◉32話 持続可能を極める農法とは
自然豊かな東三河の豊川流域で、自分で食べたいものを作り、安心安全で美味しい野菜を地域に届けたい!との想いから始まった豊橋の有機朝市も今年で38年になるそう。
この豊橋有機農業の会の代表を務めるのが新城で福津農園を営む松沢政満さん。
10数年前から仕事関係で度々お会いする機会があり、この地域の有機農業を代表する存在である事は存じ上げていましたが遂に畑に伺うチャンスを頂きました。
夫が中心となって試行錯誤している我が家の畑ですが、この地域は全国的に見ても痩せ地で自然栽培には適さない。昨夏にとある方からそんな事を聞いた時には夫婦揃って落胆したものです。
松沢さんの畑は全国から視察の方や研修生がやってくる地域随一の農園だという。毎週朝市に出せるほど野菜を収穫できるってどんなやり方なんだろう?私よりも夫の方がワクワクしていたのはいうまでもありませんが、11月のこの日は私たち夫婦の畑に対する見方が完全に変わった日となりました。
のどかだな〜なんて思いながら車を走らせていると最後の5分で山の中、そしてうっかりしていると見逃してしまうような急斜面を登ったところに福津農園はあります。
畑一帯は斜面になっている所も多く、こんなところで?!というのが第一印象。そして”こんなところに”名古屋など遠方からの方やバスを乗り継いでやってきたという若い男性を含め、職業、年齢、性別様々な総勢30名以上の方が見学に来ているのです。寒い日でしたが、外のかまどから湯気が立ちのぼりいい香りがしてくる。鶏を絞めたその鶏肉と農園で採れたたっぷりの野菜で作ったスープで歓迎して下さいました。身体も温まり心もほぐれたところで松沢さんのお話と畑の見学が始まった。(続く)