顧客心理を理解し、指名が取れるセラピストになった私がした5つの事
私はりらくるという業界最大手のリラクゼーションサロンで働いている。全国に600店舗以上あり、セラピストは4万人以上が在籍している。
セラピストは全員業務委託で働く個人事業主で、報酬は完全歩合(施術した分だけ)なので、どれだけ稼げるかは個人差が大きい。
ここでは毎月セラピストの指名ランキングが発表されている。
お店に初めて来るお客さんはセラピストのランキングを確認して来店することも多い。また、店のシステム上、指名が付いたセラピストは次に来たフリーのお客さんに優先的に付けるので、売れる人は売れて、売れない人は待ちぼうけという弱肉強食の世界である。
私は元々介護職をしていたが、りらくるの新人研修(1ヶ月)を受けてお店にデビューした。8年が経った現在、月に平均すると2万円ほどの指名料を貰っている。
施術売上はりらくるに4割渡す。残りの6割が自分の報酬となる。
だが指名料は全額自分のものだ。
月2万だと少ないと思う人もいるかと思うが、普通のお客さんは60分の施術で2000円ほどの報酬になるから、10人分の時間と労力を節約できた事になる。
さらに、年間では24万円のプラスになるのだから、一ヶ月分のボーナスが付いたようなものだ。
そんな私が、リラクゼーションで指名を取りたいと思っている人の役に立つかもしれない5つの事を紹介したい。
1.身だしなみ
まずは、ルックスだ。ここで、自分はおじさんやおばさんだからと言って諦める事はない。おじさんでもおばさんでも、義足でも指名が取れる人は普通にいる。
とにかく清潔感が大事だ。髪はまとめるか短く整える。おじさんは腕毛や指毛を剃ったり、脱毛しておくと良いだろう。言うまでもなく爪は整えておく。
お客は清潔感のない人に触られたくない。
白のマスクは清潔感があるので、白のマスクを付けておくのも良いだろう。
2.接客
第一印象で全てが決まると言っても過言ではない。にこやかに丁寧な接客を心掛けよう。
リラクゼーションサロンに来るお客さんは疲れている。疲れてイライラし易くなっている。なので入口で余計な心労を与えないようにする。
軽快なトークをする必要は全くない。人は自分にしか興味がない。
どこが疲れているのか、強さの加減は合っているか、体制が苦しくないか等当たり前の事を聞くだけで十分だ。とにかく、あなたに興味がありますという姿勢を見せよう。
うちの店にはオウム返しをするニワトリがいる。ニワトリというのはあだ名で、ヒト科のオスである。ニワトリとお客との会話に聞き耳を立てると
お客「そこです。」
ニワトリ「ここですね。」
お客「今日は足がえらくて。」
ニワトリ「今日は足がお疲れですね。」
お客「明日も来ます。」
ニワトリ「明日もお待ちしてます。」
という会話をしている。これで指名がバンバン入る。
なので、軽快なトークは指名と全く関係ない。
3.技術
技術は二の次だ。身だしなみと接客でほとんど決まるからだ。
初心者のうちは先輩達の技が目に入って、自分はダメだ足元にも及ばないとめげてしまうかもしれないが、全く気にする必要はない。
8年やって何周かした結果、シンプル•イズ•ベストだと思う。派手な技を繰り出す必要は全くない。
お客さんはただ一生懸命やって欲しいと思っている。多少下手でも、頑張ってくれているのが分かれば癒される。
また、長年やっている人に多いのだがお客さんの要望を無視するような人もいるため、逆に新人の方が良いかもしれない。
長くやっている人は「首が辛い」と言っているお客さんに肩甲骨や頭に時間を割いているような人もいるが、首が辛いと言っているのだから首に時間を割くべきだ。
良い所に手が当たるとお客さんが「そこです」など言ってくるので、そのポイントをしっかり押せば良い。また自分から「ここですか?それとももっと上ですか?」など聞けば良い。
とにかくお客さんの要望に応えることに徹するのが、技術や知識よりも重要だ。
ある時、足のある一点を押して欲しいというお客が来た。チュミ(同僚)が担当したのだが、
お客「足の、ココだけを押して欲しいんです。」
チュミ「ココだけですか!?他に疲れているところはありませんか!?」
お客「本当にココだけでいいです。」
というオーダーで、チュミは15分足の一点を押し続けた。その会話を聞いていた私が施術していたお客さんは小刻みに震えていた。すると、
お客「あと15分延長お願いします。」
チュミ「えっ、延長ですか!?」
私が施術していたお客さんは耐え切れなくなり吹き出した!そして見事にチュミは30分間本当に穴が空くほど、足の一点を押し続けた!
お客「次から指名します。」
チュミ「あ、ありがとうございます…😭」
これは極端な例だが、お客が押して欲しいと思っているポイントをしっかり押せればお客は満足する。
なので、そもそも技術の向上が必要かどうか、8年経った今でも分からない。
きゃりーぱみゅぱみゅがボイトレをしようとした時、プロデューサーの中田ヤスタカは止めたそうだ。英断である。ぶっちゃけ、誰もきゃりーぱみゅぱみゅに歌唱力を求めていない。
つまりは需要と供給が満たされれば、技術は無くとも売れる。
4.安定感
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