カナダで保育:ありのまま受け入れる事を子どもが教えてくれました
何か間違った事をした時に素直にそれを認めて「ごめんなさい」が言えるってすごく単純な事のはずなのに、時としてすごく難しいと思いませんか?
間違った事の大小にもよるしその相手にもよるけれど、とっさに自分をかばう言い訳を言ってしまう事も私自身多々あります。
それは子ども達も同じで、子どもが何かをした時、年齢が上になるにつれて誤魔化したり噓をついたり言い訳をしたりと、素直に認める事が難しくなっているように思います。
私の担当しているToddler(1.5∼3歳前まで)は、まだ何かした時に「したよ」と素直に答えてくれることが殆ど。
そのあまりの素直さに「言っちゃうんだ!」と毒気が抜かれてしまいます。
まだ言い訳を言えるほど言語力がないという事もあるけれど、そうする事での因果関係をわかっていないという事も多いのかなと思います。
そう言う事、する事でどういう事になるのか、相手にどう思われるのかという事を予想して嘘をつくわけではなく、その時のそのままを伝えてくれる。
そして子ども達が素直に教えてくれた時、私は「それはしてはいけない事なんだよ」「次はどうすれば良いのかな」「気を付けようね」などと落ち着いて話をする事が出来ます。
けれど言い訳をしたり嘘をつかれたりすると、自分が見た事や相手の意見も踏まえその行為をまずは認めさせなくては、とどんどん話が長くなっていく。
私自身もヒートアップしていってしまう事もあるし、最終的には「嘘をつくのは良くない」という本来の話にプラスされた話が展開されていきます。
けれどそれって自分自身もそうなんですよね。
何か間違いを犯した時につい自分をかばう発言をしてしまう。
私はそういう意図でしていなかった、XXに言われてそれをした、体調が悪くてそこまで気が回らなかった、正直言い訳はどんどん出てきます。
けれどそうする事で話はどんどん長くなっていくし、最終的にその時間ってすごく無駄なんじゃないかと思うようになりました。
だってもう起こってしまった事に対して言い訳をするより、まずは自分がそれをしたという事を認め、それに対してこれからどうするのかを伝える方がよっぽど誠実さが相手に伝わると思うんです。
その後に相手側がその原因を知りたいというなら説明するのもありでしょう。
原因を伝える事で今後またこういう事が起こらないようにという予防にもなると思います。
ただ、人が言い訳をする時って「自分が悪者になりたくない」「悪いと思われたくない」から自分の正当性を主張して自分をかばうのではないかと思います。
けれどそんな言い訳をする事で、逆に「自分がした事を認めないなんて」と余計に良い印象を与えないだろうし、この人は自分がした事の責任を取る事もしないんだと信用・信頼も失っていってしまうのではないでしょうか。
一人の同僚が伝達事項を忘れて、本来しなくてはいけなかった事をしなかった時がありました。
それが発覚した時に「忘れてた、ごめんなさい!」とすぐに言ってその事に対応し、その後はまた忘れる事がないようにする為にはどうすれば良いかと一緒に話し合って、今後の対応策を考えました。
私はその時に、しなければいけない事をしなかったという間違いを犯したことより、この人は嘘をつかない人なんだともっと信じる事が出来るようになりました。
けれど、別の同僚で普段は凄く仕事が出来る人だけれど、間違いがあった時に「自分は知らない」「自分はしていない」と自分の言動をごまかすような事を言われました。
他の同僚や状況から、彼女がそうしたことは明らか。
でもその場にいなかった私は、本人にそう言われればそれ以上追求する事が出来ず、全体に対してその時起った事、そして今後そういう時はどう対応すればいいかという話をしました。
結果としてはどちらも問題に対応した形にはなりましたが、後者の彼女に対する信頼感は一気に減りましたね。
「人に自分は仕事が出来ない人だと思われたくない」「間違った事をしたと思われたくない」と思ってした言い訳でも、そんな自分の思惑とは裏腹に、逆の印象を相手に与えてしまっているのではないでしょうか。
だからこそ、起こった事をまずはありのまま認める事が物事をスムーズに進めてくれるし、誠実な人間関係を築いていってくれるのだと思います。
まぁ私自身もまだまだ「言い訳をしない」「まずは認める」という事を出来るようになる為の修行中ですが、子ども達の日常的な素直な言動は、そんな事を教えてくれました。
精進していきます!
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