#逆翻訳ハヤブサ ロングフォーム(みじかめ) その①
私が大好き、逆翻訳ハヤブサのお時間です。
逆翻訳は翻訳作業の一種で、英語だと「バックトランスレーション」と言います。
この逆翻訳の仕組みを、日本語の中だけで遊んでみようというのがハヤブサの主旨です。日本語だけで翻訳作業的な楽しみを堪能するために、小説→短歌→小説……、とフォーマット越境をします。
字数制限のある短歌の翻訳が間に挟まることで、情報が意図的に落とされます。その落ちた情報を元に、次の小説を逆翻訳しなければなりません。
残す情報を取捨選択したり、反対に、書かれなかった情報の余白を読み取って復元したり。高い精度を目指しながら、どうしても生まれてしまうエラーを楽しむ。それが逆翻訳ハヤブサ。「ハヤブサ」は語感で決めたので、深い意味はありません。
ハヤブサの遊び方(ハヤブサロングフォーム ver)
今回は、小説→短歌→小説→短歌 と2ループ繰り返すロングフォームVer。
さらに「小説は140文字前後」「原作小説はひとりめが書く」としました。他にも、以下の名詞縛りルールを適用しました。
さっそくハヤブサロングフォームで遊んでみる
あつまったものずき
作成順もこの順番です。
1人目 じゅんき(ウィスキーが飲める)
2人目 てづかっちょ(チーズナンはひとりで食べきれない)
3人目 えこ(イルカが好き)
4人目 りっか(マトンカレー一択)
さてここから1→2→3→4と、時系列にできたものを紹介してもいいのですが、今回は敢えて、後ろから。それぞれの小説や短歌を読んで
「これはどんな小説や短歌を元に書かれたものなんだろう?」
と考えながら、読んでいただけたら幸いです。
ハヤブサスタート!
4人目りっかが、3人目えこの小説を読んで、逆翻訳した短歌。
↑この短歌の元になった小説が、こちら↓
3人目えこが、2人目てづかっちょの短歌を読んで、逆翻訳した小説。
↑この小説の元になった短歌が、こちら↓
2人目てづかっちょが、1人目じゅんきの小説を読んで、翻訳した短歌。
↑この短歌の元になった小説が、こちら↓
1人目じゅんきが書いた小説。(=原作小説)
できあがりをたのしむ
リアルタイムで感想を言い合った上に記録を取っていないので、以下はうろ覚えです。
「ぬくもり」が「精子」になっちゃうのはもうこれは、仕方ないでしょ?
貴重な31文字の内10文字を「コンドーム」に費やしているのは何故。
それはね、「松島や」方式だよ。
原作がこういう話だとは夢にも思わなかったなー!
まとめながら4人目が思ったこと
「壁から手を引っこ抜く」という動作が短歌で「壁から放ち」に翻訳されました。しかし、小説は短歌内の名詞が使えません。
そのため次の小説で「壁」という言葉が使用禁止になって3人目では「窓から」になった。ここの変遷がリアル翻訳作業っぽくて、私はとってもお気に入りです。
翻訳者が重要だと思って小説から拾って短歌に使った単語を、次の逆翻訳小説の書き手は使うことができないというところが、このハヤブサという遊びのミソ。
使わなければ、伝えられない。
しかし、使ってしまえば、繋げられない。
翻訳にもその国ならではの単語があり、その「使うべき」と「繋げられない」の板挟みでどのように翻訳をしていくか、訳者の腕の見せ所だったりします。
この4人で作ったものが他にもあるので、随時更新します。
過去のハヤブサシリーズもぜひご覧ください。