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三種の神器のゆかりの地をゆく

三種の神器と天皇

三種の神器は、天孫降臨の際に邇邇芸命が持ってきた八咫鏡、草薙剣、八尺瓊勾玉のことである。天皇により、古代よりひきつがれてきた。 崇神天皇の時、鏡と剣は宮中から出され、外で祭られることになったため、形代が作られた。その後、いろいろな経緯を経て、現在では三種の神器は三か所に分かれて代々引き継がれている。八尺瓊勾玉は皇居、八咫鏡は伊勢の神宮、草薙剣は熱田神宮である。

伊勢の神宮

伊勢の神宮は、古来より特別格の宮とされ、現在では神社本庁の本宗であり、日本国民の総氏神とされている。すべての神社の上にたつ神社である。内宮と外宮に分かれており、内宮は皇室の氏神である天照大御神を祀る皇大神宮で、外宮は豊受大御神を祀る豊受大神宮である。神宮の神体は八咫鏡である。
近鉄伊勢市駅を降り、まず外宮に向かう。

伊勢の神宮、外宮

うっそうとした森のなかに外宮はあり、多くの社殿が点在している。神々が本当にいそうな雰囲気である。豊受大御神は天照大御神の食事を司る神で、衣食住や産業の守り神として崇拝されている。
神宮では、外宮も内宮も東と西に同じ大きさの敷地を持ち、二十年に一度、社殿が新調される。式年遷宮と呼ばれるこの一大事業は前回は平成25年(皇期2673年、西暦2013年)に62回目が行われている。
内宮は外宮からバスで行く。内宮につくとまずは五十鈴川を宇治橋で渡る。

五十鈴川

式年遷宮のための御造営用材はかつては宮域林から採られていた。宮域林は内宮のほとりを流れる五十鈴川の上流の森である。しかし、その後、その宮域林の御用材が欠乏したことにより、一部を除いて他の地域から供給されていたが、大正12年に200年計画で檜の人工林を作り出す神宮森林経営計画が開始され、平成15年の式年遷宮では、一部分を供給することができたそうだ。
その五十鈴川を見ながら進むと内宮である。

伊勢の神宮、内宮

ここに天照大御神が祀られており、わが国の歴史を実感できる場所である。天照大御神は太陽であり、日出ずる国の象徴ではなかろうか。そして八咫鏡もここにあるのである。日本人なら一度は訪れたい場所である。伊勢参りはそのような理由で盛んだったのだろう。また犬のお伊勢参りにみられるように、わが国は昔から安全に旅ができる国だったことは誇るべきことだと思う。そのお伊勢参りに欠かせないと言われているのが伊勢うどんである。

伊勢うどんと手こね寿司

手こね寿司はともかく、正直、伊勢うどんはのびたうどんで、それほどではなかったが、一度は食べてみてもよかろう。その後、赤福氷をいただいたあと、近鉄で名古屋にゆき、さらに名鉄で熱田神宮へゆく。

赤福氷

熱田神宮

熱田神宮は草薙剣を祀る神社として知られる。名古屋の街中の森にある社だ。

熱田神宮

熱田神宮にある草薙剣は、須佐之男命が八岐大蛇を退治したときに大蛇の尻尾からでてきたものだが、その後いろんな経緯を経て、日本武尊命が東国征伐のときに持ってきた神剣である。日本武尊命は第十二代景行天皇の子息であり、第十四代仲哀天皇の父である。東国征伐後に日本武尊命は最後の配偶者である尾張の宮簀媛のところに草薙剣を置いたまま近江の荒ぶる神を素手で討伐しにゆくが、病に倒れ、尾張に立ち寄ることなく、能褒野で死に、白鳥となって飛んでゆくのである。熱田神宮は残された草薙剣を祀るために作られたのだ。アクセスしやすいので名古屋に行った時には立ち寄ってみることをおすすめする。
日本武尊命の白鳥の伝承は各地にあるらしく、横浜市の田奈にも日本武尊命を祀る神鳥前川神社があるが、ここはもともと白鳥前川神社であった。

神鳥前川神社

白鳥を神鳥(しとど)と呼ぶようになったため、いまでは神鳥前川神社になっている。なおここでの前川は前を流れる恩田川のことである。
横浜に場所がとんだが、最後は東京の皇居をちょっと語ってみたい。

皇居

八尺瓊勾玉は皇居の剣璽(けんじ)の間にある。剣璽の間には草薙剣の形代もあり、皇居の宮中三殿賢所には八咫鏡の形代もある。
皇居は東御苑が開放されているが、年に何回かの一般参賀のときには普段開放されていない場所にも入ることができた。このノートを書いている令和5年正月では、武漢ウイルスのために一般参賀が抽選になっており、筆者は行くことができなかった。

武漢ウイルス以前には一般参賀に多くの人が参列した

武漢ウイルス前、非常に多くの人が一般参賀にかけつけ、皇居前広場で荷物検査があった後、数時間かけて、少しづつ進んでいった。並ぶのが大嫌いな筆者もこのときだけは並んで行ったものだ。

皇居正門石橋、二重橋ではないことに注意

まずは皇居正門石橋を渡り、折り返して二重橋を渡る。二重橋は鉄橋であることを覚えておきたい。手前の石橋は二重橋ではないのである。また二重橋はいまでは二重ではない。

伏見櫓

伏見櫓を見て進み、中門をくぐると長和殿である。

天皇陛下万歳

長和殿で陛下のお言葉を聞くのであるが、おでましから国旗が多く振られ、後ろだともうお姿が見えない。そのまま退場せず、前方に移動しつつ、その次の回まで1時間以上待ち、やっと見ることができたことを思い出す。また行ってみたいものだ。

以上、伊勢から名古屋、東京と三種の神器の地を巡ってみました。

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