◉33話 新城の福津農園 松沢さん

新城で有機農業の畑を営む松沢さんの畑の話の続き。
外の寒さも吹き飛ぶくらいの松沢さんの農業に対する熱い想いをお聴きしてからの畑見学。
その場所の生き物の力を最大限に借り、生命の循環を大切にする考え方には深く共感しました。

毎日ピクニックができそうな広い敷地内には50種余りの野菜や、果樹、きのこ、山菜がその時期に合わせてゆったりと生き生きと育ち収穫されていく。

福津農園では少量多品種が基本であり、南向きの斜面には梅、甘夏、きんかん、柿の木などが混植されていて、四季折々の果樹が採れる。広い敷地に加え斜面も多く、正直収穫は大変そうだけれど、混植する事で病害虫の予防にも効果がありお互いの木にも良いとの事。
柿の木の下には大根が沢山植わっていた。冬になると木の葉が落ち、その落ち葉の下から冬草が現れ、動物たちの貴重な飼い葉になる。虫や草の種をついばみに来てくれるムクドリ、ハトなど様々な鳥たちが訪れる。やがて落ち葉が腐葉土となりフカフカの土になる。一般的に言われる害鳥や害虫と共存できていることがすごい。

畑は耕やすエリアと耕やさないエリアがあり、耕さないエリアの風景といったらまるで自然公園のよう。
手付かずの自然の一部のように草の中に大根や、かぶ、トマトがそこに存在している。かといって野菜が草で覆われているわけではなく、草は根元から刈りとって肥料にしている為、無駄がなく循環がなされています。
動物は山羊1頭、鶏200羽で、生活から出る野菜くずや生ゴミを食べてくれる。その糞を肥料として畑に還す。
田んぼにはお米以外にも、イナゴ、おたまじゃくし、カエルなど季節ごとに沢山の生き物が住んでいる。

私たちも地球という大きな生態系の一部であり、この暮らしは多様な生き物が互いに関わり合った生態系から得られる恵みによって支えられているんだなあ。そんな気持ちが自然と湧いてくるひとときでした。(続く)


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