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ferdinand_ja_jp
【連続note小説】日向食堂 小日向真司15歳
真司は野球が好きだったが、結局中学の三年間で部活をすることはなった。
そんな時間があれば勉強しようと思っていた。
少しでもいい職に就いて、母を楽にしてやりたかった。
しかし高校に行くには、学費が必要になることを真司は知った。
「お母さん、ぼく、高校に行かなくていいよ。働いてお金を稼ぎたいんだ」
真司はあえて学費のことを口にしなかった。
「高校には行きなさい。お金はそれからでも稼げるから」
文枝は真司の気持ちがわかっていた。
「でも高校に行ったら学費がいるだろ。それに歳之だって高校に行かなければならないし」
「大丈夫よ。なんとかなるよ」
文枝は気丈夫に言った。
誠司が死んでから文枝は朝晩と働いたが、パートで稼げる金額はたかがしれていた。
しかしせめて高校だけは、世界一親孝行の息子の将来を奪うようなことだけはしない、文枝はそう強く願った。
倒れても働き続ける、文枝は自分の命と引き換えにする覚悟を決めた。
真司が生まれてから人生を全うするまでを連載小説として描いていきます。
<続く…>
<前回のお話はこちら>
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