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綾野剛の演技が素晴らしくて仕方がない

綾野剛の演技は、いつ見ても素晴らしい。
どの役を見ても感心する。

シリアスからちょっとコメディタッチな役まで何でもピッタリはまってしまう。

「天空の蜂」という映画でテロリスト?の役だったが、最期を迎えるシーンでの鬼気迫る演技は身震いがした。

刑事に手錠をかけられてしまうのだが、自分の腕を傷つけて手錠を強引に外そうとする。
この段階で彼は死を覚悟していた。
自分の命を投げ打ってテロを結構しようとする。
その時の鬼のような形相が凄まじい。

現世の人が、死ぬ間際に何かに抗っている人を見ることなどまずない。
俳優は頭の中でそれを想像しながら演じるのだろうが、あくまでも想像であり、万人のイメージに添うとは限らない。
賭けみたいなものだ。

おそらく彼の演技は、そんな誰しものイメージを覆してしまうだろう。
綾野剛の演技が、全てその通りなんだと思わせてしまうだろう。
彼の演技にはそんな力強さがある。

「楽園」という映画では、気の弱い青年が狂気に走るという役だった。
スクリーンの中では、綾野剛という存在感が全く消えていた。
本当に綾野剛なのかと思ってしまった。

映画の冒頭の気の弱い顔が、ストーリーが進むにつれて変貌していく。
顔つきだけじゃない、目付きまで変わっていく。
それも完璧なサイコパスではなく、どこか正気を漂わせた狂気を見事に演じていた。
彼は自分の人生においてそんな経験をしてきたのだろうか。

そうかと思えば、コミカルな演技も引けを取らない。
シリアスな演技をしている時と同じ人間にはどうしても見えない。
顔の層が違う。

他のコメディアンのモノマネしているわけではない。
かと言って、不自然さを全く感じない。
彼はいくつもの人格を持っているのだろうか。

彼は間違いなく天才だ。



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