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エッセイ「徒然なる日々の瞬き」2.本屋さん

 つい、本屋「さん」と簡単な敬称をつけて呼びたくなってしまう。どうしても本屋「」と呼び捨てにはできない。どこか近くに本屋はないかと調べるときにも、「◯◯駅 本屋さん」なんて無意識検索してしまうくらいだから、重症だ。

 敬称をつけること自体はまったく悪いことではない。相手を尊重していることの現れだから、それはもう、素晴らしいことだろう。けれど、それであるならば本屋だけに「さん」をつけるのはおかしいではないか。服屋にもケーキ屋にも花屋にも「さん」が必要ではないか…とぐるぐる考えたって答えはでてこない。

 本が好きでたまらないから、つい「さん」をつけて呼んでしまうのか、それとも本屋「さん」という呼び方をよく耳にするからそれに倣っているだけなのか。無意識に使っている本屋「さん」という言葉を意識してしまうと、なんだかおかしくて、愛おしくて、この呼び方はやめられそうにない。


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