書籍化からnote化へ
いつもお世話になっています。作家の浜口倫太郎(@rinntarou_hama)です。
最近noteから出版されている方が多いみたいですね。これまで紙の本として書籍化にするには、小説家ならば新人賞などでデビューするか、ビジネス書だったら出版社に企画を通してしかできなかったので、機会がぐんと広がりましたね。
noteの方々もいろんな人の書籍化を支援しているみたいですね。『note創作大賞』という企画も面白いです。noteから書籍化、映像化を目指す試みですね。夢が広がります。
ここでふと思ったんですが、noteからの書籍化ではなく、書籍化したものをnoteで掲載するという逆はできないのかということです。
いわゆるnote化ですね。
これをやってみようじゃないかと。
時々同じ作者で、別の出版社から一緒の本が出ているのを見ませんか? 「なんで二冊別で出てるんだろ」って不思議に感じたことはないでしょうか?
これって作家が権利を別の出版社にうつして再書籍化してるんですよ。
実は僕も自分で権利を持っている作品があるんです。それは『宇宙にいちばん近い人』という作品です。
舞台は昭和30年代の東京。家事と仕事に追われる19歳の女性・水谷幸子が、宇宙人を名乗るイケメンの男性と出会うという物語です。
組み合わせの法則的にいえば、
『昭和✖️宇宙人』
です。
この作品では、『空飛ぶ円盤研究会』という団体が登場します。
空飛ぶ円盤、つまり今でいう『UFO』ですね。この空飛ぶ円盤研究会が、日本初のUFO研究会となります。
戦後間もないそんな昔にUFOの研究会があったなんて驚きじゃないですか。
実はこの研究会には若き日の石原慎太郎、三島由紀夫などそうそうたる著名人が入会していたんです。
こんなインチキくさい団体に、昭和のインテリは興味津々だったわけです。空飛ぶ円盤についてみんな真剣に話し合っていたんですよ。
ちなみに三島由紀夫はこの空飛ぶ円盤研究会に入会した影響で、SF小説を書いています。『美しい星』という作品ですね。最近映画化もされました。
この空飛ぶ円盤研究会の存在を、僕は子供の頃から知っていたんです。というのも空飛ぶ円盤研究会きっかけで、小説家になったある青年がいたんです。
その名は、星新一。
そうあのショートショートの神様・星新一も、空飛ぶ円盤研究会の会員だったんですよ。
星さんは会長である荒井さんに、「星さん、何か会報誌に載せる短編を一つ書いてくれませんか」と頼まれました。
小説なんか書いたことがないと星さんは尻込みしたんですが、荒井さんはどうしてもと頼んできます。
そこで星さんがしぶしぶ書いた短編小説が、『セキストラ』という作品です。ショートショートの神様の初作品ですね。
このセキストラが江戸川乱歩に認められ、星新一は小説家となったんです。
僕は子供の頃に星先生のエッセイで、この歴史的事実を知ったんですよ。しびれましたね。もし空飛ぶ円盤研究会がなかったら、星新一は作家になっていなかったんだって。
そのときふとこう思ったんです。「この空飛ぶ円盤研究会に、本物の宇宙人がやってきたら面白いな」って。
それで自分自身が作家になった際、二作目にこの空飛ぶ円盤研究会を題材にした作品を書いたんですよ。
星新一をモデルにした『星野親一』も登場し、日本のSFの歴史もわかる小説となっています。
この『宇宙(そら)にいちばん近い人』を
『むかしむかしの宇宙人』
と改題して、noteで連載しようじゃないかと。
本当は出版社で再文庫化してもらった方がいいんでしょうが、それでは面白くないですからね。普通とは逆のことをやろうと。
ということで毎朝7時に、『むかしむかしの宇宙人』を連載していこうと思います。連続note小説ですね。
読みやすい文量で、少しずつ読んでいただければと。
これは本当に面白い小説ですので。
よろしくお願いいたします。
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