【本のご紹介】 手塚千惠子 「社会のストレスとこころ パーソナリティ障害と集団ダイナミクス」
手塚千惠子 「社会のストレスとこころ パーソナリティ障害と集団ダイナミクス」 (木立の文庫 2023年)
仕事の一環で、一般の方にパーソナリティ障害にまつわるレクチャーをすることになり、ヒントを探して手に取った本の中のひとつ。読み進めてみたら、ガチの精神分析的集団精神療法の本でした…。
ちなみに、私が学生時代にお世話になった恩師が、集団精神療法の第一人者であり、就職した精神科病院でも集団療法が多用されていたこともあり、世の“平均的な”心理士よりも、私は集団療法に親しんでいたはずです(上手にできるかといえば、それはまた別)。
ロシアによる対ウクライナ開戦や、新型コロナのパンデミックなど、強い社会的ストレスを次々に経験するなかで浮かび上がった、私たちの社会(の構成員たる私たち一人ひとり)における、パーソナリティ発達の固着と退行、そしてそれらを背景としたさまざまな行動化。私たちのパーソナリティの成熟のニーズと、集団精神療法がその点でいかに寄与するのかを、複数のグループ事例をもって丁寧に説いています。
以下、若干の解説と感想を記します。
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