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料理の実験室〜すてっぷ4『つくったことのない料理を、レシピを見ずにつくることはできるの?』

「オニオングラタンスープが飲みたい!」

今回の実験は、そんな妻からのオーダーで始まりました。

ということで、今回の題材はたまねぎさん。


●たまねぎの栄養素(成分)は?

・硫化アリル:血液をサラサラにする
・ケルセチン:抗酸化作用により、老化やがん、生活習慣病予防に
・オリゴ糖:腸内環境を整える
・カリウム:余分な塩分を体外に排出する

固有の栄養素はそこまで多くないのですが、たまねぎの成分自体に身体にいいものがたっくさん含まれています。

●本日の実験テーマ『つくったことのない料理を、レシピを見ずにつくることはできるのか?』

僕はできると思っています。
どんな料理をつくる時でも、基本となる考え方や調理技法は同じ。
それらが身に付いていて、一度でも食べたことがあって味のイメージを湧くのなら、つくれる。

…という、僕の仮説と、身に付いているであろう調理の心得を確認するために、チャレンジしてみます!

●その1 完成イメージから食材を考える

過去の記憶を一生懸命呼び覚まします…

オニオングラタンスープなんだから、たまねぎは当然使うでしょう。
うま味やコクを出すためにベーコンのようなは必要な気がする。
確か、にんにくの香りもしたような。。
あっ!肝心なこと思い出した!バゲットがのっていた気がする!
ここまでだとぜんっぜんグラタン感ないけど…確かチーズもかかっていた気が…いいや、それでグラタンということにしよう。
いや待てよ、朝ご飯だし、オニオンだけじゃ心許ないよなぁ…そういえば、まだ春キャベツ残ってたはず。
他にも食感があった方が面白いよなぁ、何かきのこ入れてみるか。

…ということで、冷蔵庫からかき集められてきたのがこの子達。

●その2 完成イメージに合わせて食材を切る

「スープ」なので、あまり食材等が主張し過ぎないよう、一口大よりも少し小さめなイメージで切っていきます。

ベーコンは、小さなブロック状にして塩を揉み込む
そうすることで余分な水分が出て旨みが引き立つのですが、そのためには10分程度は置きたいので先に仕込んでおきます(まな板は別のものを使うとこの後洗わなくて済むので便利)

お次のたまねぎは、しっかり炒めてうま味を引き出すためにみじん切り。スープにもたまねぎの口触りがあった気がするので、スライスしたものも用意しておく。口の中で溶けるようにしたいので、繊維に垂直に切ります

春キャベツは、食感を活かしたいので少し大きめに。
舞茸は、細かく割いて。
にんにくは、たまねぎと一緒に炒めるのでみじん切り。

よし、仕込みが完成。

●その3 知識や手法を総動員しながらスープをつくる

「美味しいスープをつくる」ために、自分が知っている知識をフルに使います。

まず、フライパンにオリーブオイル。
バターと迷ったけれど、たまねぎをしっかり炒めるための油分だとするなら、炒めすぎると焦げてしまう・香りが飛んでしまうので、今回はオリーブオイルでいってみます。

にんにくとたまねぎを同時に入れて、弱火でじっくり炒めていきます。塩を軽く振り、たまねぎから水分が出やすくしますスュエと言います。出典:クックドア)

途中、茶色いたまねぎが鍋底に張り付いたりしますが、真っ黒になっていなければ気にしなくて大丈夫です。

この後、お肉を入れるタイミングで白ワインを入れて、鍋底を擦ると綺麗に落ちるんです。

ほらね

これをデグラッセといいます(出典:Wikipedeia)
ちなみに、食材を炒めるときは木べら等だけではなく、耐熱仕様のゴムベラを使うと、鍋の脇や底についた食材も綺麗に集められるのでおすすめです。

ほんのり茶色に色づき、食べてみて甘みを感じ始めたら、次に舞茸とスライスしたたまねぎを投入。
たまねぎが透明になるまで炒めたら、ブイヨンを入れて沸騰させます。

一気に沸騰させるとアクが自然と中央に集まってきてくれるので取りやすいです。

アクを取ったら圧力鍋で一気に加熱。短時間で味が引き出されます。

10分ほど煮込んで開けてみると…

色濃くなっています。スライスしたたまねぎもいい感じで溶けてますね。
味見をしてみると…おぉ美味しい!めちゃくちゃたまねぎの味する!いい感じ!

春キャベツは、圧力をかけてしまうと溶けて食感が失われてしまうのでこのタイミングで投入します。その後、春キャベツの食感と味をみながらスープが完成。

●その4 グラタン化する

僕の知っているグラタンの思い出を鑑みると、おそらくグラタンの最低条件は「チーズをかけて焼いているもの」のことでしょう。
ということで、器にスープを盛り、パンを乗せてチーズを振りかけ、オーブンで焼いて…完成!

どうだっ!これこそ、オニオングラタンスープでしょ!!!

完成したものを妻に差し出す。
ふーふーしながら、食す妻。

「んっ、美味しい!!」

その後、色々とコメントをいただきました。

オニオングラタンスープを食べたこと・作ったことががある方からの総評としては、

「たまねぎの味がしっかりする美味しい具沢山スープ」

だそうです。

ここまで全部やった上でクックパットを開いてレシピを見てみると…

えっ、そもそも肉入れないの!?
てか、マジで具材たまねぎだけなのか、すごいシンプル。。
しかも、たまねぎもっともっと炒めてよかったのかぁ〜〜〜〜
うわ〜バター使うのか…ここはどっちでもいい気がするなぁ

などなど、新たな気付きが盛りだくさん。

●今回の実験の結論は…

つくったことのない料理でも、食べたことがあり、料理の基本的な知識や技術がありさえすれば、レシピを見なくても似たようなものをつくることはできる。

でした。

●おまけ(実は一番大きな気付きかも)

これは、言い換えるのならば、料理の基本的な知識や技術がないと、レシピを見ても思ったような料理にならない可能性がある…ということだなと。

食材の切り方、野菜を入れる順番、火入れの程度など、僕が見たことのあるレシピでは、その辺りの情報は「こういうものです」とサラッと書かれている印象です。

でも、実はそこが一番大切で。

ここをしっかり押さえておかないと、食材の魅力や味が上手く引き出されずに、調味料の味や濃さ・薄さだけに左右される料理になってしまいます。

僕が専門学校に通う前、レシピを見ながらつくったのに想像していた味となんか違うなぁと感じることがあったのですが、まさにこれでした。

わざわざ選んで買ってきた食材たちなのに、そうなってしまうのはもったいないし悔しい…

だからこそ、すもーるすてっぷCookingでは、個人レッスンであることを最大限に活かして、小さな一手間を丁寧にお伝えしながら、大きな成果を感じてもらえるようにしていこうと、改めて思いました。

長くなっちゃった!最後までお読みいただき、ありがとうございました(#^^#)

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