筋トレは苦手。だけどやっぱり書く力は鍛えたい
最近、dマガジンの会員登録をした。月額440円で、1200誌以上の雑誌が読み放題というアプリ。いままでは、自分で興味のある雑誌に狙いを定めて、すみからすみまでじっくり読むスタイルだった。もしくは美容院で渡されたタブレットに入っている料理雑誌を眺めてレシピを参考にするくらい。
でも、せっかくたくさんの種類が読めるんだし、と貧乏根性が頭をもたげ、女性向けのファッション雑誌の中から、いくつか選んでささーっと眺めてみる。(タブレットなのでパラパラめくるというより、ささーっとスクロールする)
すると、同じ俳優さんのインタビュー記事が載っている雑誌が2誌あった。
宣伝を兼ねているのだろう。もうすぐ始まる出演番組が小さく欄外に紹介されている。へー、このひと最近見かけないなと思ったら、こんなところで活躍していたんだ、と記事を読む。
え? 全然違うひとみたいじゃない?!
インタビューされているのは、間違いなく同じひとなのに、2種類の記事を読んだ後の、この俳優さんに対する印象がまったく違う。え、こんなに違っていいの? 事務所はOK?
はじめに読んだ一誌。ターゲットの年齢層は俳優さんと同じくらいか少し若めの20代のよう。
掲載紙面は1ページ。文字数も少ない。
「目標に向かって精進するとか、特にしてません。 とりあえず筋トレしよう!」
「将来についても特別なことは、なにも考えてません!」ということばではじまる。
え、普段なんにも考えてないってこと? なんとなくここまで生きてきたの? イケメンだから?
読んでいてちょっと戸惑う。
そのあとをきちんと読めば、いいことは言っている。なにごとも(筋トレみたいに)続けないと結果は出ないとか、続け方のコツとか、新しいことへチェレンジしたいとか。
でもなんだかちょっと抽象的でありきたりな感じもする。(なんだか偉そうですね。すみません。主観です! )
番組宣伝も「面白いからとりあえず観てね!」 みたいに、無理やり話をつなげていた印象だった。
もう一誌は、ターゲットの年齢層が30代くらいで、俳優さんよりは上の世代。
インタビューは4ページ。文字数も多い。
彼自身が語る、ロケ中の細やかなエピソード、日常生活で普段考えていること、インタビュー中に気がついたことばなど、丁寧に書かれている。
番組宣伝にもうまくつながっていて、読んだあとは、「知的で努力家だけど、あえてひけらかすことはなく、むしろその謙虚さが好印象」だった。(主観です)
特別ファンというわけではなかったけれど、番組見てみようかな、と思った。
ここからは思いっきり推測なのだけど、この俳優さんは、抽象的な「夢」や「目標」に向かうより、目の前のやるべきタスクを、毎日コツコツ積み上げていくほうが、好きなのかもしれないし、得意なのかもしれない。もしくは、「夢」や「目標」はあるけれど、そこは語らないひとなのかもしれない。
そのコツコツがあるからこそ有名になって、雑誌のインタビュー記事の「いま」につながっているのだろうし。
文字数がまったく違うから単純比較をしてはいけないとは思う。でも読後感の違いがどこからくるのかとても気になる。質問力の差なのか、情報量の差なのか、愛情の差なのか、もしくは価値観の違いなのか。
いまの自分にはよくわからない。
だけど、同じ人物なのに、受ける印象はこんなにも変わってしまうのだ。
「発信する力」「伝える力」ってやっぱり大事だ。
だからやっぱり「書く力」をコツコツ鍛えたい。身体をコツコツ鍛えるのは苦手だけど。