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【ST(言語聴覚士)新人さん向け】休職中ST(言語聴覚士)だけど仕事をするうえで大切だと思ったことを伝えたい

こんにちは、りんどうと申します。病院(回復期)に勤務している(?)ST2年目。
今回は、新人STさんに向けてお伝えしたい記事となります。といっても、私もひよっこST2年目(ていうかほぼ1年目)のため、新人STさんに偉そうなことは言えないんですが…笑
ですが、私が1年間ST業務を行ってきて気付いたことを備忘録、そして今後STとして歩まれる方々に伝えたくて、今回noteに書き留めます。
人によっては当たり前のことを書いていると思われるかもしれませんが、人って知らず知らずのうちに思考の視野がどんどん狭くなってしまうんです。
是非最後まで読んでいただき、心の隅にでも留めておいてほしいです。


自己紹介とこれまでの経緯

病院(回復期)に勤めている(?)ST2年目。ひよっこ1年目を経て、2年目となる4月に突如心の病を自覚し、心療クリニックに駆け込む。適応障害と診断され、現在休職中。 …と、今までのことを簡単に説明するとこんな感じ。

うきうきわくわくな4月~6月の私

STの国試を経て、4月からSTになれるということにワクワクしていました。実は学生時代は座学よりも、実習のほうが好きだった私。回復期STとして、実習先でお世話になったバイザーの先生たちのようになりたいと、漠然と考えていました。
勤務先の同期はもちろんのこと、STの諸先輩は優しい方たちで、他職種(PT、OT、Ns)さんまでも優しそうな方ばかり。この病院は勝ち確ですわ!と心ウキウキで病院に行っていました。
またこの頃は先輩の下について訓練の見学をさせていただいておりました。実習先では触れることがなかった訓練方法を見学することができ、驚きの連続。
休みなしで職場に行きたい、患者さんに関わりたいと本気で思っていました。(笑)

なんだかおかしくなり始める7月~8月

7月~8月となって見学期間が終了し、私にも担当患者さんを任せられ、1日18単位をとるようになります。
(ちょうどこのnote.を書いているのも、この時期ですね。)
この時期に、私は一気に不安が増え始めました。

<不安になったこと>

  • 患者さんと1対1のリハビリをすることが増えたことで、きちんとリハビリが行うことができるか不安

  • 訓練プログラムがうまく立案できるか不安

→→これらの不安を解消するために、私は平日・休日問わず、論文や動画を漁りまくり、教科書を舐めるように読みまくりました。
(先輩STに意見を求めるも、これ!といった的確なアドバイスはいただけなかったため、自主的に勉強しなければいけなくなった…)

また加えて、一気に疲れを感じるようになりました。
1日18単位のノルマ
回復期+Ns不足のため、トイレ介助や移乗を行う必要性があるうえに、これがめちゃくちゃ重労働
(というか、専門学校時代にトイレ介助や移乗を教わらないので、PT・OTに教わりながら一から勉強!これも大変…)
そして今までの疲労。

<結果>

  • イライラすること、落ち込むことが増える

  • 気が付くと、いつでも、どこでも、誰といてもため息を吐いている(カルテを打ち込んでいるときが一番酷かった)

  • どこか遠くへ行きたいという願望が強くなる 

人によっては、当たり前のことだよねと思われるかもしれません。
医療職は日々精進、1年目なんだから勉強することが当たり前、文句垂れるなと罵倒されてしまうと思います。
ですが少なくとも、イライラする、落ち込む、いつでもため息が出てしまうことなどは、心の危険信号です。
ですので、上記の症状が出ている場合、我慢しろ!もっと頑張れ!というのではなく、自身の心の状態を無視せずに、目を向けてみてほしいのです。

心が悲鳴をあげだす9月~12月

上記の心の危険信号が出まくっていたのですが、私は自覚することができませんでした。
それどころか、反動のように9月~12月はフルスロットルで働きまくりました。普段よりも1日が短く感じ、病棟内をバタバタと走りまくっていたのもこの頃です。
しかし、心は悲鳴をあげ続けていました。この頃から上記症状(イライラ・落ち込み・ため息)はより酷くなり、加えて業務上でのミスが多くなりました。ミスは、患者様の介入時間やミーティングの時間を誤るなど些細なことから、介入中に誤嚥させてしまうというアクシデント案件まで。

限界を迎える1月~3月

年が明け、流石に限界を迎えます。
<限界症状>

  • 患者様に対し、怒りの感情しか湧かない

  • 訓練プログラムがうまくいかないことへの苛立ちと無力感

  • ところかまわず急に大粒の涙が湧きだし、止めることができない

  • 次の介入時間が迫っているにも関わらず、意味もなく病院内を徘徊してしまう

  • 街中の車いすに乗っている高齢者を見ただけで、恐怖を感じ、吐き気を催す

  • 毎日、4時ごろに目が覚めてしまい、それ以降入眠できない

  • 電話口で話す声が脳内で言語化できず、他国の言語のように感じてしまう

  • 布団から起き上がることができない

ざっと今思い出しても、こんな感じ。列挙していくと、症状が限界過ぎて驚きますね。

うつの症状一覧

また、うつはこのような症状が発現します。
今、ご覧になっている皆様には、思い当たる症状はありませんか。

心の症状(精神的な症状)
一日中気分が落ち込む
趣味など今まで楽しかったことが楽しめない、何にも興味がわかない
この世から消えたい、死にたいと思う
自分は無価値な人間だと思う
妄想や幻覚(うつ病で幻覚が出現することはまれ) 
物事を決断できない など

体の症状(身体的な症状)
食欲がない、体重が減る
食欲が増す
寝つきが悪い、夜中や朝方に目が覚める
疲れやすい、気力がわかない
性欲低下
仕事や家事などに集中できない
体を動かすことがおっくうになる
話し方や動作が以前よりも遅い
イライラ、そわそわして落ち着かない
心臓がどきどきする
手や足が震える
呼吸が苦しくなる、過呼吸
汗が出る
胃痛
頭痛 など

うつ病の症状―気分の落ち込みのほか、体の痛みなどの身体症状があることも | メディカルノート (medicalnote.jp)

その後、心の危険信号を自覚した私は、心療クリニックを受診。休職に理解のある先生だったため、診断書を作成していただき、お休み中です。

休職してから気付いたこと

さて、ここから休職してから気付いたことを書き連ねていきたいと思います。

仕事を頑張りすぎないで

ここまで読んでいただけた方なら分かる通り、仕事に対して【バカ】真面目に取り組み、頑張りすぎると、自分のキャパシティーを超えても自覚ができなくなってしまいます。
私の場合のキャパシティーを超えた行為が、平日休日問わず訓練プログラムを考えまくってしまったことです。回復期なので仕方ないかもしれませんが、1日18単位ノルマを完遂しなければならなかったことも私的に心にきました。

とはいえ、「仕事を頑張りすぎない」って言葉で言ったり、文字として打つのは簡単なんですが、実践することは非常に困難なんですよね。
どうしても頑張りすぎちゃう。
心理学でいうシロクマ実験のような感じですよね。”仕事を頑張りすぎない”と考えないように努力すればするほど、かえって頭から離れなくなってしまう、みたいな。
シロクマ実験を克服する方略として、「今ここ」に集中するというゲシュタルト療法が提唱されているようです。

ゲシュタルト療法は、精神分析医フレデリック・パールズ(フリッツ・パールズ)と、妻でゲシュタルト心理学者のローラ・パールズ、文学評論家のポール・グッドマンらによって1950年代に創られた心理療法です。
ゲシュタルトのワークでは、”今ここ”に集中することで自分の感情や感覚への気づきの幅や深さを広げていくことを丁寧におこなっていきます。無意識の思い込みやとらわれに気づくことにより癒しと成長を得ていくカウンセリングの方法の一つであり、新たな視座や視点を得るという意味でビジネスコーチングにも応用されています。

日本ゲシュタルト療法学会 (japangestalt.org)

本格的な療法を受けることは難易度が上がりますが、意識をするだけなら、とても有用な方法であるといえそうです。私も実践してみます。

うつっぽいなと感じたらすぐ病院へ!休むことも視野に入れて考えて

うつの症状一覧を上記に載せましたが、少しでもうつ症状が出現し、辛かったら病院へ行くことを検討してください。
今回、心療クリニックを受診して気づいたんですが…クリニックや精神科の初診が〇カ月先とかザラにあるんですよ、ほんとに。〇カ月も待ってたら、普通にうつが悪化しますよね。
限界の時って、電話するだけで気力を使いますから、初診受付しているかの電話をしたくないんですよね。少しでも症状が軽いうちに電話し、受診することが大事です。
うつも軽症のほうが予後が良いです。頑張りすぎて限界を迎えても良いことは全くありません。
もう令和です。うつは恥ずかしいことではありません。

また私にはNsの友人がいるのですが、Ns業界では「最低3年は同じ職場で修業を積め」という暗黙の教えがあるそうです。
しかしこれはST業界、いやリハビリ界隈でも根強く言われている気がします。心の危険信号が出る前の話ですが、「最低3年は頑張るようにしよう」とリハビリ職の先輩に言われたことを思い出します。
休職するにあたって、まだ2年目(1年目?)ですし、今後経験を積まなければいけないのに、今立ち止まっていいのかと非常に悩みました。
しかし、嫌な職場・仕事内容を3年も耐え忍ぶことは無意味だと感じるのです。
休職し、現在気分の浮き沈みはまだ残存していますが、ところかまわず大泣きしてしまったり、中途覚醒してしまう、他人が他言語を話しているように聞こえてしまうなどの症状は消失しました。
休職して良かったと、心から感じています。
もし「3年は耐え忍ぶ」という教えを頑なに守り、うつが悪化したとして、果たしてどなたが責任をとってくれるのでしょうか。
もちろん、誰も責任をとってくれません。ただ自身の精神がずたぼろになってしまうだけです。
経験を積んでいくことは、非常に大切なことです。この教えは患者様に適切なリハビリを提供していくうえで、とても素敵な教えだと思います。
しかし心が危険信号をあげている人にとっては、本当に無責任で、現代の価値観に合致していない教えだと感じますね。そのため、この教えを無理強いすることはできないと思います。


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