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ショートストーリーまとめ

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私が紡いだ小さなお話たち。
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2023年8月の記事一覧

ちょうじゅうぎがノリ。

ちょうじゅうぎがノリ。

「ねぇ、鳥獣戯画って知ってる?」

「もちろん知ってるさ。ちょう、じゅう、、そうそう、超十ギガだろ」

「うん、それそれ。それで今度、鳥獣戯画ノリの漫画を書こうと思ってるんだけど」

「ふーん、斬新だね。いいんじゃない?」

「どんな話がいいと思う?」

「いきなり振るのかよ笑」

「まぁいいじゃん、お前のほうが考えるのうまいし。なんかいいアイデアくれよ」

「うーん、今どき十じゃ少ないんじゃない

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【シロクマ文芸部✖️曲からストーリー】向日葵

【シロクマ文芸部✖️曲からストーリー】向日葵

ヒマワリへ。

まず最初に、
あなたに謝らなければなりませんね。

夏が終わったら私は、
東京に行って手術を受けなければなりません。

成功するかもわかりません。

ひょっとしたら、
記憶がなくなってしまうかもしれません。

黙っていてごめんなさい。

どうしても言えなかった。

ヒマワリとずっと一緒にいたくて、

炎天下にいっしょに向日葵畑に行って
倒れてしまった時も、

夜中にこっそり抜け出し

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【#曲からストーリー】100年越しの愛を

【#曲からストーリー】100年越しの愛を

 ✖️

2曲合わせたらストーリーが浮かんだので
2曲からの〜ぽんっ٩(๑•̀ω•́๑)۶

森の中を彷徨って倒れていた僕を拾ってくれたのは、森の奥に住むという魔女だった。

目を覚ますと、すでに魔法で毛並みもツヤツヤに綺麗にされていて、僕に「クロア」という名前を付けてくれた。

魔女は一人きりで寂しいからと、僕を人間の男の子の姿に変えた。パリッとした燕尾服に蝶ネクタイ、人間たちはこの格好を『執事

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【シロクマ文芸部✖️#曲からストーリー】君のとなりを歩いていたいから。

【シロクマ文芸部✖️#曲からストーリー】君のとなりを歩いていたいから。

ただ歩くだけ。
なのに、私には苦痛でたまらなかった。

私の足はもう動かない。

そんなことを淡々と言われても
ちっともピンとこなくて。

隣では母が医者とこまごまと話を詰めていて。
私の足は自分の意思ではピクとも動かなくて。

何が、起きてるの?

これは、夢なのかな。

ぼんやりとした頭の中には
何一つ言葉が入っていかない。

どうして。

どうして?

私なの。



私はその日、
ただ自

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お礼のぽんストーリー【きみのうたを聴かせて】

お礼のぽんストーリー【きみのうたを聴かせて】

闇黒く 波静かなり 夜光虫

✖️

終バスの《降ります》灯る夏の夜

人もまばらな終バスの中には、独特な空気が漂っている。

今日を終えた安堵感がそこかしこに散らばっていて、夜の街をゆっくりと進んでいく心地良い揺れと疲れが睡魔を誘う。

窓を見ると疲れた顔の自分がいて。
頬のたるみが気になる。
そろそろ皺がついていく年頃だろうか。

こうしてまた明日も同じ繰り返しで
いくら仕事を頑張っても評価は

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