、全くそのセオリーがわからなかったので、よくお客様をペタペタにしてしまっていた。初めは、英語もあまりわからなかったので、それがあまり好きではないのも理解できていなかった。申し訳ない....笑

なので、一重に外国人風と言っても、意外と「今」の外国人の定義が、時としてマッチしていないなと、感じることがある。

でもそれももちろんカルチャーなので、いいと思う。

ただ、今センターパートのボリューム系をしている人が日本にいたら、

「おっ!あの人世界のトレンドにのっているな」と密かに思うかもしれない。

もし今日本で美容師をしていたら、日本にはないものなので、日本で新たなブームをつくれるかもしれないなーと思ったりする。

こんな感じで全く違う日本と世界のトレンドの違い。

日々理解するために勉強勉強なのだが、日本では見れなかったものや感じられなかったことがたくさんあり、面白いのだ。

だから、こんなことも少しずつ綴っていこうと思います。

Ritsuko

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