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異能学園 -Another person Academy-

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異能学園の本編を小説化
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記事一覧

遭遇

「最近挙動不審よね」
「うん、今日もちょっと肩を触っただけですごい顔してた」
「挙げ句の果てにビーカー大量に落とすしね」
「どうしたんだろうねぇ」
「ねー」
麻莉香の少し前を歩くクラスメイトたちのヒソヒソとした話し声が聞こえてくる。日直の女子生徒のことだ。
授業が少し早く終わり帝人と麻莉香たちのクラスは早めに自分たちの教室へ戻っていた。
「あの子何かあった

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邂逅

ウェストミンスターのメロディーが学園に響く。予鈴の鐘の音の後、授業を受けていた生徒たちの解放感に満ちた声が彼方此方から聞こえてくる。休み時間だ。
移動教室の生徒たちが同じ色の教科書を持って次の教室へ移動する。帝人と麻莉香も机の上に教科書を置き、次の授業の準備をしている。
昨夜、学園に帰ってきた帝人と麻莉香は案の定帰りが遅いと先生にこっ酷く叱られた。こっ酷く叱られた帰りに麻莉香は犯人引き

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深夜の来訪者

「ふぇっくしゅん!」深夜の古ビルの二階から小さくくしゃみの音が聞こえる。大通りの一本裏にあるこの古ビルは三階建てになっており一階が骨董屋、二階に事務所が入っている。
「ふぁー。さっきまでの雨で体冷えちゃったかな…へくちっ!」
長髪の男はくしゃみをしながら、濡れて重い黒色の上着を事務所の床に脱ぎ捨てた。そのまま滑るようにボフッと、来客用のソファーに寝転がる。今にもその場で眠りそうだ。転がった

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雨上がり

「無事に今日の実習が終わってよかったじゃない。ほら、雨もあがってきたし」港での校外実習を終え、麻莉香と帝人は学園へ向かって歩いていた。
昨日の旧体育館での特訓で、なんとか異能力の発動方法と制御の仕方を覚え、校外実習に参加したが、帝人はとても不満げであった。
「ふん。どーだか。昨日散々特訓したのにただ走り回るだけだったじゃねぇか。特訓の意味がねぇ」
「異能の使い方を覚えたから使ってみたいっ

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旧校舎

朝から人の賑やかな声が空を行き交う。ここは異能力を持った学生と持たない学生が通う総合学園施設、聖壱里塚学園。桜も散って若葉が緑に輝いている。ザザーッと風がなびく中、予鈴の鐘が鳴り生徒たちは慌てて校舎へ駆け込んで行った。

「えー。本日は、転校生を紹介する。入れー」クラス担任の言葉により教室の扉がガラッと開く。むすりと不機嫌そうな面持ちで銀髪の少年が教室へ入ってきた。
「転校生の七淵帝人くんだ

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プロローグ

「警察への引き渡しこれで終わったね」ぼつぼつと降り落ちる雨粒をビニール傘で弾かせながら一条麻莉香は、パトカーの近くでふてくされた顔をしている銀髪の少年に言った。
「まったく、なんなんだあの売人は。異能力なんて全くつかってなかったじゃねぇか。事前情報と違うぞアルフリード」と、銀髪の少年。
「まぁ、そういうこともあるさ。誰も怪我人が出なかったのだからよかったじゃないか」と、アルフリードと呼

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