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(読書感想文)「デューク」

江國香織著「デューク」読了。

とても爽やかで美しく、愛に溢れた短編小説だった。

クリスマスソングが流れる街で起きた奇跡。

愛する犬・デュークが死んでしまった。悲しくて涙が止まらない私の目の前に現れた少年。 晴れた冬の1日を彼と過ごした私が受け取ったメッセージは……。

Amazon「あらすじ」より

愛犬を亡くした飼主の主人公が少年と会い…という物語だが、前情報なく読み始めたものだから、最後の結末に「えっっっ!!」と驚き、最初から読み直した。

卵料理
アイスクリーム
落語
キス
ジェームズ・ディーン。

素敵な1日の過ごし方で、少年の言葉の掛け方もとっても素敵で、後半、落語を一緒に聴いてデュークを思い出す主人公になんとなくホッとした気持ちを抱きながらの最後。

「今までずっと、僕は楽しかったよ」
「今までずっと、だよ」
「僕もとても、愛していたよ」

なんて素敵な言葉だろう。
こんなこと言われたら嬉しすぎて、また「びょおびょお」泣いてしまうのではないだろうか。

「古代インドはいつも初夏だったような気がする」
「ロマンチストなのね」

「深い目」は愛も哀しみも知ってこそ。

夏が終わり、クリスマスが近付く今の季節、素敵な大人の物語でした。

#ジブン株式会社マガジン
#読書感想文
#デューク
#江國香織

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