オレオレ詐欺
とある銀行勤めの私。
お年寄りのお宅に電話で営業をかけた。
「○○銀行ですが」
「あら、あんた久しぶりじゃないか、元気にしてるのかい?」
電話口に出たおばあさんは、私を息子か誰かと勘違いしていうようだった。
東京で働く息子さんはもう10年近く帰省どころか電話もないのだという。
勘違いを訂正して営業の話をするが、私の声がそっくりらしく、すぐに息子だと思って話がすり替わる。
息子を思いやる優しい声に、私も母の面影を覚えていた。
後日にまた別件で電話をかける。
「あら、あんた、ひさしぶりじゃないの」
変わらないその声に名前も知らない息子に成り代わり名乗る私
「そうだよ、俺だよ俺」