1年で何度も死にかけた父 ― その時私は1歳だった。
私は生まれた時泣かなかった。
私が生まれた日、父は仕事の後に飲みに行っていたので、翌朝まで私の状態のことも、生まれたということも知らなかったようだ。
生まれた後の一年ちょっとは順調だった。
母によれば、私と歳にして5歳ほど離れた姉が、異常なまでに手がかかったのに比べて、私は「ほとんど手のかからない子どもだった」とのこと。
生まれた時からとにかく寝る。排尿間隔も長い。病院の看護師さんは、そんな私を見て、「なに、この赤ちゃん、おじさんみたい。」と言ったらしい。
12月生