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【本の要約】『問題解決』:あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術

年末年始にまとめ読みした『問題解決-あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術』の要約になります。

『問題解決-あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術』は、ビジネスにおける問題解決の手順をわかりやすく解説した書籍で、
分析・問題解決・戦略立案のスキルを習得できる一冊です。
この一冊で個人の振り返り~組織戦略~経営戦略まで幅広くカバーできる一冊です。
是非ご一読ください。

👇では本編はじまります👇

本書の構成


本書は以下の構成で、問題解決の手順を解説しています。

  • 第1章:問題解決の手順

  • 第2章:問題を特定する

  • 第3章:原因を追究する

  • 第4章:あるべき姿を設定する

  • 第5章:対策を立案する

  • 第6章:対策を実行する

  • 第7章:結果を評価し、定着化させる

各章の冒頭には、ハードウェアメーカーでのケーススタディが挿入されており、ビジネスの場での問題解決を疑似体験できる構成です。


問題解決の手順:Where・Why・How


本書では、問題解決の手順を Where(問題の特定)⇒Why(原因の追究)⇒How(対策の立案・実行) の順で進めていくことを推奨しています。

目の前にある問題を解決するだけでなく、あるべき姿(What)に到達するための考え方も紹介されていて、目的(イシュー)を考えることのできる書籍となっています。

1. Where:問題の特定

有効な分析や対策を行うために、まずは問題を特定します。
問題の特定には、漏れのない(MECEな)データ が必要です。
漏れのないデータを集めるためには、スコープ(対象範囲)を決めます。
全体が決まらないと、どこまで集めれば”漏れがない”データなのか決められないからです。

もし売上が低迷している問題に対して問題解決をするなら、部署全体なのか、特定のチームなのか、個人の成績なのかで必要な情報量は変わります。

人によって捉えているスコープが違う可能性があるので、特に上司の指示で問題解決する場合、上司が期待しているスコープはしっかり確認は必ず行いましょう。

漏れなくデータを集めたら、問題を絞り込んでいきます。
問題を絞り込むとは、感度の良い切り口で分けることです。

  • 感度の良い切り口:問題点がかたまって浮き彫りになる切り方

  • 感度の悪い切り口:問題点が分散していて特異点が見えない切り方

切り口の例としては、以下のようなものがあります。

  • When:季節、時間帯、曜日など

  • Where:地域、部署、工程など

  • Who:性別、年齢、担当者など

  • What:商品、材料、業務など

問題点が浮き彫りになる切り口が見つかったら、問題が問題である理由(=論拠)を明確にしましょう。
増減が大きい、改善の効果が大きい(伸びしろがある)、波及効果があるなどが当てはまります。

問題の優先度やなぜ取り組むのか?という理由を明確にするために、論拠を言語化することが効果的です。

「本当にそこが問題なのか?」をしっかりと議論して全員で合意形成をおこなうには、「強い情報」をそろえて、間違いなくそこが問題であると主張し、確認しておくことが必要です。

2. Why:原因の追究

問題が特定できたら、次に原因を追究します。
深く広く正しく掘り下げるためのポイントを紹介します。

深く掘り下げるために、「なぜ?と5回は深掘りしろ!」と言われたことがあるかもしれませんが、5回は例えの回数であり、問いかけが浅いと根本原因までたどり着きません。

広く掘り下げるとは、漏れなくだぶりなく考えることです。

1つの結果がさまざまな原因から引き起こされていることはよくあります。 漏れなくだぶりなくのMECEやLISSが紹介されています。

  • MECE:足し算で、漏れなくダブりなく

  • LISS:掛け算で、漏れなくダブりなく

LISS(Liner Independence and Spanning Sets)は、因数分解することで、要素を漏れなく考えることができます。

たとえば、売上=1人あたりの購入額×顧客数×リピート回数などです。

原因を追究するときは拡散思考でアイディアを出して良いのですが、最終的に正しく掘り下げられたかは確認しましょう。
推測や思い込みで掘り下げているところはないか、データはあるのか、論理の飛躍がないか、原因に対する固有原因になっているかなどを確認します。

机上の空論にならないように、結論に影響するところはデータや一次情報を取るのが重要です。

原因を正しく掘り下げられたかどうかを振り返り、確認する方法としては、以下の3点があります。

■因果の構造図の見た目をチェックする

▸一直線:広がりが不足している
▸末広がり:広がりっぱなし
▸気球:突然収束する

■一段目と二段目の抜け漏れを確認する
■一番下が打ち止めになっているかを確認する
■問題の固有原因になっているかを確認する

3. How:対策の立案・実行

対策とは、「意図を持ってこれまでと違うことをおこなうこと」と定義されます。
これまでと同じことをいくら一生懸命やっても問題はいっこうに解決されません。
現状の原因構造のどこかを変えうるこれまでと違うことが対策には必須になります。

解決策は仕組み化して誰でもできる状態・元に戻らない状態を作りましょう。
Whyで分析した結果を踏まえて、この解決策が効果を発揮したらどのような状態になるか?をイメージし、その通りになっているかを確認します。
原因A⇒原因B⇒原因C⇒結果Dという流れなら、
原因Aを解決すれば原因B⇒原因C⇒結果Dがプラスの変化になるはずです。

対策となる打ち手は、「成果につながること」、「わかりやすいこと」、「着実に実行できること」の3要素を満たすことが理想です。

成果につながらなければリソースを割いて対策を実行する意味がありませんし、わかりやすく明快に対策を描けなければ組織内で抵抗に合います。
そして、事前に対策を実行に移す際の障壁を考慮し、実行可能な対策を採択することも重要になります。


How思考の落とし穴

本書では、繰り返しHow思考の落とし穴に注意するよう呼びかけられます。 How思考とは、思いつきの解決策に飛びついて行き当たりばったりな対策をしてしまうこと。
特にHow思考の人が言いがちなセリフに心当たりがありませんか?

▸考える時間がもったいない
▸とりあえずやってみよう/やってみて考えよう
▸行動したほうが早い

たとえ遠回りに見えても、問題の特定から始めて本当に効果的な対策に集中したほうが、最終的に効率よく問題解決ができます。
仮に行き当たりばったりの対策が功を奏しても、再現性はありません。

立ち止まって考える時間を取る勇気を持ちましょう。


自責の視点

問題の原因を追究するところで、つい環境や社会、他人のせいにしてしまいがちですが、自分には何ができるか?自分に足りていないことは何か?という自責の視点を持つことで、実行可能で効果的な対策にたどり着くことができます。

たしかに環境が原因のこともありますが、自分でコントロールできないことに原因を求めると、問題を解決できる!という気持ちが持てません。
対策を打ち、問題を解決することを第一義に考えると、必ず「自分を主語」として、すなわち自責の視点で、自分がやれていなかったことは何かという観点で考えを深めていく必要があります。

自責と書くと自分を責めているようですが、自分にできることにフォーカスすると捉えればポジティブに受け止められます。

問題の種類:発生型 vs 設定型

問題には発生型と設定型の2種類あり、解決のアプローチが違います。

▸発生型:誰から見ても問題であることが明らか
   ┗原因を究明し、再発防止に力を入れる(マイナス⇒0に戻す)
   ┗たとえば、”赤字である”、”離職率が高い”、”クレームが多い”など

▸設定型:あるべき姿と比較して問題だとわかる
┗あるべき姿を設定して問題認識を持つことから始める
    (0⇒プラス)
   ┗たとえば、売上が5%しか上がっていないなど


自分がどちらの種類を扱っているかを把握しましょう。

問題解決に協力的でない人がいたら、そもそも問題だと思っていないかもしれません。
設定型の問題の場合、なぜそれが問題なのかを明確にし、共通認識を得なければいけません。
その際に、あるべき姿を設定して、現状と照らし合わせて問題を特定します。



問題解決能力を高めるには

  1. 正しい手順ややり方を学ぶ。

    • 書籍や講座で学ぶ

  2. 学んだことを日々の問題解決で実践する。

    • 身の回りの問題に対し、原因と対策を考える

  3. 考えたこと、分析したことを書き残す。

    • 頭の中だけで考えず、記録を残す

  4. 過去の記録を振り返り、自己成長を確認する。

    • 過去の考え方のどこが正しく、どこが間違っていたのかを分析する



明日から使えるアクション

①問題を特定する際には、スコープを明確にする ことを意識する。
 ▸問題解決の範囲を定めることで、
  必要なデータの種類と量を把握しやすくなります。

②問題を感度の良い切り口 で分析する。
▸問題を様々な角度から見ることで、
  本質的な課題を見つけ出すことができます。

③問題の原因を追究する際、MECE(漏れなくダブりなく) の考え方を取り入れる。
▸問題の全体像を把握し、見落としを防ぐことができます。

④問題解決のステップ 「Where(問題の特定)⇒Why(原因の追究)⇒How(対策の立案・実行)」 を意識する。

 ▸思いつきで行動する前に、
  立ち止まって考える習慣を身につけましょう。

⑤問題解決の取り組みを記録し、定期的に振り返る。

▸過去の自分の分析や判断を振り返ることで、
 問題解決能力を向上させることができます。

まとめ

本書は問題解決における基礎~応用まで詳しく記載されています。
私は組織運営で読みましたが、個人の方の振り返りにも活用できる内容です。
正しい振り返りを行い、インパクトの大きい点で問題解決していきましょう。

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