White Devil & Death Angel
【文字数:約1,100文字】
マガジン「おたからさがし」の第6回はコメント欄での予告どおり、毒キノコを取り上げる。
はじめに断っておくけれど、毒キノコという分類は人間が食べて中毒を起こすからであって、カビの塊みたいなキノコを食べている時点で自業自得だと思っている。
悲しいかな、毒キノコと見るや引っこ抜いてしまう人間がいるけれど、彼らからすれば横暴と言う他ない。
もちろん悪用される可能性もあるため、撮影地については非公開とする。
前回と同じく、種類の確定については個人の見解であり、見た目の近い近縁種の可能性があることにも留意されたい。
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ヘッダー画像にしたのはシロオニタケかと推定しており、全体を映したものがコチラ ↓
シロオニタケの仲間は語頭に別の言葉を付けることで、いくつかのバリエーションが存在するものの、基本的には毒キノコという認識で良いと思う。
特徴的な傘のイボイボは、中世の欧州における打撃武器だったメイスを連想させるためか、本能的に「ヤバい」と感じさせる。
りんどん は シロオニタケ を そうび した!
E シロオニタケ こうげきりょく + ??
E あせくさいふく ぼうぎょりょく + 0
なにより大きく育つことが多いようで、おぼろげながら20cmくらいの高さがあり、これが視界に入れば認識せざるを得ない。
食べると消化器がダメージを受けるらしいが、見た目からして食欲を減退させるから、よほどの勇者でない限り口にしないと信じたい。
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お次は名前を出す前に写真を見てもらうことにする。
なんとなくヤバそうな空気を感じてくださった方は、野外でのサバイバルにも適応できるかと思う。
おそらくこれはドクツルタケで、漢字にすると毒鶴茸となる。
美しい見た目と毒性から、「死の天使」や「破壊の天使」といった異名があり、いくら飢えても絶対に食べないほうがいいと思う。理由は死ぬまでが苦しいからだ。
具体的には消化器系のすべてがダメージを受け、腹痛、嘔吐、下痢の食中毒による症状の後、腎臓や肝臓などの機能不全によって死に至るらしい。
1本で1人が死ぬと言われているけれど、固まって群生している場合もあるので、よからぬことを考えないでもらえたらと思う。
毒性というのは人間の都合であって、眺めるぶんには非常に美しいキノコだし、これらを見つけて私はキノコ探しをするようになった。
それらを見つけなければ体を動かすだけだったのが、新たに探索という遊びを教えてもらった彼らに感謝している。
最後に小さな幼菌の写真を載せて本稿を終わる。