二人っきりに?
何日か前から彼は、二人っきりになりたい、と私に伝えてくる。
ホテルの一室で、とか、誰にも見られずに、とか、二人っきりでのんびり、ゆっくりしたい、とか、つまりは、親密になりたい、と彼の心は言っている。
一緒にいると楽しい、とか、時間あっという間、とか、君といる時だけが僕のホントの時間、とか、これまでそういうことを伝えてくれてはいたけど、二人っきり、っていうワードは初めてで、うん、そうだね、って答えながら、ああ、私も覚悟を決める時期なんだ、って思ってた。
そうして昨日、私は、浮気とか不倫とかじゃないよ、って彼に伝えながら、朝からぼろぼろ泣いてて、ああ、やっぱり、別のフェーズに私たちは行こうとしている、って気付かされる。
怖くない、わけがない。
でも、昨日の朝、ひとつに溶け合って、私はあんなにも嬉しくて、もう離れなくていい、っていうのは私にはものすごい安堵感で、つまりこんなふうに思える男と離れることなんて、私にはできるわけがない、ということも、私には腹の底から分かっていた。
ひとつでいることが当たり前
一緒にいることが当たり前
だって、もとがひとつなんだもの
でも、お互いの魂を取り出して、パズルみたいに、ほら、ぴったり合うでしょう?なんてことができない以上、もとがひとつ、なんてことは、この三次元では、誰にも証明できない。
だから、私たちは、もとがひとつ、なんてことを言い訳にすらできないまま、形的には、浮気する、不倫することに、なる。
家族に嘘をついて。
家族を裏切って。
でも、私は、私の心が求めることを、したい。
私は、私として、生きていきたい。
多分、彼も、そう思ってる。
お互いがお互いとして生きるから、私たちは、お互いの家族なり周りへの責任も果たそうと頑張れるんじゃないかな、ってそう思う。
普通に、自分らしく生きられて、生まれ育った家庭なり、自分が作りあげた家族ときちんと向き合って、信頼し合って助け合って生きていけている、世の中の大勢の人たち、いろんなことから逃げずに向き合って生きていける大勢の人たち、はすごいと思う。
私には、できない。
彼というエサが与えられなかったら、多分、私はきちんと向き合えて、ない。
逃げて逃げて、何となく、生きてるだけ、大変なのは私だけ、って文句言って、心閉ざして生きるだけ、だったと思う。
そして、多分、彼も同じだったろう。
私たちは、お互いにお互いをエサとして、そうでもしないと、お互いの人生にきちんと向き合えないような、弱い、人間だというだけだった。
光の仕事ができるようなすごい人間だから、ツインレイに出会った、とかじゃない。
私たちは、弱くて、情けなくて、そういう人間だからこそ、宇宙からエサが与えられた。
それだけの、ことだ。
宇宙から、大きな大きな愛が伝わってくることが、ある。
バカな子ほど可愛い、的な。
私たちは、弱くて、でも誰にも弱音を吐けずにカッコつけてるだけのバカで、だからこそ、宇宙も、愛をくれてる。
愛おしいバカたちだ、って多分そう思ってる。
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