[小説]やさしい吸血鬼の作り方7
そこに立っているのは一見すると痩せ細った全裸の男性だった。
しかしその表情は険しく皺が寄り、黒い瞳はぎょろりと威嚇に瞬いた。鋭い爪は人間の物より遥かに長く、野生を思わせる。
手と足の大きさがアンバランスなのはそれが彼らの武器だからだ。
人間とは違い、彼らは道具を使わない。人間に非常に類似した姿をしながら、彼らは確かに獣だった。
ウサギの肉をその口がほおばる。ごりごりという耳障りな硬質なものを噛み砕く音が響いて、彼はそれをゆっくりと飲み下した。
その黒い瞳が、こちら