やさしい吸血鬼の作り方6
はっきり油断していた、と断言しよう。
まずカヅキは慌てて何を思ったのか真っ先にカーテンを閉めた。それによって光源を失い真っ暗になった部屋でおそらく慌てたらしいミヤマが何かに躓いて派手に転倒する音が響く。それに駆け寄ろうとしてカヅキはテーブルに衝突し、それによって食器が落ちて割れる音がした。「べっ、ベッドの下!」となんとかとっさに叫び、暗闇に慣れた目で黒い塊がのそのそと床を這ってベッドの下に収まるのを見届けてから、カヅキはそこでやっとノックされた扉を開くことが出来た。
「