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カウンセリングを学ぼうと思った訳

大学を卒業後、地方の大きな病院へ就職した。
いざ、現場へ行くと患者さんの服用しているお薬の種類にびっくりした。

外来だけで1日に200枚以上、全て院内処方ね。それにプラス入院患者さんの処方箋もあり、ありとあらゆるお薬を触ったし、いろんな診療科の処方箋を触ることができた。今思うと、あれだけの種類のお薬を扱う薬局で働いたのは1番最初に就職した病院だけだったな。

そんな忙しい中、目の前の仕事をこなすのに精一杯で、相互作用がどうだとか、一人一人の患者さんに本当に必要なお薬なのかとか考える余裕は全くなかった。

下っ端病院薬剤師として、最低限必要と思われる業務をこなせるようになってきた頃、外科病棟の担当薬剤師として病棟に行かせていただくことになった。

消化器系のがん患者さんや潰瘍性大腸炎、クローン病、乳がん術後の化学療法中、原因不明の肝臓病で入退院を繰り返す患者さん、などなど数多くの病態の患者さんとお話しする機会が増えた。

薬の知識をいくら増やしても、薬剤師としていくら処方箋をさばけたとしても、何も患者さんのためにならないなと痛感することがしばしば。

うまく言えないけど、患者さんには日常があり病院での生活が当たり前ではないということ。患者さんが上手に自分の思いを私たちに話してくれるわけではないということ。などなど。

患者さんの気持ちを上手に聞き出すことができたら、もっとラクにしてあげられるかもしれない。そう思うようになり、心理学に興味を持ちカウンセリングを勉強するようになった。

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