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読書メモ24「名著『代表的日本人』を読む」

バーゲンブックのワゴンで出会って
「そういえば内村鑑三の本って読んだことないというか
無学なんで聞いたこともないな」
となんせバーゲンなので購入。
無教会主義なのは知ってるけど、とがった奴だなあと思ってる程度。
みんな、そんな強くないのよ。
教会は帰属意識というかそういうのに役立つ場所だっただろうしさあ。

というイメージは置いておいて
この本に取り上げられていたのは

西郷隆盛
上杉鷹山
二宮尊徳
中江藤樹
日蓮上人

声をあげて笑ってしまうこと多数。
今ちょうど「不適切にもほどがある」というタイムスリップものの
時代のモラルを笑うドラマをやっているけれど、
比較的それに近い笑い。

原著に当たっていないから本当にそう書いてあるのか分からない。
あくまでもこの本を読んで、なんだけど笑っちゃったところなど。

西郷編
「西郷は他人の家を訪ねた折など、その家の穏やかな暮らしの妨げになることを嫌って、声をかけることをせず、誰かが出てきて自分を見つけてくれるまで玄関で待っていたといわれます。」P.62
このくだりは本気でゲラゲラ笑っちゃって、写真撮って家族に送った。

「おくゆかしさ」とかなんだろうか・・・?
気付いた時の家の人の居たたまれなさを考えると声かけろよって思ってしまう。

上杉編
うっかり忘れたことで大反省した鷹山。
侍者が「名君としてはどうよ」と責めたら
「悔悛のあまり一晩のあいだ涙を流し、身じろぎ一つしなかった」
「翌朝、呼ばれた師が(略)鷹山の過ちをとがめる必要がないことを述べると、ようやっと『食事が喉を通った』」P.106

いやいやいや、反省するの大事だけど、やってる感はそんな出さなくても。

二宮編
人助けしまくっているのに、すごく人嫌いで(だから、なのか?)
三日三晩、会ってもらおうと座り込んだ僧侶には
「犬のように乞食坊主が座っとる!」と激怒したそう。
なんかもう、アレだ。

中江編
マザコン過ぎて脱藩。
なんかもう、これだけでいいや・・・。

日蓮編
けんか腰過ぎるだろ、お前。

とまあ、現代を生きる私には
やべー奴ら一覧みたいな話であった。

やばさはともかく、内村鑑三が多分一番ちょっと大丈夫?と
心配されるような人なのかもしれないが
キリスト者として、西洋に勝るとも劣らない人物が
ここにもいるんだぜと融合させたがっているというか
自分の中のいろいろな折り合いというか
そうね、利他の心や道徳なんかを見出したかったのかなというところ。

私は神様はいるのかもしれないけれど
見たこともないので、それならば恋人の幽霊の方を信じてる
いわゆる不可知論者。
真善美を欲する人間の本質があるんだろうなと思っているので
ソクラテス派かもしれない。

所変われば品も変わるので、昭和の時代だったら美徳だったものが
今はちょっといかんよねと変わったりすることはままある。
セクハラを大騒ぎしない、なども思いっきりそれで
私が大騒ぎしなかったせいで
きっと後続の方も困ったということも多いんじゃないかとか
今は考えるし反省もするわけだ。
「風と共に去りぬ」もあんなこんなそんなとかさ。

それにしても古い時代のこういう本って、
ナマモノなんだろうな、そういう意味で。
それをそれとして味わうのもまた楽しいものであった。

おしまい。

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林田りんだ
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