人が心動かされるもの
先日BUMP OF CHICKENのライブに行ってきました。
小さい頃から音楽が大好きで数々のコンサートに足を運んできましたが、16年間欠かさずにライブに行き続けているアーティストは彼らだけです。私がコンサートプロデューサーの道に進んだのも、彼らの影響は少なくありません。
さて、皆さんは人の心を動かすものは何だと思いますか?
今日は私が愛する「音楽」を例に書いてみようと思います。
人の心を動かすもの
1) 仲間との信頼関係=信頼
2 1つのことをやり続ける=継続
3) みんなで1つのものを作り上げる=一体感
4) 2度と同じ楽曲、空間は生まれない=儚さ
1) 信頼
(メンバーの名前や絵が入った銀テープ。会場である「埼玉」の文字も)
私はメンバー同士が仲の良いバンドが好きです。それは私たちが感動するのは彼らが生み出す音楽だけではなく、彼らが持つストーリーそのものだからです。
BUMP OF CHICKENは千葉県佐倉市でで出会った4人が結成したバンドです。素朴な少年だった彼らは天体観測で急に人気が出て、とても戸惑ったといいます。幾度となく絶望と世間の荒波に揉まれてきた彼らがバラバラになることなく進んできたのは、彼らに間に変わらぬ友情があるからだと思います。
オフの時も一緒に遊ぶことが多いメンバー。有名になってからもマクドナルドでみんなで食事をする、などと微笑ましいエピソードが数々あります。いつまでも中学生のようにバカな写真を取ったり、じゃれあう彼らには微笑ましい気持ちになり、応援したくなる。
私たちは彼らの音楽と人間性に強く惹きつけられるのです。
2) 継続
(7月13日、メットライフドーム にて)
好きな音楽で食べていく、好きな音楽を続ける
これがいかに大変か、音楽業界で働いていた身としてはよくわかります。
自分が大切な人に何かあったりどんなに辛いことがあっても、ステージに立ち続け、プロとして最高のパフォーマンスを行う覚悟があるか。
メンバーの脱退、楽曲が思うように作れない、CDが売れない、メジャーデビューしたからには全て自分の思い通りにできるわけではない・・・このような状況にあっても、諦めず、自分の軸をブラさずに続けることができるか。
このストレスとプレッシャーたるや、我々は想像することしかできません。
だから私は彼らが私たちの元に音楽を届け、ステージに立ち続けてくれることは奇跡だと思っているのです。
私たちは奇跡が生まれる瞬間に立ち会っている
そう思っていつも会場に足を運んでいます。
3) 一体感
音楽の大きな魅力の1つはライブ・コンサートです。
私の中では「ライブで聴く音楽が全てだ」と思うくらい、ライブ・コンサートを愛しています。
なぜならライブとは『みんなで1つの空間を作り上げること』だから。
コンサートを作る側だった私から見ても、お客様はコンサートの一部であり、決してステージ上にいるアーティストだけのものではありません。アーティストの思い、スタッフの思い、そして参加者の思い。全てがあって初めてあの空間が作られる。
だから例え同じステージ、同じ楽曲だったとしても、1つとして同じ空間は存在しないのです。
4) 儚さ
3) の続きになりますが、同じライブを作ることはどんな優秀なスタッフを使っても、多くの人手を動員しても、2度とできません。
何千人・何万人が同じ会場に集まり、楽曲を聴き、音楽に身を任せ、時に共に歌う。それは一生でもう2度と起こりえないことなのです。
音楽は生き物です。生きた人間から生み出される、愛情と情熱の塊です。
その時の感情、思いが乗った楽曲は今この瞬間にしか聴くことができない。だからこそ私たちはその一瞬一瞬を本気で愛し、楽しむのだと思います。
それは尊さであり、儚さ。我々は完璧なものには感動しない。儚いからこそ心動かされるのです。
今回は私が愛する音楽をテーマに書いてみましたが、きっとビジネスでも恋愛でも、共通する部分があるのではないでしょうか?
あなたはどんなことに心を動かされますか?
それに気づけば、あなたの人生はもっともっと豊かになるかもしれません。