(読書感想文)「経済評論家の父から息子への手紙」
山崎元「経済評論家の父から息子への手紙」読了。
山崎元さんの辛口かつユーモラスな文体に魅せられ、一気に読んだ。
SNS の台頭もあり、世の中は常に重箱の隅をつつくような批判に溢れている。
かくいう私も、X の炎上をたまに目にするだけで辟易し、フォロワーなんて全然いなくて誰が見るねんというような投稿でも、少しでもネガティブに拡散される可能性があるならばと、謎に全方位に配慮したような投稿になり、
どこかのキャッチコピーではないが、四角い投稿がどんどん丸くなって、我ながら尖りゼロでつまらない内容だなと思ってしまう。
そして、そんな配慮された文面やら、経験値に基づいた「無難な」コミュニケーションにも、若干うんざりしている。
私は天気とかじゃない話をしたいんだ!!
※どの発言をするにも、誰かの地雷になってるかを気にすると、「まだまだ暑いですね」みたいな、いやそんなの言語化せずともわかるし、と自分で自分に突っ込みたくなるくらい無難なコメントが口をつく。
そんな中、ヤマゲンさんは、それ SNS で言ったら火がつきそうだなと思うような発言をシャープにユーモラスに、そして非常に率直に語られており、表面的な相手の表皮をなぞるようなコミュニケーションに内心うんざりしていた自分にものすごく刺さった。
今の時代、求めていかないと辿り着けない桃源郷だ。
本書はヤマゲンさんの真骨頂である経済やビジネスの話だけでなく、キャリアや育児、我が子への率直な想いや幸福論について記されており、とても興味深い。
いつもの癖で、電子書籍で購入したが、手元に置いて読み直したく、かつ、いつか我が子たちにも手に取ってほしいという願いをもって、紙の本でも購入したい。
食道癌が発覚されてからのこの精力的な執筆活動に頭が下がる。
こんな良著を残していただき、ありがとうございます。
リスクを積極的にとって、仕事も育児も趣味も、オモロい人生を生きていきたい。