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手塚治虫ファンにしか伝わらない、7人兄弟の名付け方
自分たちの名前に規則性なんてないとずっと思っていた。
例えば「一郎・次郎・三郎」みたいな数字シリーズだとか、「あおい・しおり・さくら」みたいなお花シリーズだとか。兄弟の強い繋がりを感じる名前のそれに、小さい頃は憧れを抱いていたものである。
◇◆◇
「ねえ、なんでうちの兄弟の名前はみんなバラバラなの?どうやって決めたの?」
いつだったか、末の妹が両親に聞いていたことがあった。私と同様、妹も名前の規則性について思うことがあったらしい。
「え?全員、手塚治虫モデルだよ」
「へ?」
「当たり前でしょ」とでも言わんばかりの両親のその顔に、私はすっとんきょうな反応をした気がする。
ないと思っていた私たちの名前の規則性は、なんと「手塚治虫漫画に出てくるキャラクターから連想される名前」だという。
確かに両親ともに、手塚治虫ファンであることは知ってはいたけれど。
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という訳で今日は実名を伏せた上で、これまで作成したnote記事と合わせて雑に兄弟について紹介していくことにする。
なお、自己紹介noteにも記載したが、私たちは全て1セットの両親から生まれた7人で、上から女女女男女女女、である。
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長女/40歳:モデル「鉄腕アトム」
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手塚治虫初のアニメーション作品。「最初の」とか「先駆者」的なニュアンスを多大に含んだ未来感溢れる名前が付けられているのが長女である。
私から見た長女
口から生まれた女。三度の飯より酒が好き。ビールをチェイサーに、ハイボール、ワイン、日本酒、そして芋焼酎を飲みまくり、最終的に記憶をなくすところまでがワンセット。
次女/38歳:モデル「火の鳥」
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あらゆる時代を往来し、絶えず人の世を俯瞰し続けた火の鳥。姉もその名の通り何度でも復活を遂げる感じのある名前。
私から見た次女
うっかり八兵衛なしっかり者(どないやねん)。働きながら3人の子供を育てるパワー系ママ。歌が上手くて声がよく通る。子供達に注意した後の電話の声の切り替えはいつ聞いても圧巻。
三女/37歳:モデル「ジャングル大帝レオ」
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なんでライオンが出てくる映画には谷がつきものなんだろうか。三女の名前はその谷によく使われる形容詞が元。
私から見た三女
与え続けてる人。働きマン。働いて働いて働きまくる仕事大好き人間。孫ができてからはその孫にメロメロすぎて面白い。
長男/34歳:モデル「ユニコ」
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一角獣。7人のうちのただ一人だけの男の子の名前が幻獣種由来とは、なかなかにふさわしいのかもしれない。
私から見た長男
口下手だけどいいやつ。奥さんや子供から煙たがられてもいい奴。姉3人からけちょんけちょんにされてもいい奴。大事なものの順番はよく間違える。
四女/32歳:モデル「リボンの騎士」
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男装したお姫様。姉はその身に纏う衣や才が良く表れた名前で、原作からそのまま抜け出したかのような活発な女の子。
私から見た四女
ポジティブおばけで、困難にも立ち向かう人。四女と話しているととにかく元気もらえる。英語/スペイン語話せる。なぜか日本語の方が聞いてて不安。
五女/29歳:モデル「ふしぎなメルモ」
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私のこと。赤いキャンディ1粒で10歳若返り、青いキャンディ1粒で10歳年をとる不思議な女の子。なるほど芯がしっかりしとらにゃあかんって感じの名前。(「海」はペンネームです)
六女/26歳:モデル「三つ目がとおる」
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いじめられっこだけど、額に貼られた絆創膏をはがすと三つ目族の超能力と天才的頭脳が目覚めるという、ポテンシャルの塊みたいな子。なるほど末っ子である六女も、ある時期になると一気に変化するって感じがする名前である。
私から見た六女
とにかくおでこが可愛い。ケ・セラ・セラを地で行っているようで、割と抱えこみがち。だけど周りの人に対してちゃんと向き合って相手を変えていける、心優しい妹。
※記載年齢は全て2022年時点のもの
そんな感じ。
まさか自分たちの名前が、天才漫画家である手塚治虫氏にあやかって付けられたとは思ってもいなかった。
だけどこうして振り返ってみると、なぜかそれぞれが、モデルとなった主人公たちに似通ってきている気がして面白い。各自が寄せていったのかはわからないけど、なるほどしっくりきてしまう。
我が両親ながら、なかなかに先見の明とセンスをお持ちだったのではあるまいか。
これを読んでいる人も、もし自分の兄弟の名前の法則性や共通点をお持ちであれば、ぜひ教えていただきたい。