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レベル1からのデザイン

学生時代に専門分野で学んだわけではなかったけれどWEBデザインやDTPデザインの仕事をやりたいと社会人になった後に思い、転職をしたことがあります。
未経験でDTPデザイナー職に就くことになった時期は、ちょうど10年前のこと。入社当時のレベルは1、手は遅くデザインはイマイチ、言われた納期内にこなすことができずに半泣き。よし、これはいいと見せた時の指摘の数々に落ち込んだ日々もありました。それでも頑張れたのはデザインが好きな気持ちがあることと、先輩デザイナーのご指導のおかげでした。
DTPデザイナー後はWEBデザイナーにも就いたのですが大事なポイントは通じているところがあり、今もよく考えさせられることをまとめてみました。

「主役は何かを考え、優先すること」
あるスイーツの通販チラシを作成する時、「可愛いのはダメね」と先輩デザイナーが私に一言おっしゃいました。なんだか少し棘の感じられる言葉。この言葉の意味をその時は棘のように思いましたが後からこう考えるようになりました。
「可愛い」雰囲気を求められる商品ならいいですが、作るものすべて可愛い雰囲気にしがちなのはデザイナーの独りよがりです。意識していなかったのですが、私は可愛いフォントや装飾を選びがちで、可愛い雰囲気にしてしまいがちでした。それは商品や目的をあまり考えてなくてベストではない、主役は何かを考え、フォントや装飾はそれらを際立たせる為のものであると気付きました。
商品や目的に合い、「かっこいい、渋い、エレガント」など使い分け・色々な雰囲気を「いい」と思う感性が必要と思いました。

「ガイドは引いて」「カーニングしっかり」
できたチラシを見ていただいた際、定規で赤線ガイドが引かれ、全体的に全然余白が揃っていないことを指摘されました。(そこまで見るとは思っていなかったし、余白なんて大体の感覚でいました。)
上下左右均等にすると綺麗に見える…という点は大事。目分量ではなくまずはガイドを引くことが基本。ちょっとしたことが全体の見た目のよさを左右していたりします。
その他にも文字と文字の間隔を調整するカーニングのことも教えていただいたのですが、こんなに細かいことまでするのか…と正直最初は驚きました。
言われないと見えてこないし分からなかったけれど、こういう積み重ねや配慮が必須なのだと学びました。

「引き出しを多く」
WEBページのデザインを作ったけれどなんだかよくない気がする…そんなものを見せても先輩デザイナーはうんとは言わず、やり直すようにおっしゃいました。しかし、ただダメではなく「こんな感じ」と参考画像を見せてヒントをいただいたのですが、その後はイメージがどんどん沸き、今度は楽しく作れて再び見せると、「そうそう、こんな感じ、このノリだよ!」とOKが出ました。
予め引き出しがたくさんある人であればいいですが、あまりピンと来ないテーマの時などは検索してあらゆるデザインをインプットし、「新しい」は「既存」と「既存」の組み合わせのようにインプット+こういう風にしようという工夫で作り出すスタンスで乗り切っていました。

「メリハリ」「優先順位」
よく「メリハリ」が大事と言いますが、全部の文字が同じ調子だったり、タイトル文字が大事なのに飾りのイラストが大きいと何が言いたいのかよく分からないものになってしまいます。1番目、2番目、3番目…と見てほしい順序を決めて順に目立つようにして何を伝えたいかをデザイナー自身で嚙み砕く必要があります。「飾りの方が目立っていないか」「一番最初に目に飛び込んでくるものは何か」を客観的に見ながら作っていくことが大事です。

「主観的」「客観的」両方考える
指摘の数々は落ち込みますが、先輩デザイナーの言葉は客観的に見た時の貴重なものでもあります。自分の感覚は周りとこう違っていた、こういう方向に変えてみよう、それではこんな感じにするのはどうかという素直な受け止め方が必要と思うようになりました。

現在はデザイン以外のWEB関連のお仕事もやってみたいとデザインはしていませんが、今させていただいているお仕事も上記にまとめたことを思い出す場面が何度もあったり考えさせられます。
レベル1からのデザイン、右も左も分からなかった自分にチャンスや経験を与えてくださったことにも感謝しています。
形は少し違えど少しずつでいいから成長できるよう心掛け、10年後の自分に繋げていきたいです。


最初はだれでもレベル1、今自分のレベルはいくつになったでしょうか!
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