【📚 #1】幸福な食卓
どうも、凜です。
瀬尾まいこさんの『幸福な食卓』を
読みました。
本屋さんでタイトルを見た途端
なんて素敵なのと即購入を決めた1冊。
何度も読み返したくなる本に出会えたよ。
感想やらを記録しておこう。
▶︎あらすじ
ある日の朝食
父が突然、お父さんを辞めると宣言しました。
佐知子の家族は、必ず家族揃って
朝食を食べるのがルール。
朝食の場は
ただ一緒に食事をするだけじゃなく
何かを打ち明けたり、報告したり
佐知子の家族にとって大切な場です。
そこで、佐知子の父はお父さんを辞めると
宣言したのでした。
戸惑う佐知子に
すんなり受け入れる兄の直ちゃん。
別居中のお母さんは後から知るのでしょう。
佐知子のお父さんは5年前
家で自殺をしようとしました。
幸い命は落とさなかったものの
その日から、家族には少しずつズレが生じます。
お父さんが自殺をしようとした梅雨になると
胃の調子が悪くなる佐知子。
真面目に生きることをやめた直ちゃん。
家にいることがつらくなったお母さん。
まてまて、そんな家族大丈夫??って
突っ込みたくなりますが
それぞれの思いを抱えつつも
お互いを想い合い、支え合っているんです。
お父さんが辞めることも大変だけど、
佐知子は中学生。
佐知子には、受験やクラスの問題、好きな人
思春期特有のさまざまな問題が巻き起こります。
そんな佐知子の悩みに
寄り添う家族のあたたかい物語。
▶︎感想
このお話、簡単にまとめたら
家族のあったかい話。
なんだけど、なんだかそれだけじゃ
済まされない不安定さというか、
ハラハラした感じがあります。
綱渡りの綱の上にあるような。
▷幸福の下にあるもの
まず衝撃的な父親の自殺未遂もそうだけど
飼っている鶏を締めて食べるとか
好きだった同級生が死ぬとか
このお話には、ずっと“死”が
チラついている気がします。
5年経っているとはいえ
自殺未遂をした父親と和気あいあいと
食卓を囲む子どもたち。
もちろん、
それぞれ引っかかっていることはあるのに
それを横目に暮らせるのは
すごいなと純粋に思ってしまいました。
きっとわたしならできない…笑
▷佐知子のために
このお話は、ずっと佐知子の視点で
書かれていて
佐知子からみたら、
日々、学校やら塾やらで悩んでいるのに
家族は自由気ままで
やれやれな世界が広がっています。
佐知子が周りに振り回されているような。
でも、お父さんの遺書をずっと持っていた
直ちゃんの言葉で、わたしはハッとしました。
直ちゃんは、子どもの頃から
勉強もスポーツも完璧に正しくこなしてた。
でも、だんだんちゃんとできなくなって
元に戻せなくなっていた。
それを元に戻すには死ぬしかない、と。
自殺をしようとしたお父さんも同じでした。
その証拠に、
お父さんの遺書には
“真剣ささえ捨てることができたら
困難は軽減できたのに”
と書いてあったのです。
直ちゃんの軽薄さの底には
そういう理由があったんだと納得すると同時に
きっとお父さんをはじめ、お母さん
直ちゃんは、それぞれ正しさを少しずつ
脱ぎ捨ててきたのかなと感じました。
そしてそれは、意図しているかは別として
結果的に佐知子を守っているんだなって。
この章?のタイトルが「バイブル」
なのもそういうことなのかな。
▷家族は滅多になくならない
わたしは、直ちゃんの彼女
小林ヨシコが結構好きです。
これまで触れてなかったけど
小林ヨシコの存在がこの物語に
いい味を出している気がします。
小林ヨシコは、直ちゃんの彼女で
濃い化粧にドギツイ香水、ド派手な服装
初めての彼の実家への手土産に
サラダ油を持ってくるような子。
今まで恋愛もテキトーにしてきた
直ちゃんが、小林ヨシコには
振り回されているし
佐知子も、最初は嫌がってたのに
応援し始めるくらい
小林ヨシコには人としての魅力が
あるんだと思う。
それが現れているのは
最後の最後
佐知子が、大好きだった同級生を亡くして
落ち込んでいる時。
佐知子は、ずっとこの世の
終わりかのように元気をなくして
落ち込んでいたの。
そりゃ好きな人が死んだわけだしね。
これには家族がいくら励ましても
なかなか効かなくて
そんな時、小林ヨシコが
佐知子を訪ねてくるの。
そして、小林ヨシコは佐知子と
話す中で
恋人は自分の努力次第でいくらでもできるよ
でも、家族の代わりはいないし
自分じゃどうすることもできない。
家族は作るのは大変だけど
その分、滅多になくならないから
もっと甘えていいんじゃない?
もちろん大事にしなきゃだけどさって。
そうやって励ます小林ヨシコが
大好きになりました。笑
佐知子も、この言葉から少しずつ
立ち直ることができるんだよね。
小林ヨシコの言葉は
お父さん、お母さん、直ちゃんの
気持ちを代弁してる気がして
すごく、いいな〜て。(伝われ笑)
わたしはね、
結婚ししてる、離婚してるとか
一緒に住んでる、住んでないとか
そんな形とかは関係なく
お互いを想い合って支えられるのが
家族なのかなあと思えました。
ほんとはもっともっと
書きたいぐらいだけど
長くなるのでこのへんで。
ぜひみんなも読んでみてほしいな。
それじゃ。