良いスピーチの条件とは?その② ~相手の土俵に立つ~
フリーアナウンサーの広末リサです。
MC/ナレーターとして活動しています。
このnoteでは「伝える」ことにフォーカスを当てて、人前で話すことや伝えることに課題をお持ちの方に届けばよいと思って書いております。
私は今まで国を率いるリーダー、大企業の社長のような人前で話すことに慣れている人から、全く人前で話す機会がない人までいろんな方たちのスピーチを聞いてきました。
そんななかで良いスピーチだな!と思うものに共通していることをシリーズとして記事にしておりますので、よろしければ前回までの記事も併せてご覧ください。
今回は良いスピーチの条件として「相手の土俵に立つこと」を挙げます。
皆さんが誰かの話を聞いていて、難しいな、つまらないなと思う時には、自分とは離れた遠い世界の話に聞こえてしまっていることがよくあります。
そう感じてしまうと、その先の話が全く耳に入ってこなくなってしまいます。
せっかく良いことを言っていても、これではもったいない!!
それを防ぐために必要なのが
「話を聞いて欲しい相手の土俵に立つ」
です!
相撲取りをイメージして頂きたいのですが、一つの同じ土俵にお相撲さんが2人立って初めて相撲が成り立ちます。
伝わらないスピーチは、あなただけが土俵に立って一人で相撲を取ろうとしている状態。
相撲は一人では取れませんよね。
だからこそ、相手と同じ土俵に立って話すというのが大事です。
実際にスピーチする際には壇上や舞台に立つこともありますが、
ここでは物理的に高いところに居ることは関係ありません。
同じ土俵に立つ=同じ目線で話す とも言い換えられます。
上から目線で一方的に押し付けられるような話に、聞き手の心は全く動かされません。
良いスピーチは、まず相手と同じ土俵に立つことで始まります。
では、どうすれば相手と同じ土俵に立てるのか?
やり方は二つ。
あなたが相手の土俵に立つ
もしくは
相手をあなたの土俵に立たせる
このどちらかです。
初心者におすすめなのは、断然「あなたが相手の土俵に立つ」です。
あなたが、人気アイドルや芸能人のような、あなたの話ならお金を払ってでも聞きたい!というファンが沢山いる方なら別の話。
芸人さんの中に、自分のペースに相手を巻き込んでいくような方、いらっしゃいますよね。
そういった方なら自分の土俵に相手を招き入れることも難しくありません。
ですが、こちらのnoteは誰でもできることをお伝えしていくので、
「あなたが相手の土俵に立つ方法」をお伝えします。
土俵、土俵ってさっきから言ってるけど何のことよ??
って思っているあなた。
相手が普段置かれている環境こそが、相手の土俵です。
ここで一つ、例を挙げてみますね。
「同君連合(どうくんれんごう)」という言葉があります。
どういう意味が、知っている方いますか?
そう聞いただけでは難しいですね。
では相手の土俵に立って、例えばこのように説明するとどうでしょうか。
会社員に対してであれば
「NTTドコモとソフトバンクいう会社があって、二つは別の会社だけれど、NTTドコモの社長がソフトバンクの社長も兼務する、みたいなことだよ。」
高校生に対してであれば
「水泳部と柔道部があって、それぞれ全く違うことをしているけれど、柔道部の部長が水泳部の部長も兼ねる、みたいなことだよ。」
という感じ。
高校生と会社員を取り巻く環境をイメージして、それぞれの立場にとって身近に感じられるものに例えました。
同じことを説明するにも相手によって説明の仕方や例えを変えるというのが「相手の土俵に立つ」ということです。
また相手の知識レベルによっても違ってきます。
政治や歴史についてある程度知識がある人に対してであれば
「イギリスのエリザベス女王がオーストラリアの女王も兼ねている、その状態のことだよ」
と実際の具体例を出した方が良い場合もあるのです。
いろんな入口から相手の土俵に立つことは出来ます。
属性やライフスタイル。
使っている持ち物、観ているテレビ番組、行ったことのある場所。
相手と自分が共通して知っている人物からも入り込める。
私は就活生向けにセミナー講師も行っていますが、そこで必ず説明をしなければならないのが「B to B(ビジネスtoビジネス)」と「B to C(ビジネスtoコンシューマー)」について。
これを、いかに分かりやすく説明するか、というのが講師の腕の見せ所でもあります。
そんな私が大学生と同じ土俵に立つために・・・
教室に入る前にチェックするのは
最寄り駅から大学までの道のりには何があるのか?
学内にはどんなお店があるのか?
学校では今何が流行っているのか?
そんなことです。
ただの食いしん坊ではありません!!(食べることは大好きです)
相手の下調べなんです。
ある大学では、学生さんが大学の魅力を書いて掲示板に貼っているのを見かけ、「正門前のタピオカ屋が人気」ということを知りました。
先ほどの「B to B」と「B to C」についての説明では、このように話しててみました。
このように話すと、興味を持って聞いてもらえるので同じことを話しても理解のスピードが速いです。
こういった情報がない時は、多くの学生さんが持っている「iPhone」や皆が知っている有名チェーンやコンビニエンスストア等で例えることもあります。
一貫して相手が身近に感じるものを例えに選ぶことを意識しています。
これが、私が考える「相手の土俵に立つ」ということです。
でも、複数の人に対して話すときにいろんな属性の人がいる場合には、そうもいかないんじゃない??
と不安に思ったそこのあなた….!!
そういう時の手も、もちろん用意してありますよ。(どこのセールスマン)
目に見えているものを使う方法です。
先ほどの「B to B」と「B to C」の話も、就活セミナーや合同説明会みたいな場で、飲料水が配られている時には「皆さんがお持ちのペットボトルのお水」を題材にするでしょう。
みんなが共通して手に持っているものですから、話されている人は自分ごととして聞こうとするんです。
これは例え話に限った話ではありません。
本題に入る前のスモールトークやエピソードトークをする際にも、相手の土俵に立つことを意識すると、どんな話をすると聞いてもらえるのか、何を題材にして話すと興味を持ってもらえるのか見えてくるはず。
今回お伝えした「相手の土俵に立つこと」のポイントとしては
1.土俵とは相手の置かれている環境である
2.例え話は相手の身近なものごとに例える
3.目に見えるものを使い共通の土俵とする
いかがでしたか?
これを踏まえればあなたのスピーチがレベルアップするはずですよ!
前回の記事ではエピソードトークのコツをお伝えしております。
今回の記事と併せてご覧いただくと尚更効果的ですよ!
ご覧になっていない方はそちらもチェックしてみてください。
次回もスピーチのコツ、引き続き伝授していきます!
役に立ったな、こういう話もっと聞きたいなと思った方はハートマークいただけると嬉しいです!
人前で話す機会がある人、プレゼンやスピーチなどの機会がある人はぜひフォローしてまた見に来てくださいね!
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