あの日誓った友情は #4
“帰国の予定が延びそうなの。サツキの式あたりに帰国できているかどうか微妙で、だからサツキには欠席の連絡をしておいたよ”
カエデからLINEが来た。
“そっか、残念だけど仕方ないね…”
“でも!ウェルカムボードは抜けないからね!金額わかったら連絡してね、振り込むから!”
私は少し落ち込んだものの、旦那様のお仕事の都合だし仕方ない!と気持ちを切り替えた。
あれから、アオイには連絡をしていない。
サツキからアオイは早々に欠席の返事を送ってきたと聞いた。
そこまで頑なな態度を取るようになったのには何か他に理由があるのかな?と思うけど、私は少し疲れてしまって距離を置こうと決めていたのだ。
そう言えばキキョウは?
少し前に連絡した時は、出席したいけどまだ返事出せてない、と言ってたな。
カエデの件もあるし、久しぶりにLINEしてみた。
“カエデからLINE貰ってビックリしちゃったー!実はね、私も結局欠席になっちゃうんだー…”
え?
“何?どしたの?”
“んー、ちょっと仕事の予定が…”
察した。
キキョウは昔からこうだった。
私も行くー!
私もやるー!
私にまかせて!
返事は良い。だけど、その後必ずと言っていいほど、
ごめーん!ちょっと都合悪くなっちゃった…
まさか友達の結婚式にまでこの手を使うとは…私は愕然とした。
いや、本当に都合が悪くなったのかも知れない、だけど、前科がありすぎなのだ。
“そっか、じゃあウェルカムボードはどうする?”
“それは話進めて!”
ウェルカムボード制作のショップと何度か打ち合わせメールをやり取りして、ようやく仕上がりのイメージが整い、料金の案内がきた。
私は請求書のコピーを添えて、3で割った金額と口座番号をカエデとキキョウに連絡した。
カエデからはすぐに振り込みがあった。
“サツキと旦那様によろしく伝えてね!”
と言うメッセージとともに。
キキョウは “わかったー!すぐ振り込むね!” と言ってきたっきり、音沙汰が無くなった。
そろそろサツキのもとに送らなきゃ行けない時点になった時、3人からという事にするのか、それとも私とカエデからにするのか、という問題もあり、改めてLINEすると、
“あー!ごめーん!今から振り込む!”
と、すぐ振り込まれた。
今まで待った時間はなんだったんだ…。
でも、おかげで無事サツキのもとに届ける事ができた。
あとは、無事当日を迎えるだけ。
出席するのは結局私だけになっちゃったけど、ここまでに至るまでの私の気苦労…。
私のアオイとキキョウへの気持ちは、確実に今までのそれとは違ったものになっていた。
同時に、私の心が狭すぎるのかしら…という思いも襲ってきて、なんとなくモヤモヤした気持ちで過ごし、そして当日を迎えた。