
[母への執着11]母との記憶 99点の残り1点
私は中学受験をし、私学に入学した。
もともとは塾にも入れないほどの学力だった。
成長が止まるほど勉強して私学へ入った。
今ではその努力の仕方は異常で不健全だとわかるが、当時はそんなこと関係なかった。
全くわからなかったことがわかるようになるのも楽しくて、底辺だった成績がトップに上がっていくのもうれしくて、苦しくはあってもゲームを攻略していくように勉強に夢中になった。
しかし、こちらは楽しくても親は時間とお金をかけている分、どんどん追い詰められるのだろう。
成績の伸びない教科
99点の残り1点
私の要領の悪さ
苦手教科に対する私のやる気
最初はプラス査定だったのも束の間、あっという間にマイナス査定になった。
20時ごろからお説教が始まり夜中の3時まで続く、ということが珍しくなくなった。
好きなものしかやらない
嫌いなものはやらない
あなたがやると言ったからやっているのに
そう言われて
そんなことない!私は全力でやっている!
と、罪悪感を微塵も感じずに心から反発しきれる人がいるだろうか?
本当はもっとできるのにやってないだけかも?
苦手教科がノらないのは否定できない
私がやりたいって言ったのも確かだし
親の負担だってわかる
他の子はもっとやってるんじゃないか
このままだと目標の学校には行けない
どんどん自信がなくなっていった。
楽しいより、苦しいが多くなった。
はじめは「私は全力でやっている!」と口論していたが、言い返すほどにお説教の時間は長くなり、責められる内容も理不尽になり、最終的には
誰がお金を出していると思ってるんだ!
そして言い返すことをやめた。
私のわがままに親を巻き込んで、その上私は本気でやらない。
その構図は中学受験だけでなく大学受験も含め、私の物事への取り組み方として母と私の共通認識になった。
正しくは母に洗脳されていった。
そもそも親と子どもは対等ではない。
親が脅せば従わざるを得ない。
親が足りないと言えば足りないのだ。
だから、親に言い返すことをやめた。
いや、諦めた。
お説教の間の母は教祖そのものだった。
一切自分の考えを疑っていない。
自分の考え、自分の恵み、自分の愛
それを証明する行為であった。
今思えば、自信のなさや余裕のなさの表れではあるが、子どもに認めさせなければ自分を保てないのだろう。
私が正で あなたが誤
私が善で あなたが悪
私はギブで あなたはテイク
私は被害者で あなたは加害者
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?