見出し画像

無人島生活福袋【毎週ショートショートnote】

クリスマスなんて、嫌いだ。
サンタなんて、大っ嫌い。

僕の家にはお父さんがいない。
だから、サンタはこない。

友達が「サンタなんていないに決まってんじゃん。父ちゃんがこっそり置いてくの見ちゃってさ」


ウザそうに笑うその顔を見て、
僕は椅子をガタッと蹴った。
奴らはピタリと黙り込む。

僕は足早に教室を後にした。


家に帰ると、玄関にアドベントカレンダーが飾ってある。仕事で忙しい母が、僕が寂しくないようにと毎年用意していた。

今日は12月1日。
1日目を開けると、中からピカピカの星が飛び出してきた。カランカラン、と鐘の音が鳴る。

「おめでとうございます!無人島生活福袋が当たりました!」


次の瞬間、僕は森の中にいた。


ここが、無人島..?

福袋の中には、いくらかの食料と生活必需品。
鬱蒼とした木々を掻き分けていくと、海辺に着く。
夜になり、食料を細々と食べ寝袋で寝る。
朝になっても、また夜になっても、僕はひとりぼっち。

もしかして一生、このままなのだろうか…


ゾッとした瞬間、あの星がやってきた。

「無人島生活福袋、お楽しみ頂けましたか?それでは、終了でーす⭐︎」


気づくとそこは家の玄関だった。

夢だったのか?
しかし手には、あの砂浜の砂がついている。

「りく、お帰りなさい。今日はお仕事早く終わったから、一緒にクリスマスツリー飾らない?」


「うん、僕出すから、母さんは休んでて」

「あら、珍しいわね。あ、1番上にはアドベントカレンダーに入ってるお星様を飾ってね」 

1日の引き出しをおそるおそる開けると、そこには星のオーナメントとチョコ。僕はそのチョコを食べながら、明日の引き出しを開けるのが楽しみで仕方なかった。



683字

文字が多くてスミマセヌ┏○ ペコリ


みんなで作るアドベントカレンダー🎄
25日まで予約受付中🐻‍❄️💗


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集