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あなたの答えは?

【文字数:約2,000文字】

 りんどん? 贅沢な名だね。今からお前の名前は「むくげ」だ。いいかい、むくげだよ。わかったら返事をするんだ、むくげ!

 異世界にて風呂屋を経営する魔女、湯○婆よろしく名前を奪われたもので「むくげ」に改名しました。

 その理由は ↓ の記事を読んでくだされば判明します。

 ちょっとした遊びですから、しばらくしたら名前を取り戻すと思います。元の「りんどん」が気に入ってますし。

 ことの発端は前回の記事、というか短編小説『砂浜の一部となって』です。

 そのあとがきにて、読者に向けた謎かけを残しました。

 記事を紹介してくださった湯○婆のような方はコメントにて、「ひとつのパラグラフを105字以内に収めること...?」と書いており、ほぼ正解だと私は答えました。

 他にも興味を持った方がいらっしゃるので、記事として答え合わせをすることにした次第です。

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 はじめに正解を申し上げると、特定の文字数でもって作品を書き上げた、となります。

 この作品を別サイトで掲載していたとき、副題として「骰子さいころ」の名をつけていました。それは1~6の数字が「・」で表された別名、ダイスのことです。

 骰子に含まれる「骰」の部首は「骨」ですから、作品との親和性もあると考えました。

 そして「サイコロ」に数字を当てると「3156」となります。

 感の良い方は副題で気づいたと思われますが、本作は文字数を3,156文字に揃えるという挑戦をしました。

 これは作者からすると意味のある縛りで、俳句や短歌などと同じ決まった音数で表現することに通じています。

 ただし掲載するサイトによって文字数の数え方が異なるため、あとがきに書いたとおり「別サイトでのみ有効な縛り」となります。

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 基本的に小説の文字数は短編や中編、長編といった分類のために意識されるもので、私が記事の目安として「約1,000文字」などと添えるのも、読み手側にどのくらいの分量かを伝えるためです。

 それ自体に意味を与えようと考えたのは、あえて縛りを加える挑戦の他にも、本作で描こうとしたものが根底にあります。

 ころころと骰子のように出目が変わるのは、人の心というか精神とも近いように考えており、作品でも始めと終わりで主人公の内面が変化しています。

 また、本作では次の一文を最初と最後に添えています。

 砂浜の一部は人間の骨だと、いつか祖父が話していた。

 はじめに物語から漂う不穏な空気を表し、終わりでは主人公の感じ方が変わったことを表現しています。

 やや苦しい主張だとは思いつつ、同じ言葉で別の表現になるのは、1つの骰子が異なる出目を持つのと関連すると考えました。

 そして場面によって「1」が求められたり、あるいは「6」が喜ばれたりして移り変わるのも、心の持つ不可思議な点かと思います。

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 こうして作者自身が解説をすることに対して、興醒めだ、白けるといった意見があるそうで。

 しかしながら作品に込めたものを自ら精査することにより、至らなかった点に反省したり、もしくは新たな気づきを得られます。

 小説家を目指している方にとっても、それは重要な取り組みです。

 公募において数十万に及ぶ文字数で書かれた作品を、審査する側がすべて1つずつ読むのは現実的ではありません。

 そのため作品の応募にあたって、必ずといっていいほど求められるのが梗概こうがい、すなわち「あらすじ」です。

 おおよそ原稿用紙1~2枚半の1,000文字以下で、数十万に及ぶ物語の中で何が面白いのか、どんな話なのかと解説します。

 よく見聞きしたのは良い梗概を書ける人の作品にはハズレが少ない、という話です。

 数ある中から自分の作品を選んでもらうため、物語のどの情報を残すか、どういった構成にすれば伝わるか、といったものを限られた文字数で表現する能力が求められます。

 「○○が××をして~」と1つずつ出来事に触れる余裕はありませんから、その作品がどんな物語なのかを把握して、もっとも効果的な紹介文を作り上げます。

 これは私の趣味でもある作品レビューと近く、読んだ人が興味を持てれば成功です。

 もちろん自分のために書いたのだから、伝わらないのは読み手側の問題だとするのも1つの意見だと思います。

 けれども作品を「商品」とするのであれば、読み手側に歩み寄るのも必要でしょうし、作者は1人の読者でもあります。

 ◇

 前に作家の朝井リョウさんが、「自分の作品を説明するのが苦手だ」と話していました。

 それを聴いた私は趣味の物書きでありながら、分かる、と頷いたのです。

 朝井リョウさんも話しておられたと思うのですが、すべてを作者が説明することで正解を与えてしまい、それ以外の見方を潰してしまうのではと不安を覚えるのです。

 気づけば長くなってしまったので、このあたりの話は別の機会があれば書こうと思います。

 ここまでご覧くださり、誠にありがとうございました。


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