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プロダクト開発組織について考える

概要

京都のスタートアップ企業であるBaseconnectでプロダクト企画・デザイン部門の責任者やってるRinaです。今日はプロダクト組織について語ってみます。

プロダクト開発組織の役割とは

プロダクト開発における役割として、ざっくり「戦略立案」「企画構想」「要件定義」「開発」「テスト」「プロモーション」「グロースハック」といった一連の工程を考えたときに、よくある”どの工程が重要”だとか”上流・下流”といった考え方がありますが、私がこれまで経験したプロダクト組織から見える課題とそれを踏まえた思考を皆さんにお伝えしようと思います。

特に何が問題になるのか

特にプロダクト開発において問題になる点としては「何を達成すべきか明確になっていない」「何を解決したいか共通認識が取れていない」という組織上の課題にフォーカスを当てて話したいと思います。

当然ながら、「機能を作ったけど使われているか分からない」などグロースハックに関する問題点など、その他問題は無数に存在するのですが、主に組織的な課題になりやすい”共通的な思考”にフォーカスを当ててみます。

なぜ問題になるのか

”共通的な思考”である「何を達成すべきか」「何を解決したいか」といった、各自が自律的に最適な方法を考えつつも1つの共通の目標に向かっていくことの難しさが、組織においての課題としてよく取り上げられます。

例えば有名なOKRという目標設定手法も”共通的な思考”をそれぞれにもたらすための有効な手法として活用されていると私は認識しています。目標となる到達地点の認識が異なれば、求める成果に対して遠回りになったり最悪目標に到達しないということもあり得ます。

これがプロダクト開発においては特に致命傷になるというお話し。

特に問題になるポイント

プロダクト開発において、ある目的を達成するためや、その目的に繋がるユーザーの課題を解決するため(ニーズに応えるため)に、適切な機能を組み立て、ユーザーの行動を誘導し、1つの行動を完結させることを繰り返し提供します。

つまり、1つの機能だけで何か元々提供しようとしていた価値が提供できるわけではなく、ある目的を達成するための一連の動作の部分部分をプロダクトにおける機能の1つ1つとして設計していくということが求められます。

ある意味当たり前のことで、実はこうして文章化したものを読むと「何だそんなことか、当たり前に普段から意識しながら開発しているよ」という方も多いのではないでしょうか。

実は問題が発生していることに気付いていない

実は「何だそんなことか」と思った人ほど、その問題にハマっていることが多いと私はこれまでの経験上感じています。

1つの目的に向かって意識を統一して、そこへ認識に齟齬なく、各自が自律的に考えながら最適なゴールに向かう。言葉にすると単純なようで、これが最も困難なことであることは組織の運営をする方なら身に染みて感じるはずです。特に大きな組織になればなるほど顕著に問題が顕在化します。

経営層、組織運営者が力を掛けてもなかなか解決しないこの問題。これをプロダクトというある共通の目的を持ったものに対して、各自が役割分担しつつ、しかも長期間掛かる開発という工程の中で常にメンバーに意識させながら、正しい道筋を描けるようにマネジメントすることは困難を極めます。

まずはその重要性に気付くこと

上に述べたように、組織戦略上特に重要な”共通的な思考”をメンバーが持った状態でプロダクト開発を適切に進めることは困難を極めます。実際にプロダクトマネジメントに関わる方は多忙を極めるため、よりこういった問題に対して優先的に取り組むことはできない傾向にあります。

そのため、まずはその重要性に気付いて意識してみましょう。そして組織の中にはプロダクトを正しく開発するための道筋に対してある程度答えを持った専門的な役割を持った方が居るはずです。

プロダクト・事業の戦略に対する道筋の認識が薄ければ「戦略立案」を専門に実施している役割の方のアウトプットに触れ、考えを取り入れてみてください。プロダクトの企画・構想に対する認識が薄ければ「企画構想」を専門に実施している役割の方と意見のすり合わせを行ってください。

プロダクトを組織で作ることの難しさ

通常の組織における”共通的な思考”の浸透以上に、プロダクトを生み出す組織において”共通的な思考”を浸透させることは重要であり非常に困難です。

しかもプロダクト開発に関わる人材において、こういった組織運営に関する課題やその解決方法に詳しく、その経験を活かしている人自体がかなり少ない印象です。根本的に思考の領域が違うからなのかもしれません。

ただ、ポジティブな要素としてプロダクト開発におけるこういった課題の解決を、マネジメントの力ではなくチームとして全員が意識的に、各々が考えていることをすり合わせしながら1つの結論を導くような考え方・手法が徐々に広まっています。

これはある意味、プロダクト開発組織に適した手法であり、私もスクラム開発的な取り組みには概ね賛成ではあるのですが、この手法の目的も先に述べた”共通的な思考”を常に持ちながら進めるためであるということを意識しながら、適切な組織運営ができているかという視点で組織の状況を振り返り、手法の見直しを検討して欲しいと思います。

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