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S型は「言葉や行動」に、N型は「動機」に着目する

前にこんな記事を書いた。

この記事ではS型とN型の違いを「詳細(S) vs 全体像(N)」として説明した。
他にも「S型は表に現れるものに着目し、N型は背景に着目する」という違いがあるので、今回はこの「背景」とはどんなものか、S型とN型はそれぞれどこを見ているかを掘り下げていく。


N的な「背景」と、内向による「背景」がある

色々な説明を読んでいて、直観による「背景」が内向による「背景」と混同されていると感じる。

直観による「背景」:要点を抽出し、「要点が同じである別のものが表面に現れたかもしれないパターン」を知覚する(可能性の認知)
内向による「背景」:内側で思い浮かぶものと関連づけることにより、外側にないものに意識を向ける(「想像」や「空想」と言われるもの)



例題

「お茶を持ってきて」と頼まれたとする。そこで入る情報は何か?


感覚機能を使うと、「お茶」「持ってくる」という直接言われた情報が知覚される。
直観機能を使うと、頼まれた動機(この人は喉が渇いている)に意識が向く。

ここで言われた通りお茶を持ってくるのが感覚型だ。実際にお茶を持ってきてからコップがないことに気付き、後からコップを追加で持ってくるかもしれない。
「お茶を持ってきて」から「喉が渇いている」という背景を読み取り、「喉が渇いている」から直接言われてはいないことまで連想がされるのが直観型だ。「喉が渇いていること」を解決するためのアイデア探しが始まるので、「お茶」だけでなく「コップ」も必要だと認識し、コップにお茶を注ぐという “一連のストーリー” を完了することにより要求に応じる。

表面に現れた言葉の内容に忠実であるS型と、表面よりも「きっかけ」を重視するN型の違いである。
また、ここからS型はその場その場で対応をして、N型は先のことまで見通すという違いも見られる。



SiでNの代用をすることがある

あまり広く知れ渡っている情報ではないが、私自身Siユーザーの体感として「SiがN的な役目を果たす」ということがあると考えている。私は長い間N劣等として生きてきたので、N的な知覚の仕方を全く知らず、N劣等により生じる問題はSiにより補っていた。

N劣等だと「言葉の表面しか捉えず、人の動機が分からない」という問題に陥りやすい。これをどうにかするために、「表面と表面」を繋げてパターン化するという対処法を身につけた。
例えば上記に挙げた例でいうS型の知覚方法をしたことにより「お茶しか持って来なくて、コップまで持ってきてほしいという意図を読み取れなかった」という問題が生じたとする。そうすればSiユーザーの私は「お茶を持ってきてほしいと頼まれた時にはコップも持ってくる必要がある」と記憶し、次回以降コップも持ってくるようになる。そうする事で表向きには私は意図を読むことに成功しているが、N型のように動機を掴んでいるから言外の意図が汲み取れるというわけではなく、Siで「この場合はこの行動を取る」とパターン化しているのだ。

Si優位は、人の意図を「この意図にはこの意図がセットでついている」と組み合わせることで覚える特徴がある。
例えば「暑い」には「エアコンをつけてほしい」という意図が含まれている、というように “経験則からの関連付け” で覚える。この “経験則からの関連付け” がSiなのだ。「暑いと言われた時にはエアコンをつけるのが良いという話を聞いたことがある」のように記憶を根拠にする。
これがN型なら、「暑い」という言葉のみならず相手の状態やタイミングや環境的な要因など様々な要因が複合した結果「一つの意図」として知覚されると考えている。その言葉を発せられたのは「なぜ」という所を汲み取るのが直観だ。



まとめ

  • S型は「直接言われた言葉」に着目し、N型は「言葉が発せられた動機」に着目する

  • S型は言われた通りに実行し、N型は言われなかった事まで実行したり方法を変えたりする(言葉ではなく意図に対応しようとしているから)

  • ↑の特徴はS型が「直接言わないと通じない」、N型が「話をきちんと聞いていない」と映る原因にもなる

  • S型は言外の意味を「セット」として記憶し(実際的な体験を介して視野を広げる)、N型は状況を読むことによって言外の可能性に意識を向ける(その他のエピソードを想定することにより視野を広げる)



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